【ライブレポート】defspiral、10周年2マンライブ企画第4弾。D’ERLANGERと叶えた夢

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<defspiral presents CARNAVAL to 10th ANNIV. 2MAN LIVE SERIES 「The STARS」>第4弾で手合わせ願うは、defspiralメンバーが敬愛するD'ERLANGER。

とりわけMASAKI(Dr)の思い入れは強く、共演を直談判したとか。その願いが叶い、文字通り先輩バンドの胸を借りてのツーマンライヴが2020年2月25日、新宿BLAZEにて行われた。

◆ライブ画像(12枚)

結成から30年以上経っても今もなお色香を漂わせるバンド・D’ERLANGERに憧れ、バンドを始めたミュージシャンは数知れない。defspiralの面々もそうであり、今年5月26日、結成10周年の節目のライヴをもって脱退が発表されているMASAKIのD’ERLANGER愛はひときわ強いと聞く。これまで前身バンドのthe UNDERNEATH時代に2回、defspiral名義で1回、D’ERLANGER主催イベントに出演したことはあったものの、ツーマンのガチンコでとなると実は今回が初。正にD’ERLANGERフリークだったMASAKIの、キッズ時代の夢が叶う夜になる。


暗いステージが明るくなり現れ定位置に付き、2019年にリリースした最新アルバム『roneve』収録の「SEX」から演奏がスタート。最新のD’ERLANGERの音楽、30年以上のキャリアがあるにもかかわらず、丸くなることのない刺々しさ。それと共に、kyo(Vo)やCIPHER(G)らから放たれる色香に男女問わず心を奪われる。その佇まいには貫禄もあり、それでいてどこか少年ぽく。


そして2017年リリースのアルバム『J'aime La Vie』より「Harlem Queen Complex」「Harlem Queen Romance」と作品の流れに沿って披露し、音が止まれば女性ファンからの黄色い声援、男性ファンからの野太いメンバーを呼ぶ声が飛び交う。男女問わず人を惑わす妖艶なバンドだ、と再確認するには十分すぎる。

「Hey,Tokyo! D’ERLANGERだ!! defspiralがこのステージに呼んでくれました。「STARS」ってタイトルのイベントなんだね。STARS……自分で言うとちょっと照れるな。外は天気悪いみたいですけど、2つの輝かしいSTARSをたっぷりと感じてください」と後輩バンド・defspiralにも敬意を払いつつ、ロックアーティスト然としたブレないkyo節でファンへ挨拶。中盤戦でも、やはり「夜光虫」「die fast and Quiet... 」「Song 5.」と新しめの曲で今のD’ERLANGERの魅力をたっぷりと。


「平日なのに、結構いるじゃない? 人数分の声、貰ってもいいですか? あっ……Tetsuがいない……。defspiralに初めてD’ERLANGERのイベントに出てもらった時はまだヒゲ(=TAL。※後にTAKAのMCで明かされる)がいてthe UNDERNEATHで。それからヒゲが抜けてdefspiralになって、また(D’ERLANGER主催イベントの)新木場コーストで一緒にやったりしました。この次のツアーでMASAKIがやめてしまうというニュースを耳にしましたけど。せっかくだから叩いてもらおうかと。defspiral、MASAKI!」


kyoの呼び込みで登場したMASAKIは緊張でガッチガチ、ニコニコ顔も若干引きつっている。その表情をみる限り、D'ERLANGERの前ではロックアーティストというより一ロックキッズという表現が妥当かもしれない(笑)。

「自分たちの出番よりも先に出てきてくれました。リハの時にdefspiralのメンバーがスマホで動画を録っているんだよ。スゲー愛を感じました。いくぜ!」と優しくkyoがフォローし導いた「LULLABY」。kyo、CIPHER、SEELA(B)と一緒に演奏するのを手に汗握りながら温かく見守り、音楽も楽しむ会場のお客さんたち。そして演奏後、ステージ前面へ出てきたMASAKIはkyo、SEELAにハグをして、最後、CIPHERにも……と後ろから近づくと振り返り様に口に含んだ水を顔を目がけてピューとかけられる一幕も。最上級の愛情表現だと受け止めているのだろう、MASAKIはクチャクチャの笑顔でステージを後にした。


