【ライブレポート】スティクス、パワフルで美しいアメリカンロックの真髄

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1970年代にプログレハード、1980年代には産業ロックとしても数々のヒット作品をリリースしてきたスティクスは、メンバーチェンジやメンバーの他界、バンドの沈黙期間などを経ながらも、今もなお長きにわたってアメリカのロックシーンで不動の人気を誇るバンドだ。

2017年にリリースされた14年ぶりのニューアルバム『Mission』を引っさげ、<Sweden Rock Festival 2019>のメインステージに登場した現在の彼らを見ることができた。




ニューアルバムからの新曲を筆頭に、デニス・デ・ヤングの後任となるローレンス・ガーワン(Key、Vo)を中心に全盛期のヒットナンバーも続々と披露されていく。彼は歌えるキーボーディストというだけでなく、ステージをところ狭しと動き回り、ステップを踏み軽快に踊り、衣装のお色直しも数回という派手さでオーディエンスを楽しませていた。

それに劣らずのトミー・ショウ(G、Vo)の華やかさは、歳を重ねる事でより魅力的に風格も備わり、自信に溢れたオーラも全開だ。最新アルバムはトミーが中心となって制作されているが、ローレンスの派手さもフィーチュアされた現在のスティクスが存分に反映されている事が、ライブでも確認することができた。





3人のトリプルリードヴォーカルは往年のスティクス・スタイルだが、現在もローレンス、トミー、ジェイムズ・ヤング(G、Vo)がそれぞれが歌い、ポップ、ロック、プログレッシブな展開…と、曲の良さが際立っている。ほどなくオリジナルメンバーのベーシストであるチャック・パノッツォ(B)も登場し、健康上の理由によりフル参加ではないものの現在もメンバーとして帯同している様子を見せてくれた。メインで支えているリッキー・フィリップス(B)も驚くほどの若々しさだ。トッド・ズッカーマン(Dr)はテクニカルでありながらも押し付けがましくない、楽しく音楽を聴かせるプレイを聞かせてくれた。




哀愁ナンバーの名曲「Blue Collar Man(Long Nights)」、アルバム『The Grand Illusion』からの数曲、日本でも大ヒットした「Mr.Robot」、「Too Much Time on My Hands(邦題:時は流れて)」ではサビ部分の手拍子など、欠かせない展開もしっかりと披露され、時は流れても色褪せないパワフルで美しいアメリカンロックの真髄は、パワフル:ジェイムズと、美しさ:トミーという対象的なギターワークにも現れているようだった。

最後の日本公演から既に19年もの年月が経ってしまっているが、いつかこのステージがまた日本でも観られる事を願う。





文・写真:Sweeet Rock / Aki

< STYX ~ Sweden Rock Festival 2019 ~>
2019.6.8 Norje Havsbad , Sweden
1.Gone Gone Gone
2.Blue Collar Man(Long Nights)
3.The Grand Illusion
4.Lady
5.Rockin' the Paradise
6.Radio Silence
7.Miss America
8.Fooling Yourself(The Angry Young Man)
9.Too Much Time on My Hands
10.Bohemian Rhapsody<Queen Cover>
11.Come Sail Away
EC1.Mr.Robot
EC2.Renegade
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