【ライブレポート】生駒里奈（乃木坂46）卒コン開催「この先に続く夢を掴みたいと思ってしまった」

乃木坂46メンバーである生駒里奈の卒業コンサートが2018年4月22日に日本武道館にて開催された。

◆乃木坂46 画像

デビューシングルから5作連続でセンターを務め、初期の乃木坂46の顔を担った生駒里奈。センターが他に移ったあともグループのために尽力する姿を多くのメンバー達が見つめてきた。卒業公演のチケットは座席1万2千人に対し約30万の応募が殺到するという記録的な即日ソールドアウトの形をみせ、ライブの模様は全国の劇場にもライブ・ビューイングにて中継された。


武道館がファンの掲げる紫と青のペンライトで満面に染まる中、ライブは「乃木坂の詩」でスタート。日頃は終盤の大団円ナンバーとして使われるこの曲で、乃木坂の他メンバー達が中央に生駒里奈を迎え入れた。冒頭ブロックは生駒センター曲である「おいでシャンプー」「太陽ノック」そして生駒ソロ曲「水玉模様」とこの場に欠かせないナンバー群へ。ソロでは達者な歌唱というより“味がある”といわれる生駒の歌声だが、直後にはソロ曲での自分の歌唱を振り返って「あぁー最後までこんな感じだったかぁー。直前まで練習したんですけど、結局上手くならなかったですね。」と苦笑しながら自分をネタに会場を盛り上げた。

ニューシングル収録曲も三期生曲、二期生曲と披露され、自身最後のセンター曲「Against」も初披露。さらに表題曲「シンクロニシティ」を経た後はAKB48 チームBとの兼任時代から大切な楽曲だったと語る3曲を披露。特に「心のプラカード」ではサプライズで手書きメッセージの入ったプラカードを掲げるメンバー達の姿が映し出され、ライブの合間に表示される各関係者たちからのお祝いメッセージなども相まって胸を熱くさせる。メッセージの中には渡辺麻友や、『乃木坂工事中』で縁の深いバナナマン日村・設楽からのものなども惜しげなく盛り込まれていた。

中盤では“生生星（いくいほし）”の愛称で知られる生田絵梨花、生駒里奈、星野みなみの三人による「ここじゃないどこか」をはじめとしたユニットパート、そして後半戦「月の大きさ」では、まさかのうずまきナルト（『NARUTO』）からのメッセージも到着し「泣いちゃうよ～！　生きててよかったよ～！」と生駒が涙ながらに感動の声をあげるシーンも。MCパートでさまざまなメンバーが生駒の思い出を語る時には、ツッコミや笑顔でそれぞれのメンバーとの絆を感じさせた。さらに「悲しみの忘れ方」ではサプライズで両親からのメッセージが紹介され、これには生駒も号泣。本編ラストは生駒センターの代表曲「制服のマネキン」で締めくくった。


自身のMCの中で、今後の活動における大きな目標を“エンターテイナー”と表現していた生駒。その卒業コンサートも終始自他ともに楽しもうと、自ら何度も明るく盛り上げていく姿勢がとても印象的だった。ファンへ思いを伝えるMCパートでは、「これからの人生のほうが長いんですけど、でもこれだけの卒業をできることってもうないと思うんです。」とこの風景を刻みつけ、ファンやスタッフへの敬意と感謝を自分の言葉で伝えながら前進への強い意志を見せた。

「尊敬できる人もたくさんいて、成長できることをたくさんもらったけど、でも私はそれより何よりも、“うまくなりたい”と思ってしまった。もっと険しい道を登りたい、進みたいと思った。凄いわがままだと思います。こんなに充実してるのに。こんなにすごい場所なのに。この世界に夢を持ってしまった。この先に続く夢を掴みたいと思ってしまった。だからこそ、メンバーには自分もいつかそうなった時に胸張って一人で仕事しているところを見せてあげたい。お父さんお母さんにはこれからも結構迷惑かけることもあると思うけど、いつか東京に家を建てるから待っててください。スタッフの皆さんにはまだまだお世話になることたくさんあるんですけど、生駒に仕事をたくさんあげたいって思ってもらえる人間になりたい。ファンのみなさんには生駒ちゃんを見た時に現実を忘れて心の底から楽しんでもらえるようなエンターテイナーになりたいと思います」──生駒里奈

ダブルアンコールにまで突入した会場に、秋元康から生駒里奈へのメッセージが映し出される。「君の名は希望」が生駒をイメージして作詞された曲だったというエピソードが明かされるとともに、「君は乃木坂46を卒業しても、ずっと、みんなの希望でいてください」という言葉が贈られ、ラストは「君の名は希望」。乃木坂46のメンバー全員が一人一本ずつ生駒にバラの花を手渡し、最後には全員整列してシャツの背中に一文字ずつプリントされたサプライズメッセージを見せた。




「ありがとうって言ってくれる皆に、ありがとうだから。未来の後輩にもこの乃木坂46を大切にしてほしいし新しい乃木坂46にしてほしい。やっぱり乃木坂46が大好きだから。本当に、入ってよかった。皆と出会えて本当によかった」──生駒里奈

最後は本人のリクエストどおり、「お疲れ様でした！　楽しかったです！」とポップに締めた生駒里奈。乃木坂46として、エンターテイナーとして自らの卒業コンサートをやりきった笑顔とともに、最高の歓声を浴びてステージを降りた。

生駒里奈の乃木坂46としての活動は、5月6日（日）の幕張メッセでの全国握手会までとなる。






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