STARMARIE、ツアーファイナルで見せた4年間の集大成と未来

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6月22日、STARMARIEがTOKYO FM HALLにて海外含む24公演を実施したアルバムリリースツアーのファイナル公演<Fantasy World For You 〜 ツアーファイナル & 4周年記念公演〜>を実施した。

◆STARMARIE ライブ画像

現体制になって4周年を迎えた今回の公演では、今までSTARMARIEが自身の世界観をより表現するために実施してきたバンドスタイルと映像演出を融合させることが事前に告知されていた。会場に大きな期待感が渦巻くなか、暗転とともにバンドメンバーの4人がステージへ登場。「君がした選択は正しかったかい?今でもそう言えるかい?」と、語りかけるようなナレーションがこの日のステージの始まりを告げる。STARMARIEのメンバー5人が星となり、それぞれが世界中から集まってくるOP映像とともにメンバーがゆったりとステージへ登場。この日お披露目となる新衣装を身に纏い、悠然と歩むメンバーには大きな歓声が贈られ、「Hey,My sister」からスタート。軽快なロックサウンドのグルーヴ感と、一面に広がる星空の映像の中、全24公演の今ツアーの中でさらに磨き上げられた5人のパフォーマンスが小宇宙へとトリップさせてくれる。続いてちょっぴりダークなバレンタインソング「ブラックバレンタイン」で裏にどこか怪しさを漂わせながら可愛く会場をハートに染め上げた。この日、マニュピレーターで参加した須賀勇介が積極的にフロアを煽り盛り上げていく。



再びナレーションが会場を闇の世界へ引きずり込む。当たり前だと思っていた日常が、実は自分の選択の上に成り立っているのではないだろうか、と会場全体へ問いかける。ダークなSTARMARIEの楽曲の中でもさらにダークなカラーを持った楽曲「妻はハイドに会ってはいけない」が望月純(Dr.)の闇を切り裂くようなドラミングから披露される。桜の樹の下に大切な人を埋めてしまった男女の恋模様を描いた「本当は怖い桜の話」では、美しく散る桜吹雪の中ソリッドな中嶋康孝(Gt.)のギターサウンドが舞い踊る。「惑星を翔けるパイロット」では、梅田潤(Ba.)のベースラインが唸りを上げ響き渡る。美しくステージを彩る映像演出、熟練ミュージシャンの手練な演奏、それらの上でその迫力に負けないSTARMARIEの鬼気迫るパフォーマンスがフロアを次の次元へと導いてくれる。これこそが、バンドスタイルと映像演出の両翼を背にしたSTARMARIEなのだと改めて感じさせてくれる。


ナレーションが、自分がした選択が果たして正しかったのか、誤った選択により痛みを生み出してしまっているのではないかとさらに迫る。しかしながら、ここまではハードでグルーヴィーなロックサウンドを通して会場を激しく揺らしてきた彼女たちだったが、転じて中根もにゃの「ツアーファイナルへようこそ!STARMARIEです!」という声から「メクルメク勇気!」、「ナツニナレ!」、「姫は乱気流☆御一行様」と、とことん明るい楽曲が続けて披露される。それぞれアニメの主題歌を務めたポップでキラキラと輝くような楽曲で、前半のステージとは対照的にも映るが、このレンジの広さも自身らの描く世界“ファンタジーワールド”の深さを醸成しているのではないだろうか。ハードなだけ、ダークなだけではなく、ステージを通して1本の物語を表現する彼女たちにとってはレンジの広い楽曲性こそがそのストーリーの緩急、起承転結を描いてくれる。

暗闇の中、ナレーションが過去の自分の選択により出会うことができなくなった人の存在を語り、実際に空席となっている客席が明らかとなる。この一連の物語の意味とは?そんな疑問を抱かせられたまま、大槻ケンヂ作詞の楽曲「僕と少女霊媒師たち」が初披露された。地を這うようなツーバスのサウンドが再びフロアに押し寄せ、天に抜けるようなギターソロが空気を切り裂く。須賀勇介のドラマチックなキーボードの旋律から「ラ・カンパネラ 君に贈る」が繰り出される。月夜を背後に繊細に踊るメンバーたちのその姿はまるでミュージカルのような劇的空間を演出する。まるで一連のストーリーの用に妖しい洋館の扉が現れ「サーカスを殺したのは誰だ」が披露される。最新アルバム収録曲と4年前に現体制になって初めてリリースされた楽曲とが一つの世界として融和できるのは、この2曲の持つ物語性の強さと、その世界を拡張させた視覚による演出並びに、下支えしたバンドサウンドによるものではないだろうか。新旧のSTARMARIEを象徴する劇的な楽曲の世界に改めて酔いしれる。強烈なフィルインから最新アルバムのリード楽曲「悪魔、はじめます。」が飛び出す。待ってましたとばかりにフロアのボルテージも上昇し、一気に盛り上がりのピークへと加速していく。



