【ライブレポート】最大規模の<ミノロック4>にカイワレ、としみつ、夕闇ら集結「生の音楽の楽しさを知ってほしい」

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みのプロデュースによる<ミノロック4>が4月30日(火)、同イベント過去最大規模となる豊洲PITで開催された。

◆ミノロック4 画像

若手の音楽系YouTuberを中心に、さまざまなクリエイターが集結した『ミノロック4』。場内を見渡すと女性ファンをはじめとする若いお客さんが多く、ネット世代ならではのスピーディでテンポのいいライヴ進行、そしてジャンルのごった煮感などを思い思いに楽しんでいたのが印象的だった。

「『ミノロック』もう4回目ですよ! 最初は300人くらいのハコで始まったのが、ついに豊洲PITまで来られました。みんなのおかげです! 僕らはYouTuberでスクリーンを隔てての関係じゃないですか。でも、生の音楽の楽しさを知ってほしい。絶対に後悔させないライヴをお届けします!」というみのの熱い前説を受け、演者たちが発奮していく。まずは、ダンサーを2人従えての爽やかで夏いエモーショナルナンバー「Kokomo」を皮切りに、時にヘヴィなリフも挟み込まれるポップパンク「I'll be there」から“新生活に向かってがんばってるあなたたちへ応援歌を”と届けられた「胡蝶蘭」まで、絶品のヴォーカルで高らかに響かせた財部亮治(8月にワンマンライヴ、さらにはツアーも実施する予定とのこと!)。


▲財部亮治

カオティックなメタルコア〜スクリーモサウンド+コミカルソング的強みも兼ね備えた必殺「猫サンキュー」のみを怒涛のごとく連発するという、どうしたって無謀で強引すぎるやり方なのに、会場のコールを味方につけ、レーザーを加えたりしながら見事に成立させてしまった夕闇に誘いし漆黒の天使達。そして、“タオル曲だからおもいっきり振ってほしいです”と前置きしたサンバビートの効いたアップチューン「夏の音」やオーディエンスを高くジャンプさせたフロアアンセム「G×3」など、ダンサブルで元気ハツラツなガールズポップが光るJENNIといった面々は、ライヴ慣れした堂々たるパフォーマンスで『ミノロック4』のステージにエンジンをかけていった。


▲夕闇に誘いし漆黒の天使達


▲ JENNI

また、登場するなりコール&レスポンスに挑み、ゆるっとしつつも意外なイケボを聴かせ、盟友・でんがんを迎えて超人気ボカロ曲「シャルル」もカバーした頭脳派理系YouTuberのはなお。会場全体を自身のメンバーカラー=緑色の光に染めながら、初披露の「C.A.K.E」も果敢に届けるなど、ロックヴォーカリストとしての実力とほとばしるパッションを男気たっぷりに見せつけた東海オンエアのとしみつ(5月に1st EP『THE BEST』をリリースするという嬉しい発表があった!)も確かな存在感、今後の伸びしろがあることを強くアピールしてくれたと思う。


▲ はなお・でんがん


▲ としみつ

ひときわ大きな声援を巻き起こし、ノリのいいラップとともにカサにかかってガンガン攻める「妄想」、tofubeatsが作曲の「PLAY NEW WORLD」で瞬く間に観客のハートを掴む、復活したアバンティーズ。ゲームネタ満載のキラーチューン「げぇむのすたるじっく」や我が道を切り開いていく高い志を感じさせる「sprout」など、王道と言えるハードなフロウからキャッチーなJ-POP的エッセンスまでを、BEMA(ワタナベマホト)とimigaによる変幻自在でキレキレの2MCで魅せるカイワレハンマー。この2組はさすがのライヴ運びで、息つく間もなく要所をブチ上げた。


