【ライブレポート】BURNOUT SYNDROMESの夢が叶った日

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唯一無二。BURNOUT SYNDROMESのワンマンライブにはこの言葉がよく似合う。映像や寸劇、小道具などによる様々な演出を駆使したライブ本編に加え、各SNSにはライブをさらに楽しむためのヒントが盛りだくさんだからだ。

◆ライブ画像(全14枚)

もちろん彼らはワンマン以外でもその手腕を発揮する。4thシングル「Good Morning World!」(テレビアニメ『Dr.STONE』オープニング曲)のリリースイベントやフェス出演、対バンライブ、史上初のジャンプショップツアーといった場で、「占い」「夏期講習」「魔法のケトル」「エクササイズ」などのテーマを季節ごとに設けてライブを実施。2019年は例年以上に巧妙な仕掛けを放ち、エンターテインメント性をさらに強化してきた。

その集大成が、2019年12月15日の愛知・THE BOTTOM LINEを皮切りにスタートし、2020年2月11日に大阪・なんばHatchでファイナルを迎えた全国ツアー<BURNOUT SYNDROMES 全国ワンマンツアー15th ANNIVERSARY TOUR 2019→2020『Who am I?』>。ここには、2019年12月20日に行なわれた東京・Zepp Tokyo公演を観て感じたことを記したいと思う。

  ◆  ◆  ◆

ツアーが始まる約3ヶ月前、ライブの総監督を務める石川大裕(B&Cho)は「“今までで1番面白いもの”を君にみせたくて僕は。」という一言をTwitterに残した。これは、メジャーデビューのキッカケにもなった音楽の甲子園<閃光ライオット2010>で演奏した「墜落/上昇」の歌詞をもじったもの。結成15周年を祝う<Who am I?ツアー>への想いを込めたそのメッセージに、胸を熱くしていたのは私だけではないだろう。BURNOUT SYNDROMESが1年に2回ワンマンツアーを開催するのは初めてだし、Zepp Tokyoでのワンマンも初めて。夏の『Dr.STONE』とのタイアップだけでなく、『ハイキュー!!』のオープニング曲に3期連続で起用というニュースも飛び込み、祝福ムードが漂うなかでのツアー開幕となった。

今回のワンマンは「メンバーがライブの直前に記憶喪失になる」というストーリー。オープニングからエンドロールまで各所に映像が用いられ、現実とリンクして進行していく。分岐点が設けられ、観客の選択により「未来=セットリスト」が変化するという演出もあった。物語をコントロールするのは仮面をつけて顔を隠した「Mr.Who」なる謎の人物。メンバーを記憶喪失にしたのは彼で、「BURNOUT SYNDROMESとファンとの絆を確かめること」が目的らしい。


「ダーウィンに捧ぐ」で壮大に幕を明けたライブだったが、2曲目の「花一匁」で早速、記憶喪失によって生まれた違和感を見つけた。ブレイクで「お手を拝借」「手はそのまま」などと言うことが多い熊谷和海(G&Vo)が、「手は下げるな!」と叫んだことだ。そのほかにも、ライブでのそれぞれの役割を忘れてしまっているため、普段、総合司会としてMCを担当する石川を差し置いて熊谷が急にしゃべり出すところ、廣瀬拓哉(Dr&Cho)が吠えるように声を出したところも普段とは違ったし、メンバー紹介の際に「あなた(観客)を含めてBURNOUT SYNDROMESです!」と宣言する石川が、「3人でBURNOUT SYNDROMESです!」と言ったところも大きな違和感だった。

セットリストを忘れるというハプニング(演出上)もありつつ、観客の協力によりライブは進行する。久しぶりに演奏された「リフレインはもう鳴らない」、イントロが流れた瞬間にこの日一番の歓声が上がった「Ms.Thunderbolt」(今回のツアーで初披露)、時間をテーマに繋いだ「i am a HERO」から「文學少女」までの見事なメドレーなど11曲を聴かせたあと、物語が動いた。



ロビーに設置されていたメンバーへの「手紙BOX」を石川がステージに運んできたのである。石川が手紙を紹介するために一通取り出すと、そこには宛名の無い封筒が。「メンバー宛てではないので」という理由で、観客に手渡して封を開けさせると、それはMr.Whoから観客へ宛てた手紙だった。

