コルグvolcaに新モデル2種、セミ・モジュラー・シンセ「volca modular」&デジタル・パーカッション・シンセ「volca drum」

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米アナハイムで1月24日より開催される世界最大の楽器展示会NAMM Showの開幕に先駆け、コルグが新製品を発表。人気のvolcaシリーズから「volca modular」と「volca drum」の2機種が登場した。

■ウェスト・コースト・スタイルのセミ・モジュラー・シンセ「volca modular」


「volca modular」は、シンセの原点である音作りを学び、楽しむことができるセミ・モジュラー・アナログ・シンセサイザー。近年のモジュラー・シンセ人気やDAW用プラグインで再び脚光を浴びている「ウェスト・コースト・スタイル」のシンセサイザーとvolcaを融合させたモデルだ。

volcaシリーズならではのコンパクトなボディに8つのモジュール、50のパッチ・ポイントを装備。スタンド・アローンで完結すべく厳選された各モジュールは、付属のピン・ケーブルをつながなくても音が出るように内部接続されており、ピン・ケーブルでモジュールをつなぐとその設定を優先、内部接続がパスされる構造となっている。搭載モジュールは以下のとおり。

●SOURCE:キャリアとモジュレーターによるトライアングルVCO で構成。FM 変調による複雑な倍音は、ウェーブ・フォルダー回路を経由することでさらに倍音を加え、独特なサウンドを生み出す。キャラクターを決定付ける重要なモジュール。

●FUNCTIONS:2系統のファンクション(エンベロープ)・ジェネレーターで構成。アタック、ホールド、リリース式のAHDジェネレーターに加え、スロープ・ジェネレーターとして知られるRise-Fallジェネレーターは、サウンドに時間的変化を与えるだけでなく、end triggerアウトをtriggerインにパッチしループさせることで、VCOやLFOとしても使用可能。

●WOGGLE:ピンク・ノイズをソースにしたサンプル&ホールド回路で構成されるランダム・シグナル・ジェネレーター。steppedとsmoothの2種のアウトが用意され、階段状あるいは滑らかなランダム・ノイズを出力。

●SPLIT:1つの入力を2つの出力に分配するモジュール。逆方向に使用することも可能で、2つのコントロールもしくはオーディオ信号を1 つにまとめることも可能。

●DUAL LPG:2系統のローパス・ゲート回路で構成。ウェスト・コースト・タイプの特徴であるフィルターとアンプが一緒になったモジュールで、サウンドの明るさと音量が一緒に変化する。

●UTILITY:2つの信号を様々な方法で結合するミキシング・スケーリング・モジュール。オーディオ信号だけでなくコントロール信号もミックス可能。

●SPACE OUT:オーディオ信号に空間系エフェクトを付加するステレオ・モジュール。

●SEQUENCE:内部シーケンサーに接続するためのモジュール。テンポの設定や、ゲート・カウンターによる周期違いの出力を選ぶことができる。


▲パッチング用ピン・ケーブル1セットが付属。

セミ・モジュラー・シンセでありながら、本格的なステップ・シーケンサーを装備するのもvolcaシリーズらしいところ。16個のボタンを使ったステップ入力、そのボタンを鍵盤として演奏するリアルタイム・レコーディングに対応。複数のシーケンス・パターンを連続して再生させるパターン・チェイン機能で、32、64、さらに256ステップまで、最大16個のシーケンスを繋げて壮大な展開を構築することができる。もちろん、ツマミの動きを記録するモーション・シーケンス機能でサウンドに時間的な変化を与えることも可能。また、任意のステップを飛ばして再生するアクティブ・ステップ機能や偶発的なアイデアを生み出すランダマイズ機能に加え、シーケンス再生にはステップを往復するバウンス・シーケンス・モード、ランダムに前後しながら徐々にするストカスティック・シーケンス・モードが用意される。

外部機器との連携には、コルグのグルーヴ・マシンと手軽に同期できるシンク端子を用意。外部コントロールのためのCV IN端子は、2系統の信号を入力できるミニ・ステレオ端子によるTRS構造で、左チャンネルは±5V、右チャンネルは1V/oct(0~+6V)の信号を入力可能で、「volca modular」内ではピッチCVへと変換される。この2系統の信号をそれぞれパッチで取り出してモジュールをコントロールすることも可能だ。



■無限の音作りができるvolca第三のリズム・マシン「volca drum」


「volca beats」「volca kick」に続くvolca第三のリズム・マシン「volca drum」は、新開発DSPによる個性的なサウンドを持つ6パート×2レイヤー構成のデジタル・パーカッション・シンセサイザー。

デジタルというとサンプリングによるPCMベースのシンセをイメージするが、本機はDSPによるアナログ・モデリングによりドラム・サウンドを創出。サイン波やのこぎり波などシンプルなトリガー波形をベースに、ウェーブ・フォルダーやオーバードライブによる倍音や歪みを加え、ウェーブガイド・レゾネーター・エフェクトによってリアルな共鳴の響きを与える。6パート構成のDSPシンセ・エンジンは通常のドラム・マシンとはまったく違った発想で作られたもので、リアルなものから独特なものまで、ドラムにとどまらない、幅広いバリエーションのパーカッションサウンドを生み出せる。

個別に2つのレイヤーを持つ6つのパートは、バスドラム、シンバルといったルールや制限はなく、すべて同じ仕様で、ドラム・セットにこだわらず自由にサウンドがアサインできる。アサインした6パート構成のキットは、ウェーブガイド・レゾネーター・エフェクトの設定も含めて16個メモリーできる(工場出荷時:プリロード10個入り)。

シーケンサーは16個のボタンを使ったステップ・レコーディングに加え、ループ再生しながらパターンを組み立てるリアルタイム・レコーディングにも対応。複数のシーケンス・パターンを続けて再生するパターン・チェイン機能により256ステップのパターンを構築することもできる。もちろんツマミの操作を記録・再生するモーション・シーケンス機能も搭載。途中のステップを飛ばすアクティブ・ステップ機能や、シーケンス再生中に押したボタンのステップに移動するステップ・ジャンプ機能、ステップを細かく分割してドラム・ロール再生を可能にするスライス機能も備える。

他のvolcaシリーズなどと同期できるシンク端子やDAWの音源として活用できるMIDI IN端子を搭載。どこでも楽しめるコンパクトサイズ&内蔵スピーカーの搭載、電池駆動といった特徴はこれまでのvolcaシリーズ同様だ。


製品情報

◆volca modular
価格:23,000円(税別)
発売日:2019年2月中旬予定
◆volca drum
価格:20,000円(税別)
発売日:2019年2月中旬予定
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