グワァー「こんな膿汁の世界に俺たちを置き去りにしやがって」

ポスト

カリスマ・ボーカリスト、オーデラス・ウランガスの急逝以降、初となるグワァーのニューアルバム『ザ・ブラッド・オブ・ゴッズ』が10月20日に発売となった。

◆グワァー画像

太古の昔、宇宙の果てから“地球”という名のドロの球に降臨したグワァーは、恐竜を絶滅させ猿を犯して人類の始祖となったとのこと。自らの醜悪な子孫を憎んできた彼らは、長いあいだ南極の氷の中に閉じ込められてきたが、解き放たれヘヴィ・メタル・バンドとしての活動を開始、その轟音で我々を苦しめてきたというものだ。

ハードなサウンドとグロテスクなホラー調ビジュアル、そしてシアトリカルで血生臭いライブ・パフォーマンスは現代のメタルに多大な影響を与え、スリップノットやローディ、そして同郷ヴァージニア州リッチモンド出身のラム・オブ・ゴッドなどのルーツとしてリスペクトされてきた。


今作は2014年3月23日にオーデラス・ウランガス(人間名デイヴ・ブロッキー)が不死の力を失い、自らの剣で貫かれて斃れてから初となるニュー・アルバムだ。ボーカルにブロサー・ザ・バザーカー(人間名マイケル・ビショップ)が加わり、ヴァイキングのデス・マシンや大統領暗殺計画/人類の殺戮/肥満死の恐怖などが描かれており、北欧神話のラグナロクにも通じる終末観が繰り広げられる。激烈なメタル・サウンドに乗せて、殺せ!犯せ!燃やせ!と高らかに歌い上げる破壊衝動は、デビュー30年以上を経ながらも揺らぐことがない。

同時に、本作はオーデラスに捧げる鎮魂歌でもある。「ファック・ディス・プレイス」では“オーデラスよ、こんな膿汁の世界に俺たちを置き去りにしやがって!”と、グワァーらしい表現で彼の魂を悼んでいる。また「ファントム・リム」では彼を失った喪失感を“幻肢痛”(欠損した身体の一部に痛みを感じること)に例え、今でも彼の存在を感じ続けると訴えかけている。

Photo by Rachel Naomi





グワァー『ザ・ブラッド・オブ・ゴッズ』

2017年10月20日発売
【30セット通販限定 CD+Tシャツ】¥5,000+税
【CD】¥2,300+税
※日本語解説書封入/歌詞対訳付き
1.ウォー・オン・GWAR
2.ヴァイキング・デス・マシーン
3.エル・プレジデンテ
4.アイル・ビー・ユア・モンスター
5.オーロック
6.スワーム
7.ザ・ソーディッド・ソリロクイ・オブ・ソーボーグ・デストラクト
8.デス・トゥ・ディキー・ダンカン
9.クラッシュド・バイ・ザ・クロス
10.ファック・ディス・プレイス
11.ファントム・リム
12.流血の叫び(AC/DC カヴァー)

【メンバー】
ブロサー・ザ・バザーカー(リードヴォーカル/ベース)
バルサック・ザ・ジョーズ・オブ・デス(ギター/ヴォーカル)
パストゥラス・マキシマス(ギター/ヴォーカル)
ビーフケーキ・ザ・マイティ(ベース/ヴォーカル/グロッケンシュピール)
ジズマック・ダ・ガシャ(ドラムス/パーカッション/ヴォーカル)
ソーボーグ・デストラクト(ネメシス/ヴォーカル)
ボーンスナッパー(セキュリティ/ヴォーカル)

◆GWAR『ザ・ブラッド・オブ・ゴッズ』オフィシャルページ
この記事をポスト

この記事の関連情報