「3人が皆さんのことを完璧に思い出すまであと少しです」

封筒には会場のロッカーの鍵も同封されていて、3人はステージを降りてロビーへ。会場内に残された観客はスクリーンに映る3人の姿を見守った。ロッカーに入っていたのは表紙に『MEMORY』と書かれたアルバム。中身はBURNOUT SYNDROMESの思い出の写真たちだ。ゆっくりと進むスライドショーには、当時の彼らの思いを再現した音声も添えられていた。写真が彼らの記憶のページをめくる。

1枚目の写真は2011年3月3日。<閃光ライオット2010>で準グランプリを獲得してから7ヶ月後、熊谷と石川が18歳、廣瀬が17歳。「俺らさ、いつか売れるかな?」「売れるんちゃう?」

2枚目は2015年9月12日。「今日もお客さん2人とかやったやん」「今月も大赤字やで」「次のリリースで何もなかったら解散しよ」

3枚目は解散も視野に入れていた3ヶ月後の2015年12月2日。「メジャーデビューやって!いきなりこんな逆転ある!?」「しかも『ハイキュー!!』」「まだまだいこう!」

最後の写真は2019年12月14日。<Who am I?ツアー>初日、愛知公演の前日──

ここで石川が言った。「全部思い出した。早く戻ろう、俺たちの大事な人のところに」

記憶を取り戻した3人は、彼らがBURNOUT SYNDROMESであることを証明する「数學少女」が流れるなか再びステージに戻った。石川が叫ぶ。「全部思い出したよ!どうやってあなたに出会ったか、俺たちがなんでこのステージに立ってるんか、全部思い出しました!あのアルバムの続きを、未来を、一緒に作りませんか!?」そうして繰り出されたのは「墜落/上昇」。この曲を作った当時の彼ら、高校生だった彼らは偶然と必然と奇跡が繋がった先に存在することになった、今日という未来を想像していただろうか。

本編ラストの「ヨロコビノウタ」から溢れ出る生命力が燃え上がり、会場を包み込むのが見えたような気がした。「解散」を口にするほどまでに傷ついた若鳥は、2020年に不死鳥へと生まれ変わる。


アンコールでは熊谷が語った。2019年は、自分たちよりうまくいっているように見えていたバンドやグループの解散、脱退が目につき、誰しもが悩みを抱えているという事実に心が少し軽くなった気がした、と弱い部分をさらけ出す。

「僕は、辛いな、うまくいかないな、辞めたいなというときがあるんです。でもそれって別におかしなことじゃないんだなと思ったんです。現状に不満があるっていうのは当たり前で、それが人生なんだなって教えてもらった気がして、ひとりじゃないなって救われた気がしたんです。あなたがもし、今、もしくはこれから先、ずっと続けてた夢や努力を報われないからといって、もう辞めたいと思ったときにはどうか今日のことを思い出してほしいです。みんな、意外と悩みながらやってるんだよって。あなただけじゃないよ。“Who am I?” 自分は一体何者なんだろう、誰なんだろう、なんのために生まれてきたんだろうって悩みながらみんな生きている。だからひとりじゃないよって伝えたいなと思ったんです」

彼らの言葉と音楽は、迷うことをも肯定し共に駆けてくれる。

「すごく変なバンドって僕らよく言われます。ギターが全然しゃべりたがらない。ドラムがSEも出して映像も作って。そしてベースの自己主張が激しい!でもそれが我々3人なんです!そしてそれを良しとする、あなたを含めてBURNOUT SYNDROMESなんです! “Who am I?” その問いにいつだって僕らはそう答えましょう。だから一緒に生きていこう!」


嘘偽りのない真っ直ぐなメッセージが染みた。「Good Morning World!」で「人体(ヒト)の半分は水」という歌詞を「キミの半分は水」に変えて歌ってくれたように、人は何にだってなれる。自分の弱点も愛し、夢を叶えるために進み続ける彼らに唆られた素晴らしいワンマンだった。

次のツアーは8月に開催される東名阪ツアー。きっとまた、最高の楽曲と最高の演出で私たちを迎えてくれるだろう。

BURNOUT SYNDROMESよ、もっともっと高く飛べ。


取材・文◎高橋ひとみ(BARKS)
撮影◎Jumpei Yamada

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5th Single「PHOENIX」



2020年2月12日(水)発売
■初回生産限定盤(CD+DVD)
ESCL 5333-4/¥1,545+tax
[CD]
01. PHOENIX
02. BREAK DANCER
03. ヒカリアレ -Moonlight Version-
04. PHOENIX(Instrumental)
[DVD]
01. PHOENIX -Music Video-
02. PHOENIX -Music Video MAKING-

