【インタビュー】Angelo、“共鳴”という名のアルバム完成「攻撃性は失わぬまま新たな挑戦へ」

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Angeloが11月14日、アルバム『RESONANCE』をリリースする。同作は記念すべき10作目のオリジナルアルバムだが、まったく意識することなく制作が進められたという。日々繰り返されるAngeloの破壊と創造の制作活動の中で、“10枚目の節目”は特段の意味を持たない。肉を刻み、骨を削り、その奥にある精神性をさらけ出す。この手法をもって極点を常に更新してきた彼らが、今作に冠したタイトルは共鳴/反響を意味する『RESONANCE』だった。

◆Angelo 画像

これまでキリトとKaryuをメインソングライターとしてきたAngeloだが、今作ではキリトが2曲、Karyuが6曲、KOHTAとギルがそれぞれ1曲ずつ手掛けたという部分をはじめ、キリトがソロ活動を再始動させたという部分も少なからず今作に影響を及ぼしているはずだ。結果、収録された全10曲は、生誕と終焉、希望と絶望、歓喜と悲鳴、両極とその狭間を描きながら、異形に富んだサウンドがひしめき合って斬新極まりない。

「いかにいい意味で裏切って驚かせるかっていうことを12年、ずっとやってきている」とは、このアルバムに対するキリト自身の言葉だ。共鳴の本質はここにある。アルバムの真意、Angeloのサウンド的な変化と核心、各楽曲へのこだわりについて、キリトとKaryuに訊いたロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■今回はアイデア勝負というか
■わりと感情的な方向に

──ニューアルバム『RESONANCE』は、フルアルバムとして10枚目の作品になりますが、コンスタントなリリースペースに驚かされますね。

キリト:ライブをやっているなかで新曲が増えていって、毎年“ああ、次に進んでるな”っていう実感がないと、自分の中の水が汚くなっちゃうような感覚があるんですよね。他のメンバーがどう考えてるのか分からないけど、自分の中では1年に1枚のアルバムというのはちょうどいいペースだと思ってるんですよ。まあ、時代には逆行してますけど。だからこそ、それを続けるのも面白いと思うし。

Karyu:結果的に毎年リリースしてきてますけど、アルバムを出すのか分からない状態でも曲を作ってはいたので……まあ、出るんだろうなとは思いつつ(笑)。

▲キリト (Vo)

──ははは。ここ最近、キリトさんはソロでの動きもありましたが、そこでの活動は新作に影響してます?

キリト:それが音楽的に反映されてくるのは、もっとこれから先だと思いますね。まあ、多少はあるけど……例えば、今までバラードを作る過程の中では、エレキをクリーントーンで鳴らしたり、シンセで作っていたものが、今回の「ホログラム」という曲はアコースティックギターから作っているので、その辺りはソロでアコースティックライブをやっていたところからくるものだろうけど。ただ、今はもうアコギのほうが日常的になじんでいるので、バラードなどはアコギで作ることがほとんどですね。

──では、今は指先がカチカチになっていて。

キリト:やっぱり、固くなるぐらい弾いておかないと(笑)。俺はそもそもギタリストではないから、意味もなく毎日触ってないと、筋トレみたいなもので衰えてしまうし。他にも、ベースを日々弾いてますね。いいベースを今年買ったんですけど、すぐKOHTAに取られてしまって。「レコーディングで使うから」とか言って、何だかんだで預けっぱなしなんですよ。返ってくる兆しはないので、別のものを買おうかなと。

──兄弟間でそんなことが(笑)。それでまず『RESONANCE』のクレジットを見て驚いたのが、作曲の割合ですよね。キリトさんが2曲、Karyuさんが6曲、KOHTAさんとギルさんが1曲ずつという。

キリト:今回は最初から、割合的に俺の曲を減らすってことは言ってたので、Karyu、KOHTA、ギルもいつもより多く作ってきて。俺はソロのレコーディングも並行していたから曲の振り分けもあったんだけど、そういったことが理由ではなくて、バラエティに富んだものにしたかったんです。ギルやKOHTAの曲も入れて、新鮮な響きを持った作品になればいいなって。

Karyu:新たにギルの曲とか入ってくるから面白くなるなとは思いましたけど、本心としては、全部自分の曲で埋まるぐらいにしたかったんです……。

キリト:じゃあ、来年からはそれで。もうはっきりと言ったので(笑)。

Karyu:ははは。結果、今回は時間的なリミットもあったので。でも、本当にそのつもりではいますね。

▲『RESONANCE』初回盤

▲『RESONANCE』通常盤

──おお、気合いが入ってますね。

キリト:全然それでもいいと思いますよ。それによって作品内でバリエーションもしっかり生まれるのであれば、それでいいし。俺がKaryuの曲を世の中で一番認めてる人間だと思ってるので。……人としては認めてないけど(笑)。

Karyu:せっかく上げてくれたのに、最後のひと言が余計です……(笑)。

キリト:人としては認めてないけど、作曲はね。

──まあ、アーティストですから、ちょっと人格が破綻してるぐらいでも……。

Karyu:いや、人格は破綻してないですよ(苦笑)。

キリト:ははは!

──あ、そうは言ってないですね、すみません(笑)。Angeloというバンドは、キリトさんが司令塔でありつつも、その中身は変化していってますね。

キリト:楽曲の色合いでいうと、やっぱりKaryuの曲がメインになっているし、俺もそれでいいと思ってるんですよ。その並びのなかで作品としてのバランスとかを考えたときに、自分の曲を補足することで、よりバランスが良くなると思ってるので。それが今後、KOHTAやギルの曲でまかなえるようになれば、俺自身の曲はもっと少なくなっていいし。

──前作『HETERODOX』では「ヘヴィにたたみ掛ける感じを求めていた」と言ってましたが、今作はどういったものにしようと?

キリト:今回も攻撃的な部分は絶対緩めず、タイトルにもある“RESONANCE”というキーワードで各曲をつながりのあるコンセプチュアルなものにしてますね。で、攻撃的なんだけど、その中にしっかりバリエーションがあって、聴いていて疲れないものにしようとかは総合的に考えてました。攻撃性は失わないまま、新しいところへの挑戦がないといけないし。

Karyu:自分の場合は、とにかく新しいアイデア優先で作っていきましたね。

──曲作りの手法を前作で大きく変えたはずですよね。「以前はギターをひたすら弾いて、いい部分を広げていくような曲作りをしていたんです。今回は、先に曲の設計図を頭のなかに描いてから作るようにしました」と言ってましたが、今作でもその手法を活かしたんですか?

Karyu:いや、そこは引き継いでないですね。今回はアイデア勝負というか。単純にひらめいたアイデアから広げていく。……なので、わりと感情的な方向に持っていきました。

◆インタビュー(2)へ
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