スペイン製本格カホン、アコギ用ピックアップなど輸入4ブランドの取り扱いをヤマハが開始

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ヤマハミュージックジャパンが新たに輸入4ブランドの取り扱いを開始。スペイン製本格カホンブランド「La Rosa Percussion」(スペイン マドリード)、チューナー&ピックアップのブランド「Cling On Pickup & Tuner」(米カリフォルニア)、アコースティック・ギター・ピックアップのブランド「GMF Music」(米アイオワ)、エフェクター用パワーサプライのブランド「Voodoo Lab」(米カリフォルニア)の商品を5月10日より順次発売する。3月27日に開催された発表会には、ゲストとしてドラマー、パーカッショニストのホセ・コロン、ギタリストのマルセロ木村が登場、演奏を披露した。

■La Rosa Percussion(ラ・ローザ・パーカッション)

▲左よりJuniorシリーズの「Junior Blue」、Signatureシリーズの「Bandole」、Professionalシリーズの「C12」、Selectionシリーズの「Sensation」、Professionalシリーズの「Studio」と「Custom XL」。サイズはJunior Blueが27×27×40cm、他は30×29.5×47cm。

スペインのマドリードを拠点とする La Rosa Percussionは 2006年、ペルー発祥の打楽器であるカホンの製作プロジェクトからスタートし、2012年に創設。マドリードの自社工房で熟練のクラフトマンたちが製作する同社のカホンは、ユニークなデザインとオリジナリティあふれるサウンドを特徴とし、世界各国で多くの著名アーティストに高く評価されている。ヤマハミュージックジャパンでは、初心者からプロ仕様のカホンまでそれぞれのニーズに合わせた7モデルを7月1日より取り扱う。価格は未定だが、5万~10万円前後となる見込み。

発表会ではドラマー、パーカッショニストのホセ・コロンさんが、Selectionシリーズの「Sensation」、Professionalシリーズの「C12」を演奏。アグレッシブな演奏で幅広いサウンドを聴かせた。


▲ホセ・コロンさんはスペイン、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ生まれ。ヘレス青年交響楽団、ヘレス自治州交響楽団員として80年代~90年代後半まで活動。同時にドラマーとしてジャズ、ブルース、フラメンコ、ロック、ポップ、フュージョンなどさまざまなジャンルに活動の場を広げる。現在は東京に拠点をおき、ドラマー&フラメンコのパーカッショニストとしてコンサートやレコーディングなどで活躍。玉置浩二、沖仁、葉加瀬太郎、東儀秀樹、木村大、coba、上妻宏光やさまざまなフラメンコ舞踏団などと共演。自身のバンドでもオリジナリティあふれるサウンドのライブを行っている。

「カホンという楽器はミュージシャンにとってとても便利な楽器だと思っています」というホセさん。「スペインでは、ほとんどのドラマー、パーカッションニストがカホンを使っています。小さいライブやアコースティックライブで使われます。スペインのカホンとペルーのカホンの違いですが、スペインのカホンは中に響き線が入っています。なので、基本的な3種類の音がきれいに出ます。たとえば、ドラムの音のように低音、中音、高音とすべてカホン1つできれいに出ます」と、まずはスペインのカホンの特徴を説明。続いてLa Rosa Percussionのカホンについてコメント。

「La Rosa Percussionはスペインのカホン販売台数で第一位になっています。La Rosa Percussionでは、すごく腕のいいクラフトマンだけではなく、ミュージシャンも一緒に作業していまして、日々よりよい音を求めて改善をしつつ製作をしています。サウンドのよさだけでなく、デザインにもとても気をつかっている会社です。また、同社のカホンはミュージシャンが座って演奏する際にとても楽な形になっています。最後の処理もよい音を出すだけではなくて、奏者の手が痛くならないようにということを考えて、とてもきれいに仕上げられています。」


▲天面のエッジはなめらかに面取りされている。その処理はモデルごとに異なるので、音以外の部分もチェックポイントになりそうだ。

「今、2モデルを試打しましたが、Sensationはサウンドがとても繊細で、どんなジャンルの音楽でも叩けるカホンです。スタジオでもライブでも大丈夫なすごくいい音。プロが求めるすべての大切なポイントを持っています。プロのミュージシャンは楽器に対する要求がとても厳しいんですが、それを全部クリアしています。一方、C12のサウンドはもっとオープンなものになっています。どちらかというとフラメンコにとても適しているサウンドだと思います。いずれにしてもどんなジャンルの音楽にも使えると思います」とそれぞれの特徴を紹介。「サウンド自体はそれぞれ違いがあるんですが、品質としてはほとんど違いがありません。どのモデルでもあってもカテゴリであっても品質はすばらしい。それぞれミュージシャンによって求める音が違うので、プロの厳しい目から見ても必ず自分の求める音に合ったカホンが見つけられると思います。」


▲左の「C12」、右の「Sensation」ともに12mmのバーチ材合板をボディに採用。Sensationは天然木によるフロント打面の木目も魅力のひとつ。サイズはいずれも30×29.5×47cm。

「ヤマハのおかげで日本にすばらしいカホンが入ってきて、絶対多くのミュージシャンがこれを楽しんでくれると思います。日本のミュージシャンの方がこのパーカッションを試打したら、すごく衝撃を受けて気に入ると思います。ぜひ、試打して音を確かめてください」と締めくくった。

■Cling On Pickup & Tuner(クリング・オン・ピックアップ&チューナー)

▲チューナー「MS1R」「MS1G」とコンタクトピックアップ「CP01」。チューナーはRedとGrayの2色をラインナップ。

Cling On Pickup & Tuner はプロのクラシック・ギタリストでもある Peter Chekardzhikov(ぺター・チェカージーコフ)が 2011年に創設したギター・アクセサリーメーカーの Elite Guitar(エリート・ギター)から生まれたブランド。同社の製品は世界最大規模の楽器見本市「2018 NAMM Show」でアクセサリー部門での“Best in Show”を受賞するなど好評を得ている。


▲写真左がチューナーをギターのネック裏に装着した状態。写真右の手前にあるコイン電池のようなものがギターのネックに取り付けるマグネットベース。磁石によりカンタンに着脱できる。

2016年に発売したデジタルチューナーのコンセプトは、コンパクトでエレガントであること、そしてギターのヘッドストックからチューナーが観客に見えないこと。マグネットを用いたベース部分をギターのヘッドストックの裏面に接着し、チューナーおよび取り付けパーツが表面から見えない仕様となっている。ベース部分をギターのヘッドストックに残しチューナーが取り外せるため、ギターバッグに収納の際も便利。


▲写真左はピックアップをギターのトップに取り付けた状態(ケーブルは外してある)。裏側にマグネットベースが取り付けてあるが、デモ機ではその位置がわかるように目印のシールが貼られていた。写真右はピックアップ本体とトップ裏に貼り付けるマグネットベース。付属の練り消しゴムのようなもので板に貼り付ける。貼り付けの際はサウンドホールに手に入れる必要があるため、弦は外さなくてはならない。

▲ケーブルは着脱式。ストラップピンに留められるようになっている。

2017年に発表したピックアップもチューナー同様にマグネットを採用。表板裏側のボディ内部にマグネット製のベース部分を装着し表側にコンタクトピックアップを固定して使用する。カンタンに着脱できるので、クラシックギターなど、ピックアップが搭載されていないギターの音響をアンプなどで増幅する際に役立つ製品となっている。ギターに加工をすることなく取り付けできるのも大きな特徴だ。ピックアップ自体にボリュームがついているほか、ケーブルの取り外しもカンタン、ストラップピンにジャックを装着できるのもポイントだ。発売は5月10日。価格はチューナーが2,000~3,000円、ピックアップが7,000~8,000円。


▲カンタンに着脱できるのが大きな特徴。ステージ上でもピックアップを一瞬で装着。

ピックアップのサウンドを確かめてもらうべく登場したのは、ギタリストのマルセロ木村さん。マグネットベースを仕込んだギターに、ステージ上でピックアップを取り付け、すぐさま演奏をスタート。クラシックギターの繊細な音色を響かせた。感想を聴かれると「すごくいいですね。穴を開けなくてもいいし、音もソフトです。ナチュラルな音です。いい感じ」と笑顔で答えた。


▲ギタリストのマルセロ木村さん。1979年、ブラジル・サンパウロで音楽一家に生まれ、ギタリストである祖父の影響で幼い頃からギターに慣れ親しむ。ラテンアメリカ最大の演劇・音楽学校でクラシックギターを学び、Ary Piasarolloよりジャズ・ギターを師事。2009年にサンバジャズ・ユニット「MISO BANANA」を結成。サウンドメーカーとしても国内外の多くの有名アーティストより信頼を受け、楽曲提供、アレンジ、レコーディングと幅広くサポート。2013年、ソロ名義初となるアルバム『Morro Do Urbana』を発表。現在は松田聖子の「SEIKO JAZZ 2」コンサートツアー2019のバックギタリストとして全コンサートに帯同している。

■GMF Music(ジーエムエフ・ミュージック)

▲アコースティックギターのサウンドホールに取り付けるサウンドホールピックアップ「SH-1」はSingleタイプ。ノイズに強いHumタイプの「SH-2」もラインナップされる。

GMF Musicはスティール弦のアコースティック・ギター、ウクレレなどと相性がいいピックアップのブランド。30年以上にわたり、楽器づくりとデザインに携わる Greg Farres(グレッグ・ファレス)によって2013年に米国アイオア州で創設されたピックアップメーカーだ。コンセプトは、「高品質で手頃な価格」と「アンプにつないで音響を増幅した際のより原音に近いベストなアコースティックサウンド」。

グレッグ・ファレスは過去にアンプメーカーの Ultrasound Amps(ウルトラサウンド・アンプ)を創設し、米国アコースティックギターマガジン誌のアンプ、プリアンプ部門において、プレーヤーズチョイスアワード賞を獲得。国内外を通じた実績と技術を生かしたギター用ピックアップは、ジェイク・シマブクロをはじめとする多くのトップアーティストが使用している。


▲貼り付け型コンタクトピックアップは「AT-1」と「AT-2S(Dual)」の2タイプを用意。

商品ラインアップはアコースティックギターやウクレレに使用できる、貼り付け型コンタクトピックアップ2モデル(4,000~8,000円)と、アコースティックギターのサウンドホールに取り付けるタイプのマグネット式ピックアップ2モデル(5,000~9,000円)。いずれも楽器に手を加えることなく取り付けが可能で電池も不要のため、装着後そのままアンプもしくはDI(ダイレクトボックス)に接続するだけで演奏ができる。5月10日より取り扱い開始。


▲サウンドホールピックアップは弦を外さずに装着が可能。ホールのエッジに当たる部分はスポンジのようなやわらかい素材でできている。取り付ける角度を調整することで低音または高音を強調するといった音づくりも可能だ。写真はHumタイプの「SH-2」。

■Voodoo Lab(ブードゥー・ラボ)

▲多彩なモデルを揃えるVoodoo Labのパワーサプライ。

Voodoo Labは1986年にカリフォルニアで創設されたエフェクターのパワーサプライ専門メーカー。プロアーティストがレコーディングやツアーで使用する信頼性の高い機材を開発している。過酷なツアーなどにも耐えうるように、筐体には航空機にも使用されている 6061-T6アルミニウムを使用。1台1台をカリフォルニア州の自社工場で生産している。商品ラインアップはギターエフェクター用パワーサプライをはじめ、エフェクターボードやケーブルなどギター周辺機器が中心。中でもパワーサプライは、さまざまな技術とアイデアを駆使し、業界最小のノイズレベルを達成、世界トップレベルのアーティストが推奨している。


▲ギグバッグとセットになったエフェクターボードや各種ケーブルなど数多くの製品をラインナップ。

製品ラインナップは、パワーサプライ、エフェクターボード、スイッチングシステム、ケーブルなど。日本国内ではパワーサプライ5モデル、ペダルボード&パワーサプライ12モデル、アクセサリー&ケーブル類が28モデルの計45製品を展開。価格はパワーサプライが2万円台、ペダルボードが1万円台となる見込み。ヤマハミュージックジャパンでは、同社取り扱いのLine 6やEarthQuaker Devicesの推奨アクセサリーとして市場導入を進める。5月10日より取り扱い開始予定。

■ACCESS(アクセス)

発表会では、ヤマハミュージックジャパンが1月25日より取り扱いを開始したACCESSについても紹介。ACCESSは、シンプルなデザインで楽器保護機能と耐久性に優れた米国の楽器用ケース専門ブランドだ。


ACCESSはヤマハをはじめ、フェンダー、ギブソン、テイラーなど数々の有名ギターメーカーのケース製作を手がけ独自のノウハウを構築。楽器の保護機能と耐久性を重視したコンセプトは多くのプロフェッショナルから高く評価されている。現在、ヤマハミュージックジャパンではスタンダード仕様の「Stage Oneシリーズ」(10,000円)と、外部からの衝撃吸収に優れたフォームと堅牢性の高いポリマーパネルのシェルを持つハイエンドの「Stage Threeシリーズ」(10,000円)を取り扱っている。「Stage Oneシリーズ」はドレッドノートからエレキギター/ベースまで7モデル、「Stage Threeシリーズ」はアコースティックギター、エレキギター/ベースを含む5モデルをラインナップする。


▲発表会ラストはホセ・コロンさんとマルセロ木村さんによる迫力のパフォーマンス。息の合った熱い演奏で会場を大いにわかせた。プレイ前のセッティング時には、マルセロ木村さんが「ギタリストの人生の半分ぐらいはチューニングしてる、残りの人生はチューニングできてない状態で演奏する」と笑わせる場面も。
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