【2020年をBARKSニュースで振り返る】インタビューTOP10 編

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2020年、最も多くのユーザーに読まれた記事をランキング形式でお届けする年末恒例<BARKSランキング>のインタビュー編だ。BARKSが2020年に公開したインタビュー記事総数は約370本。前年の約500本に比較すると数字を落とす結果となったが、これは新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛が影響したもの。政府による自粛要請はライブシーンを直撃しただけでなく、新譜リリースの行方も左右した。

◆インタビューTOP20【2020年をBARKSニュースで振り返る】

三密を避けることが難しいレコーディングをはじめとするスタジオ作業は延期や中止を余儀なくされ、作品リリースに伴うライブツアーやキャンペーン、イベント開催も不可能に近い状況。結果、新譜発売スケジュールは凍結せざるを得ないという判断を多くのアーティストに迫ったのが、2020年春のことだ。しかし、アーティストの新たな音楽を届けたいという表現欲求は尽きること無く、ファンはそれら音楽にかけがえのないパワーが宿っていることを知っている。今、届けられるべき音楽がユーザーの心に光を灯し、コロナ禍以前に制作された音楽たちも新たな意味を帯びて鳴り響く。そして、それら楽曲に込めた想いやサウンドについて、思いの丈を語り尽くしていただく場が、インタビューだ。

コロナウイルス感染拡大の状況が日々深刻化の一途を辿ったこの春、取材のほぼすべてがZOOMなどのWEB会議システムを用いたオンライン対応となった。緊急事態宣言が解除された5月下旬以降は、徐々に対面取材が増えたものの、お互いのマスク姿や間を仕切るアクリル板の存在は珍しいものではなくなり、それは現在も続いている。

2月末以降に実施したインタビューの多くに、思うような活動がままならないコロナ禍のアーティストの葛藤や本音が語られている。この1年間のうちに数度取材の機会をいただいたアーティストの発言には、その時々の状況や環境の変化による気持ちの動きも刻まれているようで、そういった観点からも興味深いテキストの数々となった。新型コロナウイルスという地球全体を覆った一大事を前に、BARKS取材を快く受けていただいたアーティストには感謝の念が絶えない。

ランキング上位には、大物アーティストのレアインタビューから、次世代アーティストによるBARKS初登場の初々しい発言、約20年の時を経て復活したバンドの生の声など、実に幅広い世代のインタビュー記事が立ち並んだ。結果的に上半期に公開したものが多いが、ランキングは1月1日〜12月30日までの期間中に公開したインタビュー記事を対象として、12月30日に集計したものであり、公開間もないインタビュー記事がランキングに反映されづらいことをご了承いただきたい。



首位に輝いたインタビューは、HYDEの2020年第一弾シングルに関するものだ。記事公開は3月17日だが、取材自体は<L'Arc-en-Ciel ARENA TOUR MMXX>後半戦の中止が決定する前に実施された。また、15位にランクインした映像作品『HYDE LIVE 2019 ANTI FINAL』インタビューは緊急事態宣言解除後のライヴ予定が白紙状態だった当時に行ったもの。そして先ごろ公開した新曲「LET IT OUT」インタビューでは、コロナ禍に見舞われながらも勝機を見出してポジティヴに活動を続けるHYDEの現在が語られている。



2位にランクインしたGirls²、4位の-真天地開闢集団-ジグザグは、どちらもBARKS初登場インタビューだ。LDH所属ガールズグループのGirls²はTV番組『おはスタ』に“おはガール”としてレギュラー出演中。一方の-真天地開闢集団-ジグザグはTV番組『有吉反省会』に出演してミステリアスながらユーモアセンスを持ち合わせたキャラクターを披露するなど、アーティストへの注目度が高まるなかで取材が実現したもの。ある意味では旬の存在だが、アーティストシップに焦点を当てたインタビューから、ポテンシャルの高さが浮き彫りとなった結果、多くのユーザーの関心を集めたようだ。

2019年末に再始動の狼煙を上げたWANDSは3位、5位、7位、9位を獲得するなど、TOP10内に4本もの関連インタビュー記事を叩き込んだ。20年という時代の流れを経ても色褪せることないWANDSという音楽の普遍性、新ボーカルに上原大史を迎えて始動した第5期への期待、それらを実証するようなランキング結果となっている。




B'zの稲葉浩志と松本孝弘のソロプロジェクトが6位と8位にぞれぞれランクイン。INABA/SALASは四半世紀を超えた交流を持つ稲葉浩志とスティーヴィー・サラスががっちりタッグを組んだユニットだ。その2ndアルバムに関するインタビューでは、これほどの大物のふたりでも、チャレンジすることをやめないアグレッシヴな姿勢が浮き彫りとなった。

また、松本孝弘が9月2日にリリースした約4年ぶりオリジナルアルバム『Bluesman』のレコーディング機材に関するコメントを掲載した記事が8位を獲得。“Japanese Bluesman”になりたいと思い続けてきたTAKならではのサウンドメイクに迫る内容だ。同時公開したアルバムインタビューを併せて読めば、より深くTAKサウンドの真髄に触れることができるはず。同インタビューでは、STAY HOME期間中にB'zとしてリスナーを楽しませてくれた動画投稿についても語られている。


2020年春以降のインタビューでは「外出自粛期間中は楽曲制作に没頭していた」というアーティストが少なくなかった。ライブ活動がままならなかった2020年、じっくりと時間をかけて新曲を煮詰め、すでにレコーディングも終了していると明かしてくれたアーティストもいる。2021年、それら楽曲が世に放たれ、我々リスナーを楽しませてくれるはずだ。BARKSは来年もアーティストの生の声をお届けしていきたい。

文◎梶原靖夫 (BARKS編集長)


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