【ライブレポート】FABLED NUMBER、ツアーファイナルで見せつけた“知性”と“身体能力”の高さ

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6人組ロックバンドFABLED NUMBERが、3月20日(火)に東京・代官山UNITで<2nd album ”THUNDER” release tour 2017-2018>のファイナル公演を行った。

◆FABLED NUMBER ライブ画像

同ツアーは昨年11月にリリースしたメジャー第2弾アルバム『THUNDER』を引っ提げて、兵庫、広島、香川、富山、大阪、福岡、名古屋、そしてこの日の東京を含め全国8箇所で行われたものだが、メジャー・デビューアルバム『ILLUMINATE』から僅か9ヶ月という短いスパンで発表された『THUNDER』が、これまでのサウンドを更に昇華させた素晴らしい内容だったことに加え、直近の名古屋公演の評判を聞いていただけに、この日のライブには高い期待を寄せ会場を訪れた。

ステージ中央には梟をシンボライズしたバンドフラッグが高々と掲げられ、薄暗く照明の落ちた会場。10〜20代前半のロックキッズが主流ながら40歳近くに見受けられる強面のロックオヤジまで、想像より広めの客層が集う中、SEと共にメンバーがステージに現れるとざわめきが歓声に変わる。


N'Taichi(B&Cho)の「トーキョー!始めるぞ!」という掛け声でライブはスタート。冒頭から「The Lights」、「MOVE」と新旧の代表曲が惜しげもなく繰り出されると、観客は思い思いのスタイルでその演奏に反応していく。ツーステを決めまくる者、ひたすらハンドクラップをする者、音が鳴った瞬間からダイブするために前に突進する者。FABLED NUMBERのリスナーは、バンドの楽しみ方を本当に良く知っているな……と思う光景がのっけから展開する。

「The night let us dance dance dance」の最中にテンションが上がり過ぎたのか、N'Taichiのベースの弦が切れるというアクシデントがあったが、すかさずN'Eita(Vo&G)「お兄ちゃん力入り過ぎやろ(笑)」と持ち前の明るいキャラクターで間をつなぎ、続く「ザ・クロスレインボー」に。それまでの3曲とは景色をガラッと変えたポップなフレーズとサウンドでリスナーの身体を揺らしながら、最後のサビと間奏で爆発させるこの曲は、新作でより色濃くなった“エレクトロ”と“ロック”の融合を標榜するバンドの持ち味を象徴するものだ。


柔らかく優しいメロディにじわじわと上がるコーラスが秀逸な「夜の鼓動」や、イントロから飛び跳ねずにはいられないビートの「AAO」。心地良く印象的なギターとシンセのフレーズから始まる抜群のダンスチューン「Good-Bye」に、本家とはまったく違うアプローチで“躍らせる”ジャスティン・ビーバー「one time」のカヴァー……。1曲1曲を挙げていくと切りがないが、次々と演奏されるナンバーの個性溢れるサウンドメイクと楽曲構成には感心しながらも自然と身体を揺らさずにはいられない。

短めのMCやシーケンス、コール&レスポンス等をテンポよく挟みながらほぼノンストップで22曲。曲を演奏するバンド側も踊りまくる観客も本当によく体力が持つなと変な部分にも感心したステージで、「お前らに最大の感謝を」というN'EitaのMCから本編最後に演奏された「Like a Thunder」はまさにこの日のハイライトとも言える出来栄え。イントロからすぐにサビ、大合唱というリスナーを引き込む絶妙な構成に、EDMの要素とロックサウンドが融合した圧倒的な高揚感、そして英語と関西弁が混じった“FABLEDオリジナル”な歌詞で満員の会場を歓喜の渦に巻き込んだ。


アンコールではN'EitaとN'Taichi兄弟の綺麗なハモリから始まる「Even If World is over」と、インディーズ時代からの代表曲である「The King」を披露。声を振り絞って歌われた「The King」の「ほんま 今な 心ん中は…おおきにな それだけさ」というバンドの信条とも言える一節と、強がりと愛情をたっぷり詰め込んだ「クソガキども、よー覚えとけ!俺らが大阪のFABLED NUMBERや!」という締めのMCに心が熱くなったのは私だけではないだろう。

改めて、作品作りの段階からライブバンドとしての表現の仕方も十二分に考え抜いているであろうバンドのこだわりが垣間見えた一夜であった。その知性とも呼べる音楽創造能力と、それを遺憾なくライブで発揮できる強靭な身体能力は、この先の彼らの活躍を大いに予感させるものであった。

MCでも発表されたが、この日のライブの模様は6月にリリースされるメジャー・ファーストシングル「I Bet My Life(or Death)」の初回限定盤DVDに収録されるとのこと。新曲も勿論楽しみだが、彼らの真骨頂であるライブが映像作品化されるのはこれが初めてなので、まだライブ未体験の人にも是非観て欲しい。


取材・文◎甲斐幹人
撮影◎NAOTO SONODA

■セットリスト

1.The Lights
2.MOVE
3.The night let us dance dance dance
4.ザ・クロスレインボー
5.夜の鼓動
6.AAO
7.Sing in a night
8.Good-Bye
9.Keep on killing me
10.Ride the Sound
11.one time
12.Encounter
13.Don’t let me go
14.YES
15.I don’t wanna write this story
16.Push me
17. world joke
18.Two
19.Sorry I beyond the seane
20.トワイライトシティ
21.世界は君に鳴り響く
22.Like a Thunder

En1.We don’t care what break my mind
En2.The king

1st Single「I Bet My Life(or Death)」

2018年6月20日(水)発売
■初回限定盤(CD+DVD)
CRCP-10397 ¥2,037+税
■通常盤(CD)
CRCP-10398 ¥1,111+税

[CD]
1.I Bet My Life(or Death)
2.Windshield
3.夜の鼓動(The night beat remix)

[DVD]
2nd album“THUNDER”release tour 2017-2018のファイナル公演となった2018年3月20日(火)代官山UNITでのワンマンライブを収録(収録曲目未定)。

<1st SINGLE“I Bet My Life(or Death)”release tour〜FABLED NUMBERのメジャー初シングルを盛大にお祝いしまSHOW!!〜>

2018年
6月22日(金)東京・下北沢ReG
7月26日(木)愛知・APOLLO BASE
8月3日(金)大阪・アメリカ村DROP
※各地ゲストバンド有り(後日解禁)

前売り¥3,000(ドリンク別)※3箇所共通
最速チケット一次先行(抽選)イープラスにて2018年3月24日(土)10:00〜受付開始
http://eplus.jp/fablednumber-hp18/

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