ヤマハギターの原点と最新の音響解析&新開発ピックアップシステム搭載の「FG/FS Red Labelシリーズ」登場

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ヤマハギターの原点となる「FG180」(通称 赤ラベル)の設計思想を踏襲しながら、モダンなデザインと現代のシーンに合ったサウンドを融合させたアコースティック・ギターの新シリーズ「FG Red Label(レッドレーベル)シリーズ」「FS Red Labelシリーズ」が登場。5月25日に発売される。4月25日に行われた発表会にはシンガーソングライターの構康憲が登場、演奏を披露した。


「FG Red Labelシリーズ」と「FS Red Labelシリーズ」は、往年のフォークギター「FG」の設計思想を踏襲し、「FG」を思わせる外観に現代のエッセンスを加えた新しいアコースティック・ギター。発表会では「中級のプレイヤーからプロのアーティストまで、ライヴステージでがんがん使える」中高級ギターと紹介。そのサウンドは、アコースティックギター本体の持つサウンド特性をそのままに生音でもラインアウトでも表現できること、歌声と調和することを目指した。弾き語りに最適なマホガニー材ならではの暖かみのあるサウンドが持ち味となっている。


▲ボディシェイプは、ヤマハオリジナルのジャンボボディ「FG」(左)と、小型のフォークギターの「FS」(右)の2種類。スケールはどちらも同じ634mm。#5グレードはピックガードが木目調、エンドピン、ブリッジピンに黒檀を採用。写真のモデルは「FGX5」と「FSX5」。

ラインナップは、パワフルなストロークプレイに応える豊かな低音域が特徴の伝統的なウェスタンボディの「FG」と、粒立ちよくふくよかなサウンドが特徴のスモールボディサイズ「FS」の2シリーズ、計8モデル。両シリーズとも634mmスケールを採用し、握りやすいネック形状とあわせて高い演奏性を実現した。また、FG/FSともグレードは#3と#5の2種類、エレクトリック・アコースティックギター仕様(「X」付モデル)もラインナップし、好みやスタイルに応じて選択可能。#5グレード(FGX5、FSX5、FG5、FS5)は、日本国内で熟練した技術者の手により製作されたメイドインジャパンモデルとなっている。

いずれも木材改質技術や音響シミュレーションといった最新のテクノロジーを駆使して、パワフルで豊かなサウンドを追求。また、ピックアップを搭載したエレクトリック・アコースティックギター仕様のモデルでは、従来のピックアップでは拾うことができなかったギターの音成分を集音する新ピックアップシステムを開発したことで、ステージ上でもアンプを通してギターの自然な生音を表現できる新しいアコースティックサウンドを実現した。


▲ヘッドは特徴的なVシェイプ。釣鐘型のトラスロッドカバーには原点となる1966年を刻んだ(左)。音叉マークは1960年代後期のデザイン。ボディ内部の赤ラベルはヤマハギターの出発点を象徴するアイコン(右)。往年のものに比べ少しオレンジの色味を加えた色調に変更された。表板は何年も弾き込んだ熟成したギターのサウンドが得られるA.R.E.を施したシトカスプルース単板を使用。

▲ヘッド裏から見てもヤマハだとわかる刻印入りのオープンギアチューナーを搭載(左)。ボディには落ち着いた質感を再現するためセミグロスの塗装を施した(右)。ギター全体で半艶仕上げを施したのは今回のモデルが初めて。上塗り塗装のかかった状態から再び手作業で研磨し、オイルフィニッシュを施すことで独特の質感を出している。

外観デザインはヤマハのフォークギターの原点となる「FG」を彷彿させるもの。サウンドホールから見えるラベルには伝統の赤ラベルを配し、ヘッドのトラスロッドカバーには1966年の文字を刻印した。さらにセミグロス塗装を施すことでヴィンテージな風合いに仕上げている。


▲音響解析シミュレーションを使用したFG800シリーズからさらに踏み込んで、FG/FSではスキャロップドブレイシングの4カ所の響棒を削り込んだ。表板との接着面積も減少。また、Xブレイシングの角度を広げることで、生鳴りの改良、低音域の広がりを得ることに成功している。

サウンド面では最新の音響解析シミュレーションによる試作工程を経て施した、独自のスキャロップ加工のブレイシングを新たに開発。FG、FSそれぞれのボディシェイプに合わせて最適化したデザインとしており、耐久性を損ねることなくパワフルな中低域の響きを実現した。ブレイシングの見直しは、削り込む数値をデジタル上でモデリングし、音の変化を予想する音響解析による擬似試作と、それに続く木工製作による実際の試作工程、すなわちバーチャルとリアルによる試作を繰り返すことで進められたという。また、表板には長期間を経た木材と同様の変化を生むヤマハ独自の木材改質技術「Acoustic Resonance Enhancement(A.R.E.)」を施した。これにより新品でありながら長年弾きこんだかのような豊かな音を奏でることが可能となっている。


