【ライブレポート】defspiral、10周年2マンライブ企画第2弾。lynch.との絶頂

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2020年2月17日、東京・TSUTAYA O-WESTで<defspiral presents CARNAVAL to 10th ANNIV. 2MAN LIVE SERIES 「The STARS」>の第2弾、lynch.とdefspiralのツーマンライヴが行われた。

◆ライブ画像(11枚)

名実共にヴィジュアル・シーンのトップ・グループに属す2バンドの夢の共演であったことは一目瞭然だった。チケットが秒で完売という事実による裏付け、ひとたび会場へ足を踏み入れてみれば、TSUTAYA O-WESTはパンパン。このご時世、こんな光景そうそう見ない。今回に限らず、この組み合わせの2マンが注目されるのは音楽性、パフォーマンス、演奏力……いろんな部分での相性の良さがある。さらに今回は特別、現体制のdefspiralがlynch.と同じステージに立つ最後のチャンスとなれば、運よくチケットを手に入れられたファンの期待も熱量も尋常ではなかった。


思い起こせば、これまでに幾度も同じステージに両バンドは立ってきた。“対バンド”ということ以外にも、defspiralのMASAKI(Dr)がライヴ活動できなかった時期にlynch.の晁直(Dr)がドラムを叩いたこともある。逆にdefspiralのRYO(B)がlynch.でサポートを務めた時期も。お互いが苦境に立たされた時すっと手を差し伸べ合ってきた、そんな戦友ともいえる間柄なのだ。そういった胸熱エピソードを度外視しても、演奏力とパフォーマンス、特にバンドの顔ともいえるヴォーカルは“天は二物を与えず”という諺の意味に反して、美声、音感、端麗な容姿の持ち主同士。おまけに大人の色気が凄い、というのは男女問わず思うところ。ゆえに、ヴォーカリストの色気対決にもなるのでは?と内心ニヤニヤしていたところもある。


まず先手を打つのはlynch.。初っ端に「pulse_」を演奏したことでもわかるように、彼らはフリークス(=defspiralファンの呼称)を本気で寝取りに来たといっていいだろう。雄々しく攻撃的な演奏とパォーマンス、シャウト、デスヴォイス、ド卑猥な歌詞でオーディエンスをズンズン突きまくり、どんどん夢中にさせていく。早くも1曲目にして紳士淑女も理性を失い本能のままに叫び始め、「I’m sick b’cuz luv u.」「THE FATAL HOUR HAS COME」「-273.15℃」と続けた前半戦、激しいサウンドに折り込まれたメロウな旋律、葉月(Vo)の甘美な唄声がさらに感情を揺さぶる。


「今日はdefspiralのファンを奪いに、寝取りに来ました。そうじゃないと意味ないでしょ? 普段、TAKAさんに抱かれている皆さんを、この若輩者、若僧が抱きにかかるんですけど、果たして抱かせてもらえるのでしょうか?」と、男の色気ムンムンな言葉で攻める葉月。だが、ギラついたMCの後に、新衣装の革の単パン(ニーハイブーツがガーターベルトで吊られている仕様)の絶対領域の部分(=太もも)に私服のパンツのジッパーの跡がついているオマヌケ話を自ら暴露し、「その跡を見たけりゃかかってこいや!」と挑発したり。男の欲望剥き出しな話に、お茶目エッセンスを一滴垂らすという小狡さに脱帽。


中盤戦、「MIRRORS」「JUDGEMENT」「MAZE」「THE WHIRL」など聴かせる曲も盛り込んだ甘めな展開で、観客を酔わせていく。しかし甘めな展開はそこまで。「大人しく唄を聴きに来たんでしょうか? 頭おかしいんじゃねぇか?ってくらい暴れに来たんですよね?」と葉月が煽り、「GALLOWS」から怒濤の後半戦へと流れ込む。「GREED」をはじめとする激しい楽曲で観客も絶頂寸前、ラスト2つ前のメンバー紹介であえて明徳(B)をスルーして焦点を明徳に集めたところで、ベース始まりの「INVADER」「OBVIOUS」、本編ラストの「ADORE」で完全燃焼。果てる。


フェロモンをまき散らされた会場に迎え撃つのは主催者・defspiral。初っ端の「AURORA」で葉月とはまた異なる大人の色気を振りまく。テンポを上げて「PULSE」を演奏、TAKA(Vo)の軽い挨拶の後は「MASQUERQDE」「STARDUST」「LABYRINTH」「HYSTERIA」と最もdefspiralらしい楽曲が並び、剥き出しの欲望を唄、演奏、ステージパフォーマンスに乗せて観客を巻き込んでいく。TAKAと葉月、2人の実力派ヴォーカリストをこうしてツーマンライヴで間を置かず観てみると、それぞれの個性が手に取るようにわかって、これがまた面白い。


中盤、「COLD SLEEP」を叙情的に唄い上げた後のMCで、今回lynch.が出演したことへの感謝の言葉を伝えた後、「lynch.に抱かれて気持ちよかったかい? 1度や2度の浮気なら許そう!」と、葉月のMCを受けてTAKAが嫉妬心をチラリ覗かせる一幕も。そして、RYOがlynch.のサポートをしていた時期に48曲覚えていたことを話した流れで、defspiralの解釈で披露されるlynch.の「GREED」のカヴァーへ。TAKAのド卑猥なエロティックな唄に、lynch.ファンもフリークスも狂喜乱舞したのは言うまでもない。


再び「SILVER ARROW」からdefspiralの世界へと引き戻し、ラストはゆったりとした「HALO」で大きな世界観へと導き、見えないけれど確かに肌で感じられる大きく柔らかな音と光の輪が会場を優しく包み込んだ。


