BAROQUE、神秘を感じさせたツアーファイナル。新規ツアー開催を発表

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BAROQUEがアルバム『PUER ET PUELLA』を掲げ2019年7月よりスタートした全国ツアー<THE BIRTH OF LIBERTY>のファイナル公演を、1月10日に神奈川県・ハーモニーホール座間(大ホール)で行なった。

◆ライブ画像(15枚)

ライブ後、外に出ると夜空には満月が浮かんでいた。リリース前にアルバム『PUER ET PUELLA』収録曲を再現したあの日本橋三井ホールのライブ<VISIONS OF // PEP>後だったら、きっとこの月の光を見上げたとき、心と体がどこまでも透明になっていくような高揚感を抱いていたはず。しかしこの日ツアーファイナルで観たBAROQUEは、この満月を圧倒的な美しさとともに、月の裏側までをえぐりだすような熱量と神秘的な彩りで描き出すバンドに大きく進化していた。


BAROQUEは現在ライブハウス中心にツアーを組んでいるが、本来はホールで観てこそ楽曲の素晴らしさがより際立つバンドだ。この日会場となったハーモニーホール座間の天井にはスカイドームがあり、そこには開演前からオーロラや天の川が次々と映し出しされるという、まさにBAROQUEにぴったりなシチュエーションのなかで、ライブは開幕。ステージ上の演者は全員が黒でトータルコーディネートしている。

オープニング、「RINGING THE LIBERTY」の演奏が始まると、LEDパネルはキリスト生誕を描いたような聖堂のステンドグラスを映し出し、オーディエンス達がこの世に生まれた日を神々しいほどの白いライティングと音で祝福。そして誕生した生命が動き出ていく瞬間を描くように、圭(G)だけではなく怜(Vo)もギターを構え、サポートメンバーであるKENZO(Dr/彩冷える、gremlins)、高松浩史(B/THE NOVEMBERS)、hico(Key&mani)とともにスリリングなセッションを繰り広げ、「FLOWER OF ROMANCE」からは圧倒的なダイナミズムでバンドアンサンブルが立ち上がっていく。


このツアーでさらにパワフルさをましたリズム隊がバンドをしっかりと支えているので、圭のギターはより即興性を増したプレイに変化。「SKY FITS HEAVEN」で圭のギターが闇の扉を切り裂くようにうねりをあげて以降、「ヒトのイロ」「SWALLOW THE NIGHT」「SILENT PICTURE」と展開したパートは、いまのBAROQUEの変貌ぶりが体感できた部分だった。白い静謐さのなかでどこまでも爆発していくスペーシーでヘヴンリーなシューゲイザーなサウンド構築を得意としていたBAROQUEが、本ツアーを通して彼らはそのリミッターを解除。白から狂気や悪魔を感じさせるような赤黒い色彩まで到達する熱量を帯びたノイジーなギター、怖いほどのフィードバック音、怜が放つ情熱的なシャウトなどが入り乱れるなか、神秘的かつダイナミズムな音像を生み出していったのだ。

そのいっぽうで、中盤に差し込まれた「PURIFY」では、繊細かつシネマティックな演奏でこの世のものとは思えない美しさが描かれる。舞台上には紗幕が降り、そことスカイドームに映し出される星空で、安らぎに満ちた気高くも至福の宇宙空間を場内に作ってみせた。けれども人々が生きている現実は美しい場面ばかりではないとばかりに、ここからは再び人が生まれた地上へと帰還。場内の透明な空間をぐにゃりとねじ曲げ、人が生きていれば対面するであろう生と死。そこに直面したときの感情の叫びを「AN ETERNITY」「MEMENTO」で凄まじい気迫溢れる生々しいパフォーマンスで披露していった場面は、BAROQUEがもっとも人間臭い存在に映った場面で、その人間味がオーディエンスの心の深層まで揺さぶっていった。


そうして「YOU」からはBAROQUE特有のポップなメロディーにのせて、各々がもつ苦難があっても生き抜くための大事な宝箱を開いていく。観客たちがライトを掲げジャンプする「PLANETARY LIGHT」、ハンドクラップが響き渡る「DREAMSCAPE」という従来のライブのキラーチューンに、このツアーからはオーディエンスが楽しそうにタオルを回す「STARRY BOY」が加わり、その盛り上がりをさらに引き上げていく。

ミラーボールが放つ光と希望に満ちたメロディで客席を包みこんだあとは鍵盤、リズム隊、ギター、とサウンドが次々と躍動してく「GIRL」へ。怜が願いを込めるようにブーケを客席に届け、ラストはアルバムでも最後を飾った「PERFECT WORLD」。怜、圭、サポートメンバーの声、オーディエンスが鳴らすクラップ音、みんなが音楽で一つになるという美しいクロージングで本編は終了した。


アンコールでは、このホールで学生時代に合唱コンクールをやっていたという圭が先に1人でステージに登場。この日会場に訪れていたその時代の恩師を前に「周りの人と違っていて悩んだ」という10代の頃を回想。そうして、いまは「“自分らしさ”はみんな違ってて、一人ひとりに宇宙がある」ことが分かったと伝え、「自分らしさって難しいけど、何をしていたら一番幸せなのかを理解するのが大事だと思う」と話した。