「これから自分の本番なのに出しきっちゃった感があるね(笑)。なかなか僕たちだけのライヴではこうならない雰囲気になってます」と、kyo。Tetsu(Dr)の粋な計らいでスーパーセッションが実現し盛り上った客席。再びTetsuがステージに戻り「バライロノセカイ-Le monde de la rose-」「CRAZY4YOU」を送り、最後まで華やかに鮮やかにステージを展開。懐の深さも含めて惚れ直したファンも多かっただろう。


大先輩からバトンを渡されたdefspiralのステージは「Arcoromancer」から。この一連のツーマンツアーは初っ端からテンションが高いという印象だが、今夜はとりわけ力が漲っている感が半端ない。先輩がお膳立てしてくれた、この空間でさらなる高みを……という想いが強いせいなのか、初っ端からステージアクションもTAKA(Vo)の唄のフェイクも、いつもに増して激しい。またMASATO(G)も「PULSE」の“破裂しそう お前に”の歌詞に被ってくるワーミー・ギターを音源よりも多く長く入れていたり。感情の高ぶりが、ここまで音に現れるものなのかと正直驚く。

「いや…これは夢なのか……。ホントに素晴らしい兄貴たちのおかげで最高の夜になろうとしてます。最高の夜にしたいんだ! 騒いじゃってください! 一緒に踊りましょう」とTAKAが今の気持ちを短いMCに込め、タイトルコールからダンサブルな「MASQUERADE」の演奏へ。いつもはMASATOがカッティングで攻めるギターソロも今夜はアドリブで、よりエモーショナルなフレーズに。そしてMASAKIにスポットライトが当たって、いつもより1、2フレーズ多めのドラム回しから、このツーマンシリーズでは初めて演奏される「PARADISE」へ。続いて「STARDUST」「COLD SLEEP」は柔らかな声でしっとりと。


「お集まりいただきありがとうございます、ようこそ! kyoさんからも色々とお話して頂いたんですけど、10周年に向けての今回のイベントで大好きなアーティスト、バンド、先輩方とライヴやりたいと思いまして。その中でMASAKIが5月をもって脱退ということもあるんですが、そのMASAKIのたっての願いでD’ERLANGERに声を掛けさせていただいたんですけど。願いが叶って今日は本当に嬉しいです」そしてドラムセットを振り返り、「さっきなんかやっちゃってましたね、超サプライズでしたけど、どうでした?。」と問いかけるTAKA。

MASAKIは「もー、1週間寝られんかったからね。ちょうど1週間前くらいのO-WESTの時にピロン、とメールが来まして。“叩かない?”と。え、どのタイミングで叩くのかわからなくて、すぐに電話しまして。そしたら“いやいやいや、ウチのバンドで”と言われてマジッすかー!って。もう本当に感激して泣いたらどうしようかな、と思ってましたけど、先輩方が全部受け止めてくれて、本当にありがたかったです」と。


「それは僕らメンバーも一緒で、MASAKIのカウントで曲が始まった瞬間、胸が熱くなりました。この話をするのは初めてですけど、今、僕ら4人、defspiralとしてステージに立たせてもらってますけど、以前は5人でやっておりまして。そう、ヒゲの話です(笑)。ヒゲって言った瞬間、みんなの顔がハテナ?ってなってましたけど、ヒゲはギタリスト(のTAL)のことなんですけどね。いつも、D'ERLANGER兄さんが“おい、ヒゲ”って言っていて……」

という前置きから、TRANSTIC NERVE、the UNDERNEATHを共に駆け抜けたTALのささやかな送別会の情報を耳にしたkyoが駆けつけてくれたこと、そして餞別として愛用のジッポのライターをTALにプレゼントしたことなど、これまでに語られなかったエピソードをTAKAが明かす。そして「心から尊敬する兄さん方と一緒に出来て本当に幸せです。そんな僕らがキッズの頃から聴いている曲をやりたいな、と。たくさんの時を超えて今があるなと感じております」とMCをまとめて、D’ERLANGERの「MOON AND THE MEMORIES」をカヴァーへ。


その彼ら流に解釈した演奏は、どれだけ自分たちがD'ERLANGERを大好きだったのか、どれだけ憧れの存在なのかが伺い知れるような愛に満ち溢れたものであったことをここに記しておこう。そうして夢のような時間はあっという間に過ぎていき、最後は「SILVER ARROW」で、これから目指すべきdefspiralの未来へと自ら矢を放った。

少年の頃に憧れたD'ERLANGERとお近づきになれたこと、一度に限らず二度三度とイベントに寄せてもらえたこと、そしてMASAKIのたっての願いでツーマンライヴができたこと。強く想い、腐らず努力し自分たちが力をつければ、そのチャンスはめぐってくることもある。それを立証するかのように、D'ERLANGERの力添えもあり、夢が現実のものとなる瞬間を今夜、私たちに見せてくれたdefspiral。彼らの誇らしげな雄姿は、我々に希望を与えてくれた気がする。であるなら、この素晴らしい一時の胸の高まり、感動、この光景を脳裏にしっかと焼き付けておかねば。

文◎増渕公子[333music] 

<defspiral CARNAVAL to 10th ANNIV. ONEMAN TOUR 2020 『DEAR FREAKS』>

2020年4月5日(日)渋谷REX
2020年4月11日(土)西川口Hearts
2020年4月12日(日)柏ThumbUp
2020年4月23日(木)姫路Beta
2020年4月24日(金)姫路Beta(MASAKI BD Special! )
2020年4月26日(日)大阪RUIDO
2020年4月27日(月)名古屋ell.FITS ALL
2020年5月04日(月・祝)静岡Sunash
2020年5月09日(土)仙台space Zero
2020年5月15日(金)新横浜 NEW SIDE BEACH!!

FINAL
10th ANNIVERSARY LIVE 『DEAREST FREAKS』
2020年5月26日(火)渋谷TSUTAYA O-WEST

チケット料金:
前売 ¥5,000(税込/D別)
※渋谷TSUTAYA O-WESTのみ ¥5,500(税込/D別)
※3歳以上チケット必要

チケット一般発売日
2020年3月14日(土)
お問い合わせ:サイレン・エンタープライズ TEL: 03-3447-8822

defspiral <ZEPPET STORE, shame, defspiral presents「3.2.1」【振替公演】>

出演:ZEPPET STORE, shame, defspiral
会場:下北沢GARDEN
公演日:2020年5月18日(月)
開場:18:30 開演:19:00
チケット料金:前売 5500円(税込1D別)当日6000円(税込1D別)
チケット一般発売日3月14日(土)10:00~

※3/8公演のチケットは整理番号含めそのまま有効です。
なくさずににそのままお持ちくださいますようお願いいたします。
・イープラス001-P0030001:https://eplus.jp/sf/detail/3256400001-P0030001
・ローソンチケット(Lコード:71629)
・ぴあ(Pコード:181-692)
(問)下北沢GARDEN

D’ERLANGER 春ツアー<D’ERLANGER TOUR AGITO 2020>

2020年4月25日(土)金沢EIGHT HALL
2020年4月26日(日)金沢EIGHT HALL
2020年2020年2020年5月9日(土) 岡山YEBISU YA PRO
2020年5月10日(日)岡山YEBISU YA PRO
2020年5月16日(土)仙台darwin
2020年5月17日(日)仙台darwin
2020年5月23日(土)長野CLUB JUNK BOX
2020年5月24日(日)長野CLUB JUNK BOX
2020年5月30日(土)札幌cube garden
2020年5月31日(日)札幌cube garden
2020年6月6日(土) 福岡DRUM Be-1
2020年6月7日(日) 福岡DRUM Be-1
2020年6月20日(土)名古屋ReNY limited
2020年6月21日(日)名古屋ReNY limited
2020年7月11日(土)梅田クラブクアトロ
2020年7月12日(日)梅田クラブクアトロ
2020年7月19日(日)マイナビBLITZ赤坂

席種・チケット料金:
オールスタンディング ¥6,000(税込・ドリンク代別途)
※札幌・名古屋・梅田・赤坂公演のみ「プレミアムシート」有
¥10,000(税込・ドリンク代別途)・プレミアムグッズ付き(KIDS BLUE先行のみ)

一般発売
2020年3月28日(土) ~
※未就学児童入場不可/小学生は要保護者同伴・有料

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