ギブソン、Mesa/Boogieを買収

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ギブソンがMesa/Boogieの買収を発表した。

Mesa/Boogieは51年前にランディ・スミスによって設立されて以来、あらゆるジャンルであらゆるギターサウンドを世界中のギタリストに提供し続けているギターアンプ・ブランドだ。この度、ランディ・スミスはマスター・デザイナーとしてギブソンに加わり、引き続きギブソン配下でハンドメイドの高性能アンプの制作を行っていくという。

50年以上前に北カリフォルニアの犬小屋を改造した場所から始まったランディ・スミスは、当時サンフランシスコ・エリアで演奏するバンドのためにアンプの修理を行っていた。マイク・ブルームフィールドからサンタナ、ザ・ローリング・ストーンズに至るまで、多くのギタリストたちと親しくしていたランディは、その時代の機材の長所と短所を学び、アンプの性能を飛躍的に高め世界中のロック・ミュージックに影響を与えることとなった。ランディは、自身も慣れ親しんでいたヴィンテージでクラシックなアンプの持つ良さを保ったまま、ハイゲインなトーンを生み出すことに成功したエレキギターサウンド構築の立役者だ。


▲Mesa/Boogieの創業者ランディ・スミス

「ギブソンは、これまでのアイコニックな遺産を継承しつつ、革新的な未来への探求を続けています。それは、100年以上も前に創業者オーヴィル・ギブソンが始めました。このたびMesa/Boogieを新たなギブソン・ブランズのファミリーに迎え、過去50年に渡ってアイコニックで革新的なブランドを支え続けてきたランディ・スミスと彼のチームと共に、さらなる探求は続きます。これは私たちのこれまでのプロとしての経験とサウンドに対する情熱によって実現した最高のパートナーシップです。」──ジェームス・JC・カーレイ(ギブソン・ブランズ社長兼 CEO)

「私は75歳になりましたが、今でも毎日仕事をしています。これは私の芸術であり、我々のクルーの多くは30~40年も私と一緒に仕事をしてきました。(ギブソンのCEOである)JCと(Chief Merchant Officerの)セザールがギブソンを変革するのを目の当たりにした時、私たちと同じ価値観、そして品質への情熱を感じました。今、ギブソン・ギターはこれまで以上に最高のものとなっています。彼らが私に、ギブソンのアンプにおいてのカスタムショップを作ってみないかと尋ねてきた時、私はこれこそ、これまで築き上げたレガシーを維持しながら、さらにブランドを広めていける完璧なコラボレーションだと思いました。ギブソンは、私たちが共に築き上げてきた唯一無二の価値を理解しており、Mesa/Boogieの歴史において新たな章へ、それはまさに夢の続きです。新しいギブソンとのパートナーシップを得られたことは、私はとても幸運に思っています。50年もの間好きなことを続けて、人生を乗り物の様に謳歌してきた私にとってまさにそうでした.........そして、それはまだ終わっていないのですから!」──ランディ・スミス

「ランディ率いるMesa/Boogieは、初期の頃から妥協のないサウンドを追求してきたので、私たちにとって完璧にマッチしているパートナーです。私たちは、Mesa/Boogieのこれまでのアイコニックな遺産を守っていくと共に、その未来を担う存在になりたいと思っています。ランディと彼のチームが、Mesa/Boogieを未来に導くため、私たちに信頼を寄せてくれた事を光栄に思います。今後も一緒に、サウンド、クオリティ、クラフトマンシップを追求し、ギター・サウンドがどのように届けられ、どのように体験されるかその可能性を押し広げていきたいと思います。」──セザール・グイキアン(ギブソンChief Merchant Officer)


▲左からセザール・グイキアン、ランディ・スミス、ジェームス・JC・カーレイ

なお、Toolのアダム・ジョーンズ(G)、カーク・ダグラス(The Rootsからもコメントが寄せられている。

「これは非常にエキサイティングなことです。Mesa/Boogieのこれまでの偉業を受け継ぐことができる会社は、ギブソン以外考えられません。私は長い間、Mesa/Boogieのアンプとキャビネットを使ってきました。自宅でも、レコーディング時にはスタジオで、ライブ時にはステージで使用しています。このアンプこそ、私の全てのニーズを満たしてくれます。」──アダム・ジョーンズ(Tool)

「10年以上も前からギブソン・ギターとMesa/Boogieアンプを一緒に使っています。最近では、Mesa/Boogiesを使ってよく家でレコーディングをしていますが、この2つのブランドがコラボレーションするなんて、とてもエキサイティングな事です。」──ギタリスト、カーク・ダグラス(The Roots)

ハイエンドアンプ・ブランドの先駆者であるMesa/Boogieは、現在はギターとベース用のアンプを製造しているアメリカの会社だが、最大の功績は、小型アンプの入力ゲインを大幅に増加させ、単に音量が大きくなるだけでなく、全く新しいハイゲインで歪んだギター・トