Perfume、ファンとの夢を未来へつないだ東京ドーム公演

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撮影◎Yosuke KAMIYAMA

Perfumeが2月に開催した全国ドームツアー<Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome>から、東京公演の模様が本日3月29日(日)にWOWOWで放送される。

◆Perfume画像

<Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome>は、結成20年、そしてメジャーデビュー15周年の節目の年に、ベストアルバム『Perfume The Best “P Cubed”』を引っさげて東京、名古屋、大阪、福岡を回り開催された自身初の全国4大ドームツアーだ。WOWOWでは同ツアーより、2月25日(火)の東京ドーム公演の模様がオンエアされる。以下、放送を前に到着した当日のオフィシャルレポートをお届けする。

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Perfume結成20周年、メジャーデビュー15周年。

これを記念して行われた4年ぶりのドームツアー。そのファイナルとなった2月25日は、約8年ぶりとなる東京ドーム。これは3人の記念日としてだけではなく、Perfumeとファンのひとりひとりが歩んできた、いくつもの大切な記憶を思い出す、素晴らしいライブだった。

開演前。ステージ後方のスクリーンには1から54までの数字、そして曲名が映し出されていた。昨年9月にリリースされたベストアルバム『P Cubed』に収録された楽曲の数とタイトルだ。このツアーは、その収録曲からファン投票が行われ、ドーム公演で聴きたい曲を募り、その集計の上位を中心にセットリストが組まれている。またステージの下手には1から11、上手には12から21、どこか見た記憶が残る数字のオブジェが並んでいた。これは10年前、最初の東京ドームのライブタイトルにちなんだもの。下手が当時のタイトルで、結成10周年、そして11年目がスタートすることを意味しており、そして上手は20周年となる今年までと、21年目のスタートを表している。始まる前から、そういうひとつひとつの演出がされている。


撮影◎Yosuke KAMIYAMA


撮影◎Yasuyuki KIMURA

ライブの1曲目からそうだった。オープニング、中田ヤスタカによる過去のシングル曲をミックスした「Opera」に続いて、スクリーンに映し出された映像は、重い扉を開け、3人がゆっくりと光に向かって歩みを進めるもの。ヒールの音と緊張を感じさせる呼吸。そして逆光の中、ステージに登場したシルエットの3人は、着ていたマントを後ろに投げ捨てる。そして始まった「GAME」。ファンは気づいた。これが12年前、2008年のファーストツアーのオープニングとまったく同じであることに。

「こんばんは、Perfumeです! 会いに来てくれてありがとう!」

続く「Spending all my time」前の、あ〜ちゃんによる短い挨拶。この言葉には、この日を迎えられた喜び、そして自分たちを信じて来場してくれた人たちへの感謝。いろんな思いがこめられていた。そして「Dream Fighter」へ。12年前、初の日本武道館公演という夢を叶える3人に贈られたこの曲だが、その歌詞のように、終わりのない旅は続いている。この事実に胸がいっぱいになる。

「最高の時間にしたいんですけど、みんなはどうですか?」あ〜ちゃんのMCに対する会場の大きな反応に、すでに3人とも感極まっている様子が窺える。メンバーが会場にいるPerfumeのコスプレを探す姿も、どこか昔を思い出す。ライブはそんな記憶をさらに呼び起こしていく。恒例の会場グループ分けは、〈あ〉〈べ〉〈さん〉。インディーズの頃からずっと一緒にやってるスタッフの名前。

「みんなのいろんな思いや思い出をみせあいっこして、いろんな感情になりながら、楽しんで帰りたいなと思ってます」とあ〜ちゃんが言っていたように、それぞれの思い出が心に浮かぶ、そんな楽曲と演出が続く。「だいじょばない」は、昨年の<Coachella 2019>で見せた、ライゾマティクスによるリアルタイム演出を再現し、新曲の「ナナナナナイロ」に続く「SEVENTH HEAVEN」のイントロのピアノアレンジは、2008年のSHIBUYA-AXで行われたライブのオープニングを再現していた。気づいたファンはもちろん、それをわからないファンにもその思いはちゃんと伝わっていた。

そしてメドレーで披露された9曲。こういう形になることで、余計に思い出がフラッシュバックしてくる印象。まさか「チョコレイト・ディスコ」がこのメドレーに組み込まれるとは予想もしなかったが、曲のつなぎが素晴らしい。スクリーンにはミュージックビデオが映し出され、ひとりひとりの記憶をさらに呼び起こしていく。またこの10分以上のメドレーをやりきる3人のパフォーマンス力にも改めて驚かされる。


撮影◎AZUSA TAKADA


撮影◎Aki Ishii

3人が姿を消したステージに、中田ヤスタカによる「Chrome」が流れる。3つのキューブ形のスクリーンに、3人のポリゴンが投影される中、それぞれのハイトーンな声が聴こえ、メンバーがキューブ型のステージに現れた。カウントダウンに続いて始まったのは「edge」。上手、中央、下手、それぞれのキューブに乗って、客席を移動していく。アリーナ中央でそれが再び合体し、ステージとなった。モニターに向かって指で⊿を描くパフォーマンスも思い出深い。

