【インタビュー】SHIMA、明るくハードで激しくポップなエキサイティング・ロック・サウンド

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パンク、メロコア、ハードコア数々あれども、面白さとかっこよさを両立させるセンスの良さと圧倒的なキャラの濃さでぐいぐい来てる、そのバンドの名はSHIMA。結成11年目に入ったが気持ちは新人並みにフレッシュ&アグレッシブ、CAFFEINE BOMB RECORDSの同僚・HEY-SMITH猪狩秀平がプロデューサーとして参加し、マスタリングには巨匠ハウイー・ウェインバーグという玄人受けするラインナップでありつつ、耳にあたる印象はあくまで明るくハードで激しくポップなエキサイティング・ロック・サウンド。ラーメン師匠ことEGACCHO(Vo)とYUSUKE HIKIDA(G)の大学先輩後輩コンビに、最新セカンド・アルバム『BLAST』の聴きどころその他もろもろをがっつり聞いてみた。

■「ラーメン、ソーメン、スパゲッティ、ちゃんぽん、うどんそば!」
■EGACCHOが「ズールズルズル」って言って、「あ、できた!」って(笑)


――今回、食い物の歌が多いんですよ。「すすれ-Re麺ber-」とか、焼肉の「DOUGEN」とか。

EGACCHO:ちゃんと、わかっていただいてますね(笑)。

――「BEER&DOG」はビールだし。あと「KOMATSU NAMI」の小松菜(笑)。小松菜の歌って初めて聴いた。

YUSUKE HIKIDA(以下HIKIDA):僕ら、すごい食べるの好きなんで。

EGACCHO:ごはん大好きなんで。ツアーの楽しみですね。ごはん食べに行く…わけではないですけど(笑)。先々の楽しみの一つであることには違いないので。

――大事です。この後、全都道府県ツアーなんて楽しみでしかない。

EGACCHO:口でテンション上がりたいですね。

HIKIDA:おいしいもの食べたいです。ごはんもそうですけど、お酒がめちゃめちゃ好きなんで。

――2019年のパンク・バンドが何を歌うべきか?という話をしたいんですけどね。やっぱり好きなものを歌うということですか。

HIKIDA:僕らはほんと、好きなものを歌ってますからね。犬が好きなんで、犬の曲を歌ったりとか。自分の好きなものを歌うという、そうでしょ?

EGACCHO:そうですね。それしか歌えないです。嘘になっちゃいますから。好きなことを好きなように歌う。


――それって結成当初からそうなの?

EGACCHO:それしかできないですね。ただ最初は、ギターのヒッキー(HIKIDA)が詞まで考えていたので、メッセージ性のある歌詞が多かったですね。

HIKIDA:昔は全部英語だったから。詞は僕が書いてたんですけど、途中からEGACCHOの日本語詞を入れるようになって、今のスタイルになっていく。彼の世界観が独特なんで。唯一無二の歌詞を書く男、EGACCHOです。

EGACCHO:EGACCHOです。

――パンク界隈でこういうタイプの歌詞書く人って、わりと珍しいですよね。ユーモアとメッセージが両立する感じの。ガーリック・ボーイズとか、大御所はいますけど。

EGACCHO:大好きですね。

――僕も大好きです。面白くてかっこいいって最高じゃないですか。その、遺伝子みたいなものも感じたりしますね。直接の影響って、どのへんなんですか。

EGACCHO:ガキの頃から親の影響でビートルズを聴いていて、自分で初めて買ったCDは奥田民生さんですね。ユニコーンも好きで、電気グルーヴもめっちゃ好きでした。中学校の時に楽器を触るようになってからは、鹿児島県出身ということもあって、長渕剛さんの若い頃の、声がきれいな頃の曲とかですね。きっかけになるのは。嘉門達夫さんとかもそうですし。


▲Vo. EGACCHO

――すでに、今に至る傾向が見えてますね(笑)。言葉の面白さや強さに惹かれる。

EGACCHO:あるんでしょうね。普通だとつまんないって思うんですよ。どこかでニヤッとさせたくなっちゃうというか、自分がやっていて楽しいと思う言葉をチョイスしている感じですね。

――ヒッキーさんどうですか。音楽の始まりというと。

HIKIDA:僕は昔から、Hi-STANDARDとかメロコア系が大好きで、その辺りばっかり聴いてました。THUMB、SHORT CIRCUIT、CAPTAIN HEDGE HOGとか、90年代のあのへんですね。なので、最初は日本語詞には抵抗があったんですけど、今はそれが武器というか、唯一無二の感じでやれてるのが嬉しく思っています。

――どのへんで変わったんですかね。

HIKIDA:何なんですかね。元来、EGACCHOが、日本語の歌詞を書きたかったのかな?

EGACCHO:うん。僕はヒッキーさんの作る曲が好きで、この人とバンドを組んだのが始まりなので。自分はプレイヤーとしてライブが楽しくて、歌うことも好きですし、ただ抜群に歌がうまいかといったらそうも思わないですし、単純に人を楽しませることが好きだった。僕がかっこいいと思う曲を作ってくれる人とバンドをやれたらいいって、それだけ思っていたんですよ。だから、特に歌いたい歌詞があるわけじゃなかったんですけど、いろんなことを経験してきて、いろんな人と話したりすると、やっぱり自分が歌う以上、何を歌っているか?という部分に挑戦してみたくなったところがありまして。じゃあ、僕は日本語しかしゃべれないし、日本語で書こうと。それと、SOBUTがめちゃ好きなんですけど、YOSHIYAさんの歌い回しで、日本語を英語っぽく歌う「SOBUT×WE GO!」っていう曲があって、こういうのかっこいいじゃんと思って、それを自分なりに書いてみたかったんですね。でも真似だとまったく一緒になるから、そこは気にせずはっきり日本語で、僕が作る詞に関しては書こうかなという感じです。

HIKIDA:前身バンドの頃は、かなり日本語で書いていたんです。そこに僕はヘルプ・ギターで入って、だんだん本気になって、曲を書くようになっていった。でも僕は英詞でやりたくて、このバンドは僕がやりたいことじゃないっていう話をして、なんだかんだあってSHIMAになって、英語でやることになったんですけど。結局、お互いのやりたいことがうまく重なっていって、自然と日本語と英詞と共存するようになって、僕が歌うところは英詞がいいから、EGACCHOが歌うところは日本語詞でとか。


▲Gt./Vo. YUSUKE HIKIDA

――理想形に近づいてきてる。

HIKIDA:完全に、今が理想形かなと思っています。

EGACCHO:作詞の表記に「YUSUKE HIKIDA、EGACCHO」って、1曲の中にあるのが独特やなと自分でも思います。

HIKIDA:今回、仮歌詞をわりと僕が書いたんですよ。EGACCHOの面白い世界観に対するコンプレックスじゃないけど、日本語の面白いものはEGACCHOが書くべきだと思っていたんですね。最近は作曲段階で歌詞を書いて、それが面白かったりしていたんですけど、照れちゃって、見せなかったんですね。一回英語っぽく歌ってから送ったりしてたんですけど、今回は仮歌詞のまま投げてみようかなと思って、自分で面白くしちゃったような日本語詞を一回投げたんです。そしたら「これ、いいっすね」みたいなことになって、採用になったりして。それで今回、詞が共作になっていたりするんですけど。こうしようぜ、と言ったわけじゃなくて、自然とそうなったのが良かったなと思います。

――続けるもんですね。SHIMA11年ですか。長く続ける秘訣は?

EGACCHO:意識してないですね。長く続けようと思ってやってはいないので、結果的に11年ですけど、楽しむことしかないですよ、その日その日を。気が済んだらやめるだけなんで。だから、楽しいですよ。

――まだ気が済んでない。

EGACCHO:ないですね。今、猛烈にワクワクしてます。ドキドキしてます。年々楽しいですね。

――素晴らしいなあ。それは全てにおいて? 曲作りも、ライブも、人と会うのも。

EGACCHO:そうですね。振り返れば、辛かった瞬間はもちろんありますけど、ただライブだけはずっと楽しいですね。ライブが大好きなので、そこだけは飽きないです。たぶん、そこなんじゃないですかね。あと、くだらないことを考えるのが好きなんですよ。語呂合わせとか、くだらないことが好きなんで、そういうのも歌詞に反映されている気がします。信号待ちで、前の車のナンバーを見て、すぐ語呂合わせしちゃうとか。

――ああー。

EGACCHO:僕のケータイの電話番号も語呂合わせです。言えないですけど(笑)。そういう、アホみたいなことが好きなんです。

HIKIDA:普段からこんなことばっかり言ってますからね。「この言葉、面白くね?」みたいなことをいつも言ってる。

EGACCHO:くだらないことでキャッキャできるのが最高ですよね。

――そこらへん、今回プロデューサーで入ってるHEY-SMITHの猪狩さんとか、話合うんですか。

EGACCHO:それが、めちゃ合うんですね。彼らもアホなんでね。

――レーベル自体がね、その手の人が多いという。そんなこと言っちゃいけない(笑)。

EGACCHO:あははは。レーベルがアホばっかり。

HIKIDA:個性的な人が多いですね。

EGACCHO:マネージャーが後ろで「うんうん」って言ってますけど(笑)。まあ社長がね、愛すべきアホなんで。

――大事です。でもヒッキーさん、さすがに「すすれ-Re麺ber-」とかは、びっくりしたんじゃないですか。

HIKIDA:それは僕が作ったんで、びっくりしないです(笑)。

――なんと。失礼しました。てっきりEGACCHOさんだとばかり。

HIKIDA:僕が作って、タイトルも僕です。

EGACCHO:似てるんですよ、どうせ。だいたいここ(2人)でいつも言い合うんですよ。何か面白いことを言うと、負けないように被せてく、そういう瞬間がいっぱいあるんで。同じ大学で、代は被ってないんですけど、卒業してもヒッキーさんはよく遊びに来てたんで。そんな時に言葉遊びみたいな、ネタを振ってお互いにボケあうことをずっとしていましたね、昔から。そう言われてみると。だから今になって、歌詞でそれをやっている感じです。

HIKIDA:街を歩いていて、「うどんそば」って書いてあるのを見て、「できた!」って。

――あはは。何ができたんだ。

HIKIDA:「ラーメン、ソーメン、スパゲッティ、ちゃんぽん、うどんそば!」って。パッとできました。それに対してEGACCHOが「ズールズルズル」って言って、「あ、できた!」って(笑)。言葉とメロディが一緒に出てくることが多いので。面白い言葉が見つかれば、そこにパッとメロディがついて、曲を作ったりしてますね。僕、ほぼ楽器を持たずに作るんで。

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