【インタビュー】高野寛が見据えるアーティストとしての現在地、そして30周年アニバーサリーイヤーへの想いとは?

ポスト

今年でデビュー30周年を迎える高野寛の動きが、うれしくなるくらいに活発だ。頻繁なライブ活動に加え、2017年10月に久々にアルバム『Everything is Good』を出したかと思えば、わずか4か月後の2018年2月にもう1枚のアルバム『A-UN』をリリース。タイムレスなポップスの魔法と、いつまでも変わらぬみずみずしい歌声でファンを喜ばせてくれた。そんな彼の次の目標は、5月15日、Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREでのトリオ編成でのバンドライブ。そのライブへの意気込み、近年のライブのエピソード、楽曲提供、そして若い世代へ音楽を伝える喜びなど、高野寛の“今”を、ゆっくりじっくり語ってもらった。

   ◆   ◆   ◆

■曲を育てていくという感覚で
■ライブをやるようになった

――近年の高野さんは、様々な場所で様々な形態で、活発にライブをやられている印象があります。

ライブのほうが活動のメインになっている感じもありますね。

――作品をリリースしてツアーをやって、というルーティンとは逆に、まずライブをやって新曲を披露して、それから作品を作るスタイルに変わってきていますよね。

そうですね。以前はライブより録音が好きで、スタジオだけで作った曲を初めてライブでやってみると、あれ?と思うことがあったりして。構成を変えたくなったり、歌詞が気になることも、よくあったんですよ。だったらもう、新曲をライブで練り上げてから録音するほうが、よりいい作品が残せるんじゃないかな?と。曲を体に一回覚えさせて、歌いやすい曲に仕上げるサイクルになってきつつありますね。

――この30年の中のどこかで、パラダイムシフトがあったわけですか。

2000年代、いや、2010年代ぐらいからですかね。ライブが好きになったのは、21世紀に入ったぐらいから徐々にですけど、それまでは苦手意識も強かったです。緊張するタイプだったので。宅録で作り込んだ音源をライブでどう表現するか?ということで、コンピューターを使ったりしていろんな試行錯誤をしてたんだけど、結局、弾き語りでやるのが潔いんじゃないかな?と。昔から憧れはあったんですけど、それが思った通りにできるようになったのが、だいたい2000年前後だったと思います。ここ最近、誰もがアコースティックツアーを頻繁にやるようになりましたけど、僕はけっこう早くて、20年ぐらい経ってるんですよ。スタジオで凝って作った音源をアコースティックでアレンジし直したりしているうちに、だったら最初からそっちを曲の骨組みにして、曲を育てていく感覚でライブをやるようになったんですね。



取材・文◉宮本英夫


『Everything is Good』

2017年10月4日(水)発売
SBST-007 ¥2,160円(税込)

■収録曲
1. Everything is Good
2. Portrait
3. Candle of Hope
4. Mondo Electro
5. 180°
6. DAN☆SHARI
7. Rio-Tokio
— Bonus Tracks —
8.炎 (1992) - “Candle of Hope” Prototype
9. Everything is Good (2005) - Acoustic demo
10. Portrait (2016) - Cassette demo
11. 180° (2016) - Cassette demo
12. Children’s Song (2017) - “Rio-Tokio” instrumental ver.


『A-UN』

2018年2月14日(水)発売
CRCP-40543 ¥2,500(税込)

1.Salsa de Surf (Overture) (セルフカヴァー、オリジナルアーティスト:coba)
2.Affair(セルフカヴァー、オリジナルアーティスト:高野寛&田島貴男)
3.とおくはなれて(オリジナル新曲)
4.ME AND MY SEA OTTER(セルフカヴァー、オリジナルアーティスト:矢野顕子)
5.Rambling Boat(セルフカヴァー、オリジナルアーティスト:本木雅弘)
6.時代は変わる(カバー) 作詞/作曲:ボブ・ディラン/日本語訳詞:高野寛
7.上海的旋律【Shanghai Melody】 (セルフカヴァー、オリジナルアーティスト:野宮真貴)
8.みじかい歌(オリジナル新曲)
9.Salsa de Surf(セルフカヴァー、オリジナルアーティスト:coba)

プロデュース:Darjeeling:ダージリン(Dr.kyOn & 佐橋佳幸)
参加ミュージシャン:Dr.kyOn、佐橋佳幸、屋敷豪太、高桑圭、坂本美雨(M4)、野宮真貴(M7)

<高野寛 LIVE 2018「Everything is Good」発売記念 Live tour Band ver. “Man-O-jishite”>

2018年5月15日(火)
会場:Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
開場:19時/開演:19時30分
券種・料金:全席指定 ¥6,000円(税込)/入場時ドリンク代別途必要/3歳以上チケット必要
出演者:高野寛(vocal & guitar)/鈴木正人(bass)/宮川剛(drums)
[問]DISK GARAGE(平日12時〜19時) 050-5533-0888
◆<高野寛 LIVE 2018「Everything is Good」発売記念 Live tour Band ver. “Man-O-jishite”>チケット情報ページ
DiGa:Online
この記事をポスト

この記事の関連情報