そのキューブに乗ったアリーナ中央で、スクリーンにはこれまでのライブツアーのデータが機会的に読み上げられ、スクリーンにはビジュアル化されたデータと3人のポリゴンで作られた映像が映し出される。これは<Reframe>で見せた「Visualization」の再現だ。それが最新曲となる「再生」に繋がり、Perfumeの今、そしてこれからを感じさせる。

続いてそんなテクノロジーとは間逆な『「P.T.A.」のコーナー』へ。中央のキューブが再びアリーナを動き出し、客席とやりとりする間に、3人はスタンド席の近くまでやってくる。「はみがきのうた」そしてNHKの『できるかな』の振りと歌を指導。これが本当に難しい。そしてあ〜ちゃんの教えはとても厳しい(笑)。

そして後半、「Party Maker」で会場を興奮の渦に。ここで特筆すべきは「ポリリズム」の演出。Perfumeがブレイクするきっかけとなったこの曲で、スクリーンには様々なライブやフェス、テレビ番組でこの曲を唄う映像が映し出され、さらにサビでは大きく花火が上がった。これは最初の東京ドームでの演出のオマージュ。あの日の感動を思い出し、胸がいっぱいになる。3人とファンが築いてきたその絆を感じると共に、20年という長い時間をひもといて、3人がPerfumeを続けてきたことに間違いはなかったんだと、このライブが証明していた。


撮影◎Yuki Kawamoto


撮影◎Yuki Kawamoto


撮影◎Yuki Kawamoto

続く「Challenger」がこれからもこの挑戦が続いていくことを証明していた。そしてラストの「MY COLOR」が、ずっと変わらず、僕たちに会いに来てくれることを、そしてPerfumeはPerfumeであり続けることを唄っていた。こうやってみんなから求められることで、そしてその期待に応えようとすることで、Perfumeはその夢を叶えてきた。そしてこれからも求められる限り、その夢はずっと続いていく。そしてお互いにとって、Perfumeが人生になる。ファンの投票でセットリストを決めたのも、そういう思いから来ているのだろう。そんなことを改めて感じた20周年、そして21年目の未来の始まりに相応しいライブだった。

「信じてもいい?」

「MY COLOR」が始まる前、あ〜ちゃんがつぶやいた。Perfumeと僕たちが、そうやってお互いを信じてきた、その思いが確かなものとなったのが、この日のライブだった。

Perfumeと僕たちの夢は永遠だ。


撮影◎Yosuke KAMIYAMA

文◎金光裕史

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■<Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome>2020年2月25日@東京・東京ドーム セットリスト

1. Opera
2. GAME
3. Spending all my time
4. Dream Fighter
5. レーザービーム
6. Hurly Burly
7. だいじょばない
8. ナナナナナイロ
9. SEVENTH HEAVEN
10. P Cubed Medley
(チョコレイト・ディスコ〜Baby cruising Love〜ねぇ〜コンピューターシティ〜Spring of Life〜Sweet Refrain〜NIGHT FLIGHT〜未来のミュージアム〜STAR TRAIN)
11. Chrome
12. edge
13. Visualization
14. 再生
15. Party Maker
16. パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
17. TOKYO GIRL
18. ポリリズム
19. Challenger
20. MY COLOR

■番組情報

『Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome』
2020年3月29日(日)夜8:00 [WOWOWプライム]
収録日:2020年2月25日
収録場所:東京・東京ドーム
番組特設サイト: https://www.wowow.co.jp/perfume/

■Best Album『Perfume The Best "P Cubed"』

2019年9月18日(水)発売
通常盤(3CD):UPCP-1005/7 ¥3,241+税
収録内容:
[DISC1]
1:Challenger
2:リニアモーターガール
3:コンピューターシティ
4:エレクトロ・ワールド
5:パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
6:チョコレイト・ディスコ
7:ポリリズム
8:SEVENTH HEAVEN
9:Baby cruising Love
10:マカロニ
11:GAME
12:シークレットシークレット
13:love the world
14:edge (⊿-mix)
15:Dream Fighter
16:ワンルーム・ディスコ

[DISC2]
1:NIGHT FLIGHT
2:I still love U
3:不自然なガール
4:ナチュラルに恋して
5:VOICE
6:ねぇ
7:FAKE IT
8:レーザービーム
9:微かなカオリ
10:スパイス
11:MY COLOR
12:Spring of Life
13:Spending all my time
14:Hurly Burly
15:未来のミュージアム
16:だいじょばない
17:Magic of Love (Album-mix)
18:1mm

[DISC3]
1:Party Maker
2:Sweet Refrain
3:Cling Cling
4:Hold Your Hand
5:DISPLAY
6:Relax In The City
7:Pick Me Up
8:STAR TRAIN
9:STORY
10:FLASH
11:TOKYO GIRL
12:If you wanna
13:Everyday
14:無限未来
15:FUSION
16:Future Pop
17:Let Me Know
18:ナナナナナイロ

■Digital Single「再生」

2019年11月29日(金)配信開始
https://umj.lnk.to/zapAI

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