同じシーン、いろいろな場面で共演し、それぞれの局面ではお互い手を差し伸べ合い、バンドの歴史を紡いできた2つのバンド、lynch.とdefspiral。「生きていれば、また一緒にできる。次はもっと大きな会場でやろう」とライヴ中に語った葉月の言葉は、lynch.ファンへ向けてというより、まもなくMASAKIが脱退することを惜しむdefspiralファンへ向けてのものだった気がしてならない。


2つのバンドの歴史が交叉する素晴らしき、このツーマンライヴ。時間はそう長くはなかったが、濃密な時間を共有し、lynch.、defspiralが惜しみなく放出する熱いエネルギーを全身で受け止めたオーディエンスは十分すぎるほどの満足感を得られたに違いない。言ってみれば、ひと晩で2度も絶頂を味わえたわけだから。
 
この<defspiral presents CARNAVAL to 10th ANNIV. 2MAN LIVE SERIES 「The STARS」>、THE MICRO HEAD 4N'S、D'ERLANGER、メリーとの対バンの模様も、追ってお伝えしていく。

文◎増渕公子[333music]

<defspiral CARNAVAL to 10th ANNIV. ONEMAN TOUR 2020 『DEAR FREAKS』>

2020年4月5日(日)渋谷REX
2020年4月11日(土)西川口Hearts
2020年4月12日(日)柏ThumbUp
2020年4月23日(木)姫路Beta
2020年4月24日(金)姫路Beta(MASAKI BD Special! )
2020年4月26日(日)大阪RUIDO
2020年4月27日(月)名古屋ell.FITS ALL
2020年5月04日(月・祝)静岡Sunash
2020年5月09日(土)仙台space Zero
2020年5月15日(金)新横浜 NEW SIDE BEACH!!

FINAL
10th ANNIVERSARY LIVE 『DEAREST FREAKS』
2020年5月26日(火)渋谷TSUTAYA O-WEST

チケット料金:
前売 ¥5,000(税込/D別)
※渋谷TSUTAYA O-WESTのみ ¥5,500(税込/D別)
※3歳以上チケット必要

チケット一般発売日
2020年3月14日(土)
お問い合わせ:サイレン・エンタープライズ TEL: 03-3447-8822

<ZEPPET STORE, shame, defspiral presents「3.2.1」【振替公演】>

出演:ZEPPET STORE, shame, defspiral
会場:下北沢GARDEN
公演日:2020年5月18日(月)
開場:18:30 開演:19:00
チケット料金:前売 5500円(税込1D別)当日6000円(税込1D別)
チケット一般発売日3月14日(土)10:00~

※3/8公演のチケットは整理番号含めそのまま有効です。
なくさずににそのままお持ちくださいますようお願いいたします。
・イープラス001-P0030001:https://eplus.jp/sf/detail/3256400001-P0030001
・ローソンチケット(Lコード:71629)
・ぴあ(Pコード:181-692)
(問)下北沢GARDEN

lynch.ツアー情報<[XV]act:5 TOUR’20 -ULTIMA->

2020年4月18日(土) 岐阜club-G
2020年4月19日(日)静岡SOUND SHOWER ark
2020年4月25日(土)熊本B.9 V1
2020年4月26日(日) 鹿児島CAPARVO HALL
2020年4月29日(水)福岡DRUM LOGOS
2020年5月8日(金)高崎club FLEEZ
2020年5月10日(日)KT Zepp Yokohama
2020年5月14日(木) 仙台RENSA
2020年5月16日(土)青森Quarter
2020年5月17日(日)秋田Club SWINDLE
2020年5月23日(土)山口RISING HALL
2020年5月24日(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2020年5月30日(土)和歌山SHELTER
2020年5月31日(日)奈良EVANS CASTLE HALL
2020年6月6日(土)新潟LOTS
2020年6月7日(日)富山MAIRO
2020年6月13日(土)帯広MEGA STONE
2020年6月14日(日)北見 オニオンホール
2020年6月16日(火)札幌PENNY LANE24
2020年6月27日(土)高松 オリーブホール
2020年6月28日(日)松山WStudioRED
2020年7月4日(土)沖縄 桜坂セントラル
2020年7月5日(日)沖縄 桜坂セントラル
2020年7月12日(日)Zepp Nagoya
2020年7月18日(土)なんばHatch
2020年7月26日(日)TACHIKAWA STAGE GARDEN

lynch.ニューアルバム『ULTIMA』

2020年3月18日 Release

■数量限定豪華盤
¥9,000
KICS-93904
[CD]
・DISC1:新曲全12曲収録
ULTIMA
XERO
BARRIER
EROS
ALLERGIE
IDOL
ZINNIA
IN THIS ERA
RUDENESS
MACHINE
ASTER
EUREKA
・DISC2:Disc1のインストバージョンを収録
[Blu-ray]
・XERO MUSIC VIDEO
・XERO MUSIC VIDEO MAKING
・[XV]act:1-XV BIRTHDAY-SHADOWS ONLY 19.12.27 NAGOYA CLUB QUATTRO
1.ADORE
2.59.
3.dizzy
4.vernie
5.CRYSTALIZE
6.an illusion
7.SORROW
8.quarter life
9.GALLOWS
10.EVIDENCE
11.INVADER
12.A GLEAM IN EYE

■初回限定盤
¥3,500
KICS-93906
[CD]数量限定豪華盤DISC1と同内容
[DVD]
・XERO MUSIC VIDEO
・XERO MUSIC VIDEO MAKING

■通常盤
¥3,000
KICS-3904
[CD]数量限定豪華盤DISC1と同内容

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