■通常盤(CD)
ESCL 5335/¥1,091+tax
[CD]
01. PHOENIX
02. BREAK DANCER
03. ヒカリアレ -Moonlight Version-
04. PHOENIX(Instrumental)

■初回生産限定アニメ盤(CD+DVD)
ESCL 5336-8/¥1,636+tax 
[CD]
01. PHOENIX
02. BREAK DANCER
03. ヒカリアレ -Moonlight Version-
04. PHOENIX(Anime Size)
05. PHOENIX(Instrumental)
[DVD]
テレビアニメ『ハイキュー!! TO THE TOP』オープニング映像(Non-Credit)
[付属特典]
テレビアニメ『ハイキュー!! TO THE TOP』描き下ろしイラスト缶バッジ2個
[封入特典]
テレビアニメ『ハイキュー!! TO THE TOP』描き下ろしイラストシールステッカー

※購入特典情報はバンドのオフィシャルサイトを参照

▼ダウンロード&ストリーミング&CDはこちら
https://erj.lnk.to/ZNlzu

<ニューシングル『PHOENIX』東名阪リリース記念イベント>

2020年
2月12日(水)19:00〜
大阪・animate O.N.SQUARE HALL3F
2月15日(土)15:00〜
愛知・タワーレコード名古屋パルコ店 店内イベントスペース
2月16日(日)15:00〜
東京・HMV エソラ池袋 店内イベントスペース

内容:ミニライブ&特典会
※観覧フリー
※特典会への参加方法はバンドのオフィシャルサイトを参照

アニメコンセプトベストアルバム『BURNOUT SYNDROMEZ』

2020年3月25日(水)発売 
■初回生産限定盤(CD+BD+コミック)/ ESCL-5366~5367 / ¥4,200+tax
■通常盤(CD)/ ESCL-5368 / ¥2,500+tax

【通常盤(CD)】
DISC1【CD】 ※収録順未定、12曲収録予定
・FLY HIGH!!  TVアニメ「ハイキュー!!セカンドシーズン」第2クールオープニング・テーマ
・ヒカリアレ 「ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校」オープニングテーマ
・花一匁 TVアニメ「銀魂」銀ノ魂篇エンディングテーマ
・Good Morning World!  TVアニメ「Dr.STONE」第1クールオープニングテーマ
・PHOENIX  TVアニメ「ハイキュー!! TO THE TOP」オープニングテーマ
・ハイスコアガール
・ナミタチヌ 第1・2回全国高校eスポーツ選手権応援ソング
・吾輩は猫である
・数學少女2020 ※Remix(BURNOUT SYNDROMESテーマソング)
・新曲「タイトル未定」(「ハイキュー!!」トリビュートソング)
・新曲「タイトル未定」
<BONUS TRACK>
・FLY HIGH!! -Spring Version-
※制作の都合上、収録内容が変更となる場合もございます。予めご了承ください。

【初回生産限定盤(BD+CD+コミック)】
DISC1【CD】
・通常盤と同内容

DISC2【Blu-ray】
Music Video
1.FLY HIGH!!
2.ヒカリアレ
3.ハイスコアガール
4.花一匁
5.吾輩は猫である
6.ナミタチヌ
7.Good Morning World!
8.PHOENIX

全国ワンマンツアー2019「明星~We have a dream~」@恵比寿LIQUIDROOM 2019.3.23
1.あゝ
2.SPEECH
3.花一匁
4.FLY HIGH!!
5.ヒカリアレ
6.ナミタチヌ
※メンバーによるオーディオコメンタリー付き

付属コミック(全カラー20P予定)

<1500名限定ワンマンツアー「注文の多い料理店‐☆☆☆-」>

2020年
8月21日(金)大阪・UMEDA CLUB QUATTRO
8月27日(木)東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO
8月28日(金)愛知・ell.FITS ALL

<BURNOUT SYNDROMES全国ワンマンツアー2021>

2021年
2月13日(土)愛知・DIAMOND HALL
2月14日(日)大阪・なんばHatch
2月28日(日)東京・EX THEATER ROPPONGI

※FC先行予約
2020年2月11日(火・祝)20:00〜2月18日(火)23:59

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