人の一生を描いたアルバム『PUER ET PUELLA』、どんな苦難があってもそれでも生き続けるための道しるべとなる“宝物”とは、まさにそういうものなのかもしれない。そしてアンコールの最後はこのアルバムの始まりとなる「BIRTH OF VICTORY」「PUER ET PUELLA」。メンバーの姿が見えなくなるほどの強さで場内に放たれた眩しい光は、まるでこれから現実に戻っていくオーディエンスにエールをおくっているようだった。


BAROQUEはこの後、1月28日に2人になってからのBAROQUE3部作の締めくくりとなるニューアルバム『SIN DIVISION』をリリースする。ライブのアンコールでは怜の口から、このアルバムを掲げてのツアーが決定していること、そのツアーのタイトルが<SAINTS OR SINNERS>であることが初めて明かされた。このツアーのチケットのオフィシャル先行販売はすでにスタートしている。

人間のなかにうごめく邪悪な部分、罪や悪魔的、変態的な欲望などにフォーカスし、制作した『SIN DIVISION』の楽曲が加わることで、次のツアーでBAROQUEのライブはまた大きく変貌するに違いない。


なお、2月から4月にかけて行なう東名阪のライブに関してはサポートメンバーとして高松浩史(Ba/THE NOVEMVERS)とKENZOの参加が決定している。

ライブ写真◎KYOKA UEMIZO(TAMARUYA)

<BAROQUE TOUR SAINTS OR SINNERS>

2020年2月27日(木)大阪府・梅田Zeela
2020年3月7日(土)愛知県・名古屋APOLLO BASE
2020年4月9日(木)東京都・TSUTAYA O-EAST
2020年5月4日(月・祝)大阪府・umeda TRAD
2020年5月5日(火・祝)静岡県・浜松窓枠
2020年5月9日(土)宮城県・仙台MACANA
2020年5月10日(日)岩手県・盛岡CLUB CHANGE WAVE
2020年5月17日(日)千葉県・柏PALOOZA
2020年5月23日(土)群馬県・高崎club FLEEZ
2020年5月30日(土)兵庫県・神戸VARIT.
2020年6月6日(土)滋賀県・滋賀U★STONE
2020年6月7日(日)岡山県・岡山IMAGE
2020年6月28日(日)神奈川県・横浜Bronth.LIVE
2020年7月3日(金)石川県・金沢vanvanV4
2020年7月4日(土)長野県・長野 LIVE HOUSE J
2020年7月10日(金)埼玉県・HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3
2020年7月12日(日)京都府・京都MUSE
2020年7月18日(土)愛知県・名古屋ReNY limited
2020年7月19日(日)新潟県・新潟CLUB RIVERST
2020年8月13日(木)東京都・マイナビBLITZ赤坂
to be announced...

Support Members
Bass 高松浩史(THE NOVEMBERS)
Drums KENZO

2月27日 大阪公演〜4月9日 東京公演
・チケット料金
2月27日 大阪、3月7日 名古屋 公演
スタンディング ¥5,400 ※ドリンク別

4月9日 TSUTAYA O-EAST公演
1F スタンディング ¥5,800 ※ドリンク別
2Fバルコニー指定席 ¥6,300 ※ドリンク別

・オフィシャル先行受付(抽選)中
受付期間:1月11日(土)12:00~1月19日(日)21:00
入金期間:1月22日(水)13:00~1月26日(日)21:00
https://eplus.jp/baroque20-hp/

『SIN DIVISION』

2020年1月28日 RELEASE

■一般流通盤(CDのみ)
PGSK-031 ¥3,500+税 ※紙ジャケット スリーブケース仕様

■会場・通販限定盤 
【数量限定】(Blu-spec CD2+CD+USBハイレゾ音源) ※特殊パッケージ仕様
PGSK-032〜33 ¥15,000(税込)
Manufactured & Distributed by FWD Inc.

[収録曲]
会場・通販限定盤/一般流通盤  共通
・DISC 1
I. RITUAL
II. END VISION
III. SIN QUALIA
IV. REDME
V. FALLEN VENUS
VI. SUCCUBUS
VII. SABBAT
VIII. GLOOMY LILITH
IX. FROZEN ABYSS
X. COCYTUS
XI. I LUCIFER
XII. INFERNO

会場・通販限定盤のみ収録
[DISC 2 : CD]
1: BIRTH OF VICTORY
2: PUER ET PUELLA
3: HITO NO IRO
4: AN ETERNITY
5: GIRL
6: YOU
7: RINGING THE LIBERTY
*Live Take at 代官山UNIT on July 31, 2019
8: PURIFY
9: LAST SCENE [Acoustic Ver.]
*Live Take at 日本橋三井ホール on April 30, 2019

【封入特典】
1. USBメモリ (『SIN DIVISION』ハイレゾ音源収録)
2. スペシャルパッケージ
3. インタビューを掲載した大判デザインブックレット

会場・通販限定盤は、BAROQUE 物販ブースまたは BAROQUE 通販サイト(http://www.galaxybroadshop.com/artist/baroque/)でご購入いただけます。

◆BAROQUE オフィシャルサイト
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