【インタビュー】2(ツー)、多くの悩みや葛藤と痛みを乗り越えて完成させたニュー・アルバム『生と詩』

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■アルバムの根底にある怒りや破壊、生々しさ”を
■ライブで表現することを楽しみにしています


――今回の制作を通して全員が悩んだり、葛藤したりしたことで、より強固なチームになったことを感じます。続いて、『生と詩』のプレイについて話しましょう。それぞれ今作を録るうえでプレイや音作りなどで大事にしたことは?

yucco:1stアルバムを作った頃は8ビートが主という感じだったけど、今回のアルバムはいろんなことをやりました。たとえば「DAY BY DAY」みたいに、1曲の中でこれだけドラムの顔が変わるのは、2では初めてなんですよ。AメロとBメロで違うし、サビの感じも違っていて。あと、ギター・ソロのパートは、これまではみんなで“ワァーッ”とやってきたんですけど、この曲だけギター・ソロが淡々と始まるんですよね。その感じも良くて、叩きながら“キタァーッ!”みたいな気持ちになるのがすごく好きです(笑)。あと、さっき古舘さんが2ビートが苦手だという話が出ましたけど、私も「ホメオパシー」は大変でした。私も2ビートは叩いたことがなかったんです。


――すごく気持ちいいビートを叩かれていますよね。

yucco:本当ですか? かなり特訓してからレコーディングに臨んだので、そう言ってもらえると嬉しいです。あと、「東狂」の遅い16ビートも初めてで、新しいことに挑戦したアルバムだなという印象がありますね。それに、今までは全曲通して後ノリで叩いていたんですよ、それが自分の癖なので。でも、今回は曲によってスネアのタイム感を使い分けることができて、ドラマーとして成長できたかなと思います。

赤坂:新しいアプローチということでは、今まではめっちゃシンプルにただルートを刻んでいる曲もあったりしたけど、今回はボトムを支えつつも主張をどこかに入れたいというのがあって。それで、ボーカルのメロディーに寄せた時もあれば、気まぐれなフレーズというか、あまり深い意味なく弾いたフレーズを活かした曲もあったりして、今までよりは積極的にいけたかなと思います。「DAY BY DAY」や「ホメオパシー」のベースは気に入っていますね。苦労したのは、「東狂」と「WHEN I WILL DIE」。「東狂」はイメージしているグルーブをピック弾きで出すのが難しくて、一番苦労したかもしれない。「WHEN I WILL DIE」は、レコーディング当日に曲のキーを半音下げることになったんですよ。だから、フレーズによっては開放音を使えなくなって苦戦したし、元々オルタネイトで弾いていたけど、ニュアンスが違うと言われてしまって。その場でダウン・ピッキングでいこうということになって、それも苦戦した。でも、現場で対応できたことは、自分の中でひとつ自信になりました。


▲yucco

加藤:今回のアルバムは古館佑太朗という個性を、どう面白く伝えるかということが何よりも大事だと僕は思っていたんです。だから、ギターはプレイどうこうは二の次で、当たり前のことを、より神経質に形にするということにフォーカスを当てていました。カッコ良く弾くのは当たり前、ボーカルの邪魔をしないのは当たり前で、そのうえでどれだけ磨きをかけられるかと。それに、イントロとか歌の合間に入るフレーズやギター・ソロを誰が聴いてもわかりやすいもの、耳触りがいいものにすることも意識しました。ただ、僕がレコーディング全体を回していたので、ギターよりもそこにメッチャ神経を遣った記憶がある。どうやったら楽器の音がより良くなるんだろうとか、佑太郎君の歌はどういう発音で歌うとよりカッコ良く聴こえるんだろうとか、そういうふうにトータル的に目を光らせた制作でした。

古舘:歌に関しては、たとえばリスナーの人がカラオケで『生と詩』の曲を歌ったら絶対に喉を壊すと思う。キーの設定にしても、喉の耐久性にしても、僕だからやれている部分があると思います。限界突破した曲が、何曲かありました。もう喉が死にそうになりながら歌った。それも歌詞やテーマに寄り添っていると思います。あとは、アルバムを作るごとに、歌のピッチに対する感覚が良くなってきているというのがあって。2の初期の頃は音がズレてると言われてもわからなかったけど、今は歌入れしていてフラットしたりすると自分でわかるんですよ。逆に言うと、音が合った時はわかるので、歌録りが前よりもスムーズになりました。そういうところで、自分が成長したことを感じられるレコーディングでしたね。


▲赤坂真之介

――本作を携えて5月から7月にかけて行う全国ツアーも必見といえます。

加藤:今年に入ってから<SPACE SHOWER 列伝TOUR 2019>に参加して、4月に2マン企画を予定していて、5月からワンマン・ツアーという流れになるんですね。そういう中で、どうやってバンドを進化させていこうかなというのがあって。『生と詩』に入っている新しい曲も当然入ってくるので、それを活かして、今までとはまた違った2のライブを見せられるといいなと思っています。今回は初めての長いツアーで、ワンマンでは行ったことがない場所もあるので、各地でいいライブをしたいですね。それを実現できるように、がんばります。

yucco:2で何本かツアーをやってきましたけど、2月にやった<SPACE SHOWER 列伝TOUR 2019>はすごい短期間に9本というスケジュールで、毎日がライブだったんですよ。そのツアーを経て、ツアーをする醍醐味にようやく気づきました。今日はこうだったから、次はこうしようと、しっかり考えるようになった。今までもそういうことは考えていたけど、フワッとしていたんですよ。そういう変化があったので、次のワンマン・ツアーはより濃いものにしていけるんじゃないかなと思う。ファイナルに向けて、どんどんライブに磨きがかかっていくと思うので、期待していてほしいです。

赤坂:『生と詩』は楽曲の幅が広がっているし、激しさも増していて。アルバムの根底にある“怒り”とか“破壊”“生々しさ”といったものを、ライブで表現することを楽しみにしています。もちろん初日からそういう部分をガッツリ出すつもりでいるけど、やっぱりライブを重ねていく中でより良くなっていくと思うんですよ。その結果、ファイナルではどういう状態になっているのか、さらにそこを経て、次の2はどういうところを目指すことになるのかということをすごく楽しみにしています。

古舘:強く思うのが、ライブにくるお客さんというのは、実は一個のものを持ち帰りたいんじゃないかなということなんですよ。ワンマンとなると曲数もいっぱいやって、いろんな顔を見せることになるじゃないですか。でも、このツアーでは1本1本のライブを通してもそうだし、ツアーを通してもそうだけど、今の自分が一番伝えたいことを伝えられるようにしたいと思っています。今回僕が伝えたいのは、ツアー・タイトルにもなっている“4 PIECE FOR PEACE=4つの破片が幸せのために”ということなんですよ。こういうタイトルだから「フォーピース」は必ずやるだろうし、しかもその日を象徴するタイミングで演奏することになると思う。だから、「フォーピース」がメチャクチャお客さんに刺さるようなライブをしたいと思っています。それは、「フォーピース」だけを演奏しても絶対に響かないんですよね。他のいろんな曲とか、その場の空気感とかもあって、その総てが「フォーピース」に集約されて、「フォーピース」に込めたメッセージがみんなに届けばいいなと思います。

取材・文●村上孝之


リリース情報

3rd Album『生と詩』
2019年4月3日(水)
\2,500(tax in) YRNF-0018
01.ルシファー
02.ニヒリズム
03.SとF
04.性と詩
05.ナイトウォーク
06.DAY BY DAY
07.ハナレイバナレイ
08.ホメオパシー
09.東狂
10.WHEN I WILL DIE
11.フォーピース

ライブ・イベント情報

<2 New Album Release LIVE「生と詩とスリーピース」>
2019年4月11日(木) 大阪UMEDA TRAD
w/yonige
2019年4月17日(水) 渋谷WWWX
w/Saucy Dog

<-2 ONE MAN LONG TOUR-「4 PIECE FOR PEACE」>
2019年5月11日(土) 千葉LOOK
2019年5月12日(日) 仙台enn 2nd
2019年5月18日(土) 札幌ベッシーホール
2019年5月26日(日) 新潟RIVERST
2019年6月08日(土) 京都磔磔
2019年6月09日(日) 名古屋UP SET
2019年6月15日(土) 広島BACK BEAT
2019年6月16日(日) 岡山ペパーランド
2019年6月22日(土) 高松DIME
2019年6月23日(日) 福岡INSA
2019年6月29日(土) 金沢vanvan V4
2019年7月05日(金) 大阪JANUS
2019年7月11日(木) 渋谷CLUB QUATTRO

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