【インタビュー】ポタリ、四人がロックと正面から向き合って作り上げた会心作『ポタリの2』

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リスナーの気持ちを引き上げる力を持った楽曲を発信するガールズバンドとして、幅広い層のリスナーから熱い支持を得ているポタリ。1月17日にリリースされた2ndフル・アルバム『ポタリの2』は彼女達の新たな息吹をパッケージした意欲作で、バンドのポテンシャルの高さや懐の深さなどを満喫できる一作となっている。本作を機に、ポタリがより大きな注目を集めることを強く予感せずにいられない。

◆ポタリ~画像&映像~

■最初は盛り上がったり楽しい音楽をやっていたけど
■活動を重ねて音楽性が変わっていって今の感じになりました


――ポタリがどんな風に結成されたのかを話していただけますか。

鈴木奈津美“ナツ”(以下、鈴木):元々は、私が中学を卒業する時にガールズバンドをやりたいと思って、チェーンメールをまわし始めたんです。それに引っ掛かってきたのが、全然知らないエミだったんですよ。それに、ベースとドラムも集まって、ポタリの前身バンドを始めたんです。それからメンバー・チェンジを経て、5年前くらいに今の四人になりました。バンドを始めた頃の私はORANGE RANGEさんがすごく好きで、エミもファンクラブに入っていたよね?

中西詠美“エミ”(以下、中西):うん。ベースとドラムの子も、ORANGE RANGEさんが好きだったし。

鈴木:そう。なので、最初の頃はORANGE RANGEのコピーとか、盛り上がったり、楽しかったりする音楽をやっていた印象がありますね。そういうところから入って、メンバーが替わったり、活動を重ねていったりする中で音楽性が変わっていって、今の感じになりました。

――バンドをやっていくうちに、オリジナルを作る楽しさにも目覚められたんですね。それぞれの音楽的な背景なども教えてもらえますか。

鈴木:私はバンドというものを知ったきっかけが、ORANGE RANGEさんだったんです。その前は、浜崎あゆみさんとか、小柳ゆきさんといった女性シンガーが好きでしたね。音楽性とか歌唱力だけではなくて、ビジュアルとかも含めてカリスマ性のある人に惹かれて、小学生の頃から歌手になりたいなと思っていたんです。でも、中学生になってORANGE RANGEさんと出会ってバンドというものを知って、自分もバンドで学園祭に出たいと思って。それがきっかけになってギターを買ってもらって、バンドをやるようになりました。バンドを始めた頃は、ギター&ボーカルだったんです。ギターは本当に触るくらいで、パワーコード中心でしたけど(笑)。ボーカリストで尊敬しているのは、尾崎豊さんです。尾崎豊さんは歌にしても、ライブ・パフォーマンスにしても彼の人となりがちゃんと出ていて、それがすごく好きなんですよね。“なにが起こるか分からないハチャメチャさ”みたいなものを持ったライブをしつつ、聴かせる曲はしっかり聴かせるという振り幅の広さにも憧れましたし。ORANGE RANGEさんも1枚のアルバムにいろんな曲が入っているところに、すごく魅力を感じた気がします。

中西:私はバンドが好きで、ライブにすごく行っていたんです。元々は中2の時の友達でバンドがすごく好きな子がいて、その子に「聴いてみて、お願いだから」と言われて渡されたのがELLEGARDENさんだったんです。それから1年後に、その友達にELLEGARDENさんが名古屋に来るから行こうよと誘われて。それで、初めてフェスに行って、いろんなバンドに触れて、バンドってめちゃくちゃカッコいいなと思ったんです。それで、本当にバンドにハマって、ひたすらライブに行くようになって、高校の3年間は一人でもライブに行っていて、本当にライブキッズでした。それに、初めてELLEGARDENさんのライブを観た時に、大勢のお客さんが一斉に手を挙げているのを見て感動して、この瞬間を自分も創りたいなと思ったんです。それで、中学を卒業する頃にギターを買ったんですけど、全然弾けなくて挫折していたら、ナツからメールがまわって来て、バンドを組んじゃえば絶対練習すると思ったんです(笑)。だから、基礎練習くらいはちょっとしたことがあるという状態でバンドに入って、それから曲のコピーをし始めました(笑)。


――エミさんは初心者だったわけですが、ナツさんはそれでも一緒にバンドをやろうという気持ちになったんですね?

鈴木:はい。私もギターをやっていたけどずごくヘタクソだったので、エミと会った時に“めっちゃ弾ける子が入ってきた!”と思ったんです(笑)。

茄子川“ナスカワ”:アハハ(笑)。ナツは、さらに下回っていたんだ(笑)。

中西:そう(笑)。だから良かった。いや、本当に良かった(笑)。私は、ギタリストとして尊敬しているのは9mm Parabellum Bulletの滝(善充)さんです。あの人は、1音1音をすごくきれいに鳴らしますよね。ライブの時も凄いパフォーマンスをしているのに、全部の音がしっかり飛んでくるんですよね。あのパフォーマンスをしながら、こんなに弾けるというところを、本当に尊敬しています。滝さんが雑誌で「基礎練をしています」というのを読んで、“私も、やろう!”みたいな(笑)。

内田愛子“アイコ”(以下、内田):音楽を好きになったきっかけは、高1の頃に聴いたASIAN KUNG-FU GENERATIONさんとか、BUMP OF CHICKENさんとかです。ベースというものを知らない時期にそういうバンドを初めて聴いて、気になる音が鳴っているなと思ったんですね。それで、親に聞いたらベースという楽器の音だと教えてくれて、ベースを始めました。ただ、ずっと一人でベースを弾いていたんですよ。地元のライブハウスの店長さんが良くしてくれて、バンドを組ませようとしてくれていたんですけど、メンバーが高校生の女の子だったこともあって音信不通になってしまうようなことが何回もあったんです。それで、もうずっと一人で練習していました(笑)。

一同:かわいそう!(笑) ベース一人は結構キツいよね(笑)。

内田:でしょう?(笑) それで、専門学校に行くことにしたんですね。その時に、ベースはすごく楽しいなと思ったのがファンクでした。私が尊敬している先生がファンク畑の人で、ファンクを知ってさらにベースが好きになりましたね。ただ、ポタリは歌物のバンドだから、その中で自分はどういうベーシストになりたいのかをずっと考えるようになって。今はロックな音というか、気持ち良い音を出せる人でありたいなと思っています。好きなベーシストは、スピッツの田村(明浩)さんですね。すごく良いベースを弾かれる方で、尊敬しています。

茄子川:私は11才上のお姉ちゃんがいるんですよ。その姉がライブの主催とかをしていたので、私は小学校5~6年の時に、すでにライブを観に行っていました。だから、子供の頃からバンドが、すごく身近なところにあったんです。それで、バンドは楽しそうだなと思って、自然と自分もやりたいと思うようになって、お姉ちゃんにギターをやりたいと相談したんですね。そうしたら、「いや、絶対ドラムのほうが需要あるよ」と言われて。当時の私の中では、お姉ちゃんの言うことは絶対だったんですよ。だから、「そうなんだぁ」といって、貯めていたお年玉で、ドラムを買いました。お父さんが転勤中にドラムを買って、勝手に家の仏間に置くという(笑)。仏間にはピアノが置いてあったので、自然な流れでそこに置いたんです(笑)。

一同:それって、自然な流れかなぁ……(笑)。

――お父さんは、ビックリされませんでしたか?

茄子川:私が反抗期だったこともあってか、お父さんはなにも怒らずに、「あっ、買ったんだ」みたいな感じでした(笑)。家が田舎でドラムを叩いても大丈夫だったので、いっぱい練習しましたね。で、中学に入った時に、吹奏楽という部活があって、そこに入ればドラムが叩けるんだということに気づいて。それで、吹奏楽部に入ってドラムを叩いていたんですけど、その頃に友達のお兄ちゃんから3枚のCDを借りたんです。それがGOING STEADYさんとHi-STANDARDさんとSHAKALABBITSさんで、インディーズ・バンドでグイグイやっている感じのCDを聴いて、すごくカッコいいなと思って。特に惹かれたのがSHAKALABBITSさんでしたね。女の人でこんなにカッコいい歌が歌えるんだというのが本当に衝撃的で、そこからバンドにのめり込んでいきました。その後、高校に入った頃から洋楽に目覚めて、フォールアウトボーイとかパニック! アット・ザ・ディスコとかが好きになり。その後メタルとかも聴いたりするようになって、【ラウドパーク】とかにも行き出して…という感じでした。そういう風にいろんな音楽を聴いてきたので、特にこのジャンルが好きというのはなくて、これも好き、これも好き、これも好き…というタイプですね。そういう中で一番カッコいいなと思うドラマーは、コーンのレイ・ルジアーです。

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