【インタビュー 後編】SUGIZO & 真矢 [LUNA SEA]、刺激的な未体験サウンドを語る「未だ音楽に恋焦がれている小僧ですから」

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LUNA SEAが5月29日、約3年ぶりのシングル「宇宙の詩 ~Higher and Higher~ / 悲壮美」をリリースした。同作はNHK総合テレビで放送中のアニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』の第1弾および第2弾のオープニングテーマとして制作されたもの。サウンド、プレイ、アレンジのすべてにメンバー個々の強烈な持ち味が発揮され、5人の音が重なる瞬間に大きなうねりを上げる、まさにLUNA SEAそのものを描いたような仕上がりだ。

◆SUGIZO & 真矢 画像

先ごろ開催された<LUNA SEA The 30th Anniversary SLAVE限定GIG>では、10thオリジナルアルバムが12月にリリースされること、自身初の外部プロデューサーとして世界的に著名なスティーヴ・リリーホワイトを招いて制作されることが明かされた。スティーヴ・リリーホワイトが日本アーティストの作品を手掛けるのは今回が初となる。この未体験の衝撃サウンドをアルバムより一足先に体感できる作品が、アルバムに先駆けてリリースされた「宇宙の詩 ~Higher and Higher~ / 悲壮美」だ。

インタビュー前編では“30周年”をキーワードに5人の覚悟と結束について語ってもらったが、後編のテーマはダブルAサイドシングル「宇宙の詩 ~Higher and Higher~ / 悲壮美」。『ガンダム』、楽曲制作秘話、スティーヴ・リリーホワイトとの共同作業、そして、5月31日および6月1日に日本武道館2DAYSの規模で開催される<LUNA SEA 30th anniversary LIVE -Story of the ten thousand days->について、じっくりと話を訊いた。

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■LUNA SEAがこの30年間で獲得した
■得意ワザを凝縮したつもり──SUGIZO

──結成30周年の記念日となる5月29日にリリースされたダブルAサイドシングル「宇宙の詩 ~Higher and Higher~ / 悲壮美」は、TVアニメ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』の主題歌であり、『ガンダム』へのロマンとLUNA SEAそのものが合体した曲になっていますよね。

真矢:『ガンダム』はSUGIZOがホント真剣に好きだったからね。

SUGIZO:子供の頃からね。

真矢:昔、LUNA SEAのリズムレコーディングのとき、INORANとSUGIZOは『ガンダム』のビデオを観てたもん。こっちは一生懸命、録ってるのにロビーで楽しんでるの(笑)。

SUGIZO:リズム録りのときって主人公は真矢とJだから、上モノ3人は仮ギターとか仮歌なんだよね。そういえば、昔はドラムとベースのレコーディングでも必ず全員スタジオに集まってたよね。

真矢:そうそう、集まってたね。

SUGIZO:だから暇な時間のほうが長いわけ。そこで『ファーストガンダム』と『Zガンダム』を全部見てた。RYUもINORANも俺も好きだったから。

──そんなに思い入れがある『ガンダム』の音楽に携わるなんて、少年SUGIZOにとって夢のような出来事じゃないですか?

SUGIZO:いや、むしろ想像もしてなかったし、夢にすら見たことなかったよ。

真矢:なるほどね。好きすぎて。

SUGIZO:たとえば、『スター・ウォーズ』の映画音楽をやりたいなんて思わないでしょ? 『スター・ウォーズ』に出演したいなんて思わないじゃない? そんな感じですよね。両方とも俺が子供の頃から好きなものの中心だから、仕事で携わるなんて思ったこともなかったよね。

真矢:そういうことだよな。だから、SUGIZOが音楽プロデューサー(『機動戦士ガンダム40周年プロジェクト』の総合音楽プロデューサー)になって、「オープニングテーマをLUNA SEAでやりたい」って言ってくれたときは、すごく嬉しかったよね。SUGIZOは故郷(=LUNA SEA)を本当に大事にしてくれてるんだな、賭けてるんだなと思った。

SUGIZO:今回、オファーがあったときに“男性ヴォーカルだったらRYUICHIでやりたい”と思ったんだよね。だったらLUNA SEAで出来たらいいなって。でも、“もしかしたら反対するメンバーもいるかも”と思ったので、まずメンバーに相談してOKをもらって、その後、制作会社『サンライズ』さんに提案したら、ありがたいことに「プロデューサーなんですから自由にやってください」って快諾していただけたんです。なので、「エンディングテーマは全て女性アーティストで、男性ヴォーカルは全てLUNA SEAでやりたい」っていう話をさせてもらって。

──そういう流れで決まっていったんですね。『機動戦士ガンダム40周年プロジェクト』のテーマ曲の依頼が、SUGIZOくんにきたことが全ての始まり?

SUGIZO:そうなんです。当時のサンライズ代表取締役社長の宮河さんは、今はバンダイナムコエンターテインメントの社長なんですけど、もともとロック好きの方なんです。子供の頃からピンク・フロイドやレッド・ツェッペリンを聴いていて、社会人になって最初に“ガンプラ (『ガンダム』シリーズのプラモデル)”の仕事に携わられて、2000年代になって『ガンダム』のアニメ制作会社であるサンライズ社長に就任したんです。LUNA SEAのことも、以前から好きでいてくれたらしいのです。

──SUGIZOくんにプロデュースを委ねた時点で、気持ちの中でLUNA SEAとしてもお願いできたらなという想いがあったのかもしれないですよね。

SUGIZO:でも、LUNA SEAより『ガンダム』のほうが圧倒的に有名ですからね。今回、嬉しかったのは社長が直々にオファーしてくれたことなんです。通常、タイアップだと間に広告代理店やメーカーが入って、様々なアーティストが候補に上がってコンペしたりするじゃないですか。そういうことが一切ないっていうのは珍しい。縛りがなく音楽とガンダム作品への情熱とピュアな想いだけで声を掛けていただいたことが、本当に光栄でした。

真矢:しがらみとか何もない状態で、本当にやってほしい人に頼んだんじゃない?

SUGIZO:そうだといいね。最初に話をいただいたのが2018年の夏前だったんだけど、LUNA SEAで主題歌というのが少しずつ具現化していく中、いろいろ考えたんですよ。俺自身が『ガンダム』の超ファンだからこそ、どんな気持ちで多くのファンの人達が聴くのかが手に取るようにわかってしまう。故にプレッシャーも超あったんだけど、俺も10歳からの40年来のファンだから「みんなより、ファン歴長いぜ」っていう自負があった(笑)。好き勝手にカッコいいと思うことをやったら、とことん自分らしいことをやったら、絶対にわかってくれるはずだと信じることにした。

──ファンだからこそ迷いがなかった。

SUGIZO:で、『ガンダム』のような強大な相手に変な小細工してもしょうがないから、最もLUNA SEAらしいと思うもの、各メンバーが得意なパターンやニュアンス、世界観を集結させようと思った。メロディも音色にしてもフレーズにしてもコード感にしても。だから特に「宇宙の詩 ~Higher and Higher~」に関して、俺は新しいことをやったつもりは全くなくて。LUNA SEAがこの30年間で獲得した得意ワザを凝縮したつもりです。

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