【速レポ】<ハウステンボス緊急大作戦。>10-FEET、「まずオマエらが元気になることやぞ!」

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あの東日本大震災後、バンド仲間らと率先して動き、ふとん大作戦など被災者支援や復興のための活動も行なってきた10-FEET。<京都大作戦2018>が台風で中止になった後、西日本豪雨の被災者支援に各自が動いていたことを知るファンも多いだろう。

◆<ハウステンボス緊急大作戦。> 画像

<がんばろう!西日本 ハウステンボス緊急大作戦。>のラストを締めくくるのは、もちろん、その10-FEETだ。17時、SEが流れると客席エリアに広がったのは、オーディエンスが掲げるタオル。10-FEETのものもあれば、歴代の<京都大作戦>のものも目立つ。


オーディエンスにとって“大作戦”と名の付くイベントだけに、平常心ではいられない。なにしろ去年の<京都大作戦2017>は、豪雨と雷により3日目の途中に中断。出演バンド、スタッフ、オーディエンス全員の協力により再開したが、縮小したセットリストという形になった。そして今年の豪雨による中止。ある種、<京都大作戦>のリベンジ的な思いも、この<がんばろう!西日本 ハウステンボス緊急大作戦。>にはあるだろう。

そんなみんなに向け、TAKUMAはステージに出てきてまずシャウトした。さらに「オマエら、ぶっ飛ばしていくぞ!」と気合いも入れる。TAKUMAがリフを弾き始め、KOUICHIが力強いタムフレーズを刻む。そこにガッツある音を撒き散らすようにベースで絡むのはNAOKIだ。それをイントロダクションに、次の展開でNAOKIのベースリフへ。こうして「JUNGLES」から始まったライブは、とんでもなく激しい。3人の放つバンドサウンドは、極限の興奮をたっぷり込めたもの。それをモロに浴びたオーディエンスは、クラウドサーフはもちろん、サークルピットも次々と。しかしTAKUMAはそんなものでは許さない。




「寝てんのか、オマエら! 叩き起こしてやろうか。俺は辛いとき、優しくされたら、余計辛くなるときあんねん。ぶっ飛ばされたほうがいいときもある……Mじゃないけど。今日はオマエら、ぶっ飛ばしに来た! おい、下はアスファルトやからな。ケガすんなよ。でもちょっとぐらいならケガしてもええか」

笑い飛ばすようなMCを挟み込み、そこからキラーチューンを連発。「RIVER」では、その土地ならではの川の名前に一節を変えるのが恒例だが、今日は長崎だけに“大村湾”と“佐世保川”だ。しかし恒例ではないのが今日のアレンジ。サビに突入するかと思った直後、ブレイクして「行くと思ったやろ(笑)」とTAKUMAはニヤリ。そのおかげでサークルから中心に、あるいはクラウドサーフで飛ぶタイミングを完全に見失い、総崩れになるオーディエンス。さらにサビ前のボーカルパートを、TAKUMAに代わってKOUICHIに歌わせるが、歌詞もうろ覚えで、これまた総崩れ。途中からKOUICHIは「オマエら、歌えや!」とファンに歌を任せる。



“大作戦”と名が付いていることや、復興支援のイベントということで、シリアスな考えが働いてしまうのが普通だ。むしろTAKUMAの繊細さを思えば、そうなっても不思議はない。ところが変にシリアスになることもない、遊び心の塊。真面目なことを言いそうになっても「オマエらも俺らも、どうせ、アホやし。今日は仲良くやろう、よろしく」とハジけた話しぶり。そうした姿勢は当たり前に伝わって、さらに解放されていくばかりのオーディエンスだった。リベンジなどというものを、とっくに超越したバカ騒ぎっぷりだ。

「さっきサンボマスターの山ちゃんが、本番前に俺のほうに歩いてきて、10-FEETはホントに楽曲がいいって、褒めてくれました。サンボマスターの今日のライブ、ほんま良かった。ライブでまた会おうっていうの、俺、好きやねん。俺が学生時代にむっちゃ病んでいるとき、サンボマスター、客席から観たかったなって。観れたら、俺、こんなに根暗にならへんかったのにって(笑)。山ちゃんに褒められて、43歳になって久しぶりに褒められて嬉しかったな。今日は俺、オマエらをめっちゃ褒めてやるからな」




クシャクシャの笑顔の3人が放つ曲の数々は、音や歌の隅々にまで生命力のあるエネルギッシュなもの。下はアスファルトなのに砂埃も舞い上がるほど熱く盛り上がり続ける。また、アンコールの時間をもらっていた10-FEETだが、アンコールと呼ぶ時間をなくせば、3曲だったのが4曲に増やせると、その場で決めた。こうなれば熱さの掛け算がひたすら繰り返されていく。

「オマエら、最高や。ケガせず、ようやった、最高! ありがとう。俺もいつでも褒められたいと思ってる。ROTTENGRAFFTYやサンボやSHANKに褒められるライブ、やれたらいいな」

そう言いながらラストナンバーとして決めるのは「CHERRY BLOSSOM」だ。タオルが舞い、元気な笑顔が咲き誇る客席エリア。



「西日本を元気に。北海道にも元気を届けて、日本中を元気に! でもその前にまず、オマエらが元気になることやぞ!」

会場を埋め尽くした一人ひとりの熱狂ぶりが、強烈な一体感も作っていく。それは音楽の力やライブの力、そこから生まれるポジティブな熱も体感させる10-FEETのステージとなった。

「ROTTENGRAFFTY、最高! サンボマスター、最高! SHANK、最高! 緊急大作戦、最高! オマエら、最高!!」

TAKUMAからの最上級の褒め言葉が、シャウトとなってハウステンボスに轟いた。そして全バンドとみんなが一緒になって最後に記念写真も撮影。これ、最高の一枚じゃないか。


取材・文◎長谷川幸信
撮影◎半田安政(Showcase)

◆<ハウステンボス緊急大作戦。>10-FEET インタビューページへ

■西日本豪雨復興支援ライブ<がんばろう!西日本 ハウステンボス緊急大作戦。>2018年10月13日@長崎・ハウステンボス/10-FEET セットリスト

01. JUNGLES
02. 1 size FITS ALL
03. VIBES BY VIBES
04. RIVER
05. 夢の泥舟
06. 太陽4号
07. 1sec.
08. その向こうへ
09. 風
10. goes on
11. ヒトリセカイ
12. 蜃気楼
13. CHERRY BLOSSOM


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