果たしてどの選択が正しかったのか、どの選択が不正解だったのか、最後にもう一度迫るナレーションと共に、この日のステージはクライマックスへと向かう。ドラムのカウントから再び闇を切り裂くように「Fantasy World For You」が披露される。物語性の強いSTARMARIEの楽曲たちの中で、異色とも言えるストレートにメッセージをぶつける歌詞が、真っ直ぐにオーディエンスに突き刺さる。ラストは「ドント・ルッキン・フォーミー」を、夜空に浮かぶ星々の中を空中散歩しているかのような世界の中、壮大に披露する。どこか切なく、それでも温もりを感じるサウンドが、ゆっくりとその世界を広げていってくれる様子が何より印象的な時間であった。過去の選択が正しかったかどうかは現在の自分たちが決めることができると、自信を持って答えるメンバーによるナレーションにて、この4年間が正しかったと胸を張りステージに立ち、大きな拍手に応え一礼するSTARMARIE。

アンコールに応え、再びステージに登場したバンドメンバー。そして、バンドメンバーの煽りによりさらに加熱したステージへと、5人が帰ってくる。「スペル・オブ・ザ・ブック」では、梅田潤のヘドバンをしながらの熱い演奏に本編の熱量そのままに盛り上がるステージとフロア。流れるように「次で最後の曲です、聞いてください」と高森紫乃の曲振りから「星の旅人たち ~明日、世界がなくなるとしたら~」が披露される。中根もにゃが歌詞の一部を「大好きなSTARMARIE」とアドリブで歌い替えると、ステージもフロアも、今度は充足感に満たされた多くの笑顔に包まれ、フィナーレを迎えた。

3月から始まり、海外含む全24公演を駆け抜けたSTARMARIEだが、公演のラストでは夏からの3ヶ月連続主催フェスの開催を発表した。開催発表と同時に、Gacharic Spin、D.W.ニコルズ、凸凹凸凹-ルリロリ-のそれぞれの参戦もに発表され会場からは大きな歓声が沸き起こった。バンドサウンドと映像演出の融合により、自身らの描く世界観を拡張したSTARMARIEの5人だが、この夏からは縁の深いロックバンドらとの対バンを経てさらなる成長を遂げる。

STARMARIEは、7月9日に結成10周年記念ライブの実施や、台湾定期公演、フィリピン、アメリカでのコンベンション参戦がすでにアナウンスされている。ツアーファイナルを迎えてもなお、彼女たちの星の旅は続いていく。


<STARMARIE 10th Anniversary LIVE>

2018年7月9日(月)渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
OPEN 18:00 / START 19:00
料金:前売り4,000円+1D
出演:STARMARIE
ゲスト:橘田いずみ / 三森すずこ / 古川未鈴(でんぱ組.inc) / Mia REGINA

■チケット詳細
イープラスにて一般発売中
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002260828P0030001

■入場順
STARMARIE FC先行(前方椅子席)→ イープラス先行チケット番号順 → 一般チケット番号順

■ツアー・イベント出演スケジュール

<OTODAMA SEA STUDIO ~GIRL SPLASH 2018~>
2018年7月13日
OTODAMA SEA STUDIO(神奈川県三浦市三浦海岸)
OPEN 12:30 /START 13:15

<STARMARIE 10th Anniversary Show(仮)>
2018年7月21日(土)台湾 Taipei PIPE Live Music

<Touch The Japan>
2018年 8月24日〜27日
※STARMARIE出演日は8月24日と27日

<Anime Weekend Atlanta>
2018年9月20日〜23日開催
※STARMARIEのメインステージ出演は22日。他日程もイベント実施予定
●Anime Weekend Atlanta
https://awa-con.com/

◆STARMARIEオフィシャルサイト
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