▲ アバンティーズ


▲ カイワレハンマー

そして、主催者みのが率いるミノタウロスは音楽チャンネル“みのミュージック”で常日頃からマニアックな音楽愛を繰り広げている彼ならではのセンスを活かし、ビートルズをはじめとするクラシカルロックのマナーを踏まえた、オマージュもたっぷりの行き届いたパフォーマンスを展開。リフで押せる曲があったり、ゴキゲンなコーラスがあったり、みのが弾く痺れるギターソロがあったりと、ユーモアも申し分なく、ロックンロールの楽しさを教えてくれた。たとえば、THE BAWDIESやGLIM SPANKYが好きなリスナーならばぜひ聴いてみてほしい。古きよきルーツミュージックに興味を持つきっかけにもなるはずなので、とにかくいろんな音楽ファンにオススメしたいバンドだ。


▲ ミノタウロス

そのほか、RADWIMPS「夢灯籠」をヲタ芸パフォーマンスする芸術的サイリウムショーを見せた北の打ち師達。パートナーのO-LuHAとともに、デスボ&激烈メタルナンバー「イイコ進化論」を叩きつけたえっちゃん。普段のアニメ声からは想像もできないロックなヴォーカルを眼光鋭く聴かせたぁぃぁぃ。さらには、財部とimigaの初共演、アバンティーズとカイワレハンマーという超強力コンボの「アバみ」、JENNI×財部×としみつで贈る「Reverse」、ミノタウロスがBEMAをMCに迎えた激レア「恋のチンチン電車」など、見どころが満載のステージだった。


▲ ミノタウロス・BEMA

動画クリエイターらしく映像やCGを活かすライヴになるのかと思いきや、各出演者がそこに頼るパフォーマンスをしていなかったのが驚きだった。何より注目すべきはミュージシャンとしての表現力がしっかりとあって、アレンジのセンスなどが音楽ファンの耳を惹くのに十分な素晴らしいクオリティであること。“YouTuberなんて”みたいな理由で侮るのはもはやナンセンスなので、iTunesでもYouTubeでも試しにアクセスしてみてほしい。こんなにも多くのリスナーに馴染みやすいオリジナル曲を生み出している、れっきとしたアーティストがたくさん存在するのだから。ネット上ではないこういう現場=フィジカルイベントでも、その魅力は存分に伝わってきた。


このメンツが音楽業界に浸透するタイミングも近いかもしれない。平成最後の日に未来が楽しみになるイベントを見せてもらった。

取材・文:田山雄士
撮影:@_24young_

「第1公演 : -LIVE-」セットリスト

〈財部亮治〉
01.Kokomo
02.I'll be there
03.胡蝶蘭

〈夕闇に誘いし漆黒の天使達〉
01.猫サンキュー
02.猫サンキュー
03.猫サンキュー

〈はなお〉
01.丸の内サディスティック
02.シャルル

〈JENNI〉
01.dandelion
02.夏の音
03.Gx3

〈アバンティーズ〉
01.妄想
02.PLAY NEW WORLD

〈としみつ〉
01.C.A.K.E
02.スーパースター
03.RESTART

〈カイワレハンマー〉
01.雨天決行
02.げぇむのすたるじっく
03.sprout

〈ミノタウロス〉
01.ひいふうみいよ
02.欲しいものは欲しいときに手に入らない
03.路傍の石
En.恋のチンチン電車(w/ BEMA)

「第2公演 : -SPECIAL-」セットリスト

〈夕闇に誘いし漆黒の天使達〉
01.猫サンキュー
02.猫サンキュー

〈財部亮治〉
01.Aim Down Sight
02.月華咲く場所へ

〈としみつ〉
01.RESTART
02.スーパースター(としみつ+北の打ち師達)

〈北の打ち師達〉
01.夢灯籠

〈JENNI〉
01.dandelion
02.G×3
03.Reverse(JENNI+財部亮治+としみつ)

〈はなお〉
01.シャルル(はなお+でんがん)

〈えっちゃん〉
01.イイコ進化論(えっちゃん+O-LuHA)

〈ぁぃぁぃ〉
01.ミュートすればいいじゃん

〈アバンティーズ〉
01.妄想
02.アバみ(アバンティーズ+カイワレハンマー)

〈カイワレハンマー〉
01.メデューサ
02.最高path
03.sprout

〈ミノタウロス〉
01.ひいふうみいよ
02.欲しいものは欲しいときに手に入らない
En.恋のチンチン電車

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