尾野真千子と末井昭がデュエット、『素敵なダイナマイトスキャンダル』主題歌決定

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菊地成孔と小田朋美が音楽を担当する映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』(3月17日(土)全国公開)の主題歌が、尾野真千子と末井昭によるデュエット曲「山の音」に決定した。

◆本予告映像、ポスター画像

末井昭の自伝的エッセイを原作とする『素敵なダイナマイトスキャンダル』は、幼少期に母親が隣家の息子とダイナマイト心中するという衝撃的な体験をした末井青年が、工員やキャバレーの看板描きの職を経て、やがて70~80年代のサブカルチャーを牽引する雑誌編集長となっていくまでを描いた青春映画だ。映画化に際しては冨永昌敬監督がメガホンをとり、主演の柄本佑、母・富子役の尾野真千子をはじめ、前田敦子、三浦透子、峯田和伸、松重豊ら俳優陣が集結した。

映画のエンディングを彩る「山の音」は、原作者・末井とその母親役を演じた尾野の共演で、母と子の深遠な関係を思わせる楽曲世界が描き出されたデュエットソングだ。なお、尾野真千子が映画主題歌を歌唱するのは本作が初。自身の歌声に「何も言えません……(笑)」と謙遜する彼女だが、末井は「歌が上手くて、声が超カワイイです。女優さんってスゴイ!」と賛辞を贈っている。

この発表と合わせて、本作の本予告映像および本ポスターが解禁となった。また、主題歌と劇中音楽を手がける菊地成孔が、荒木経惟をモデルにした写真家・“荒木さん”役で俳優として映画初出演を果たすことも明らかになっている。



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■柄本佑 コメント
コロコロと転がっていくような曲とちょっとヘンナ歌詞がとっても色っぽく、そこに重なる尾野真千子さんと末井昭さんのめくるめくコラボが聞いていて気持ちいい一曲です。更に映画を観てから聴くと、末井さんと末井さんのお母さんが奇跡のデュエットをしている!と、素敵な錯覚を味わえます!

■尾野真千子 コメント
本当に私で良いの?嘘でしょ?と思いました。感覚が掴めずとても難しかったですが皆さんの励ましのおかげで、もっともっと歌ってみたい。という感情が湧き、皆さんがおだて上手だなと思いました。まさか原作者の末井昭さんとデュエット出来るなんて、とても貴重な体験をさせてもらいました。

■末井昭(原作)コメント
──主題歌について

ダイナマイト心中した母親がベースになっていますが、色んなイメージが膨らむ歌です。最初に聴いたとき涙ぐみました。

──収録時のエピソード

尾野さんは2時間ほどでレコーディングが終わりましたが、僕は2日かかりました。一緒に行った妻が焦って、菊地さんに「スエイは歌えるんです。荒木経惟さんのパーティでよく宗右衛門町ブルースを歌うんです」と言っていました。カラオケじゃないんだから。

■菊地成孔 コメント
──主題歌について

音楽監督のオファーを頂いたときに、真っ先に閃いたのは、末井さんに主題歌として女優さんとのデュエットソングを歌って頂く事でした。これは、私が知る限り世界映画史上はじめての事ですし、複雑にねじれたマザコン映画(登場する女性──男性の一部さえも──は全て末井さんの母親の変形した投影です)である本作の本質を突く事になり、本作に音楽からのオーラを与え、映画としての霊力的階級を一段階上げると確信したからです。母親役である尾野さんの素晴らしい歌唱によって、「残された子(本人)と母親(女優が演ずる虚構)」という倒錯的な構造にフォーカスが絞られました。この構造が発想された瞬間から、自然に歌詞も曲も出来ていました。小田朋美さんの中期ビートルズ風の素晴らしい管弦編曲も、無限の虚無と愛へのもがき、その葛藤を更に効果的に押し上げてくれました。素晴らしい主題歌だと思います。

──冨永監督からの出演オファーを受けて

演技などできるはずがないので、3年断り続けましたが、とうとう逃げられなくなり、かなり軽い役に落として頂く事、そして末井さんを主題歌に必ず起用する事、を条件にやらせて頂きました。私は過去、荒木先生に撮影して頂く機会があり、ちょっとした知己がある事、体型や声質や下町弁が似ていることから、冨永くんが勝手に興奮しただけであって、彼の判断は今でも間違っていたと思います。撮影自体は、自分の音楽のMVのそれより遥かに短時間で簡単に済みましたが、他人が考えた台詞とカメラの動かし方を覚えて、そこに体や顔の動きをつけ、他の俳優さんたちとお芝居を合わせるというのは、私にはとてもじゃありませんが無理で、そのことはキャメラが雄弁に記録していると思います。

■冨永昌敬(監督・脚本) コメント
「山の音」は、菊地さんと小田さんによって書かれた『素敵なダイナマイトスキャンダル』のエピローグです。これほど「主題」を補完してくれる主題歌はありません。たとえば歌詞の「地下鉄のトンネル」という一節(そんな場面は本編に存在しないし、そんな場面を撮りたかったと監督が思うほど、まさに補完)には、エンドクレジットの黒い背景も相まって無性にイメージを掻き立てられます。そして尾野さんと末井さんの歌唱は、二人のあたたかい声によって音響的な高揚を画面にもたらし、なお、散り散りに消えてゆく母と探し求める息子といったキャラクターさえ感じさせてくれるでしょう。この歌の魅力は、キャスティングの鮮やかさにまったく留まりません。じっくり聴いてほしいと思います。

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主題歌「山の音」は、3月7日(水)に発売となる本作のオリジナル・サウンドトラックに収録されることも決定している。

映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』

2018年3月17日(土) テアトル新宿、池袋シネマ・ロサほか全国公開
柄本 佑 前田敦子 三浦透子 峯田和伸 松重 豊 村上 淳 尾野真千子
中島 歩 落合モトキ 木嶋のりこ 瑞乃サリー 政岡泰志 菊地成孔 島本 慶 若葉竜也 嶋田久作
監督・脚本:冨永昌敬
原作:末井 昭「素敵なダイナマイトスキャンダル」(ちくま文庫刊)
音楽:菊地成孔 小田朋美
主題歌:尾野真千子と末井昭「山の音」(TABOO/Sony Music Artists Inc.)
配給・宣伝:東京テアトル
2018年/日本/138分/5.1ch/ビスタ/カラー/デジタル/R15+
(C)2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会
dynamitemovie.jp

『「素敵なダイナマイトスキャンダル」オリジナル・サウンドトラック』

2018年3月7日(水)発売
VRCL-4043 ¥2,500+税

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