▲弦の振動(中低域)を拾うアンダーサドルのピックアップ、表板の振動を拾うコンタクトセンサー、胴の鳴り(低域)を拾うプリアンプに装着されたオンボードマイクロフォン、異なる3種類のセンサーを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。側面の3つのコントロールでシンプルに音作りが行える。

エレクトリック・アコースティックギター仕様のモデル(FGX5、FSX5、FGX3、FSX3)には、新開発の3ウェイハイブリッドシステム「Atmosfeel(アトモスフィール)」を搭載した。薄くて耐久性のある圧電性合成紙を使ったコンタクトセンサーを内部に加えることで、従来のピックアップでは拾いきれなかったサウンドホールから出る弦振動のまとまり、一弦ごとの余韻、フィンガリング時のタッチ感、高音域の倍音成分によってもたらされる空気感や繊細な音を再現。アコースティック・ギターを生音で弾いているような感覚で演奏が楽しめる。

この「Atmosfeel」は、英語で「空気」を意味する「Atmosphere」と、「雰囲気」を意味する「Feel」を組み合わせた造語。新開発のコンタクトセンサーは、株式会社ユポ・コーポレーション、一般財団法人小林理学研究所、ヤマハ株式会社が共同研究開発したものだ。

ヤマハが培ってきた伝統的なノウハウをもとに音響解析シミュレーションや科学的アプローチを取り入れた試作による設計、センターを含むピックアップシステムも自社で独自開発を行ったFG/FSシリーズ。工場ではひとつひとつのギターの個体に合わせて、出力バランスの調整を行ったうえで出荷される。

■ストロークで暖かく包む「FG」&粒立ちのいい「FS」

▲構康憲(かまえやすのり)は、都内を中心にライヴ活動のほか、CM楽曲制作をはじめイベントテーマ曲、NHK「みんなのうた」など幅広く手がけるシンガーソングライター。アーティストへの楽曲提供やディレクション、コンポーザーとしても活躍。2017年からは、自ら企画したイベントを積極的に展開するほか、四人囃子のリーダーでありL⇔Rのプロデューサーとしても知られるドラマーの岡井大二と結成したDOUBLE LIMITSでも活動。

FG/FSのサウンドを聞かせて聴かせてくれたのはシンガーソングライターの構康憲。まずはジャンボボディのエレクトリックアコースティックモデル「FGX5」で切れのよいストロークを中心に弾き語り。最初のギターが中学1年生の時のFGシリーズだったという体験談に続き、「(新FGを)初めて触らせてもらった時に懐かしさとともに、セミグロス塗装になって新しくなった感じがして、すごく不思議な気持ちになった」「弾き込んでいくと手に馴染んで演奏しやすくて、すごく“歌いたくなるギター”」と第一印象を語った。また、バイオリニストとのセッションも試した結果、「メロディ楽器をすごく立てるギター。伴奏でボトムを支えてくれる」という感想も持ったという。また、「生音が非常によくて、本当にストロークで暖かく包んでくれるようなサウンド」と、弾き語りへのマッチングの良さを紹介した。


▲全編アルペジオによるしっとりとした楽曲は、「粒立ちがよい」という「FSX5」で演奏。

続いて、「個人的にはシェイプはこっちのほうが好み」というフォークギタータイプの「FSX5」を抱え、「ストロークとアルペジオを織り交ぜながらライヴをやったり歌を歌う時にはやっぱりこっちのほうが馴染む」「ボディサイズがちょっとタイトになっているので、音もその分タイト。それがアルペジオとかやる時には逆に粒立ちにつながっていて、非常にバランスよく演奏できる」とコメント。演奏後には「ギターをこれから始めるという方にとっては、この小ぶりの感じがすごく抱え心地がいいので、ストロークやアルペジオの初めてのアプローチにすごくいいんじゃないかな」と語った。


▲左からFG5、FS5、FG3、FS3。#5グレードのピックガードは木目調、#3グレードは黒。指板はいずれも黒檀または縞黒檀。カラーはビンテージナチュラルのみ。

▲エレクトリックアコースティックモデルのFGX5、FGX3、FSX3。

製品情報

<エレクトリックアコースティックギター>
◆FGX5
価格:190,000円(税別)
◆FSX5
価格:190,000円(税別)
◆FGX3
価格:120,000円(税別)
◆FSX3
価格:120,000円(税別)

<アコースティックギター>
◆FG5
価格:160,000円(税別)
◆FS5
価格:160,000円(税別)
◆FG3
価格:90,000円(税別)
◆FS3
価格:90,000円(税別)

発売日:2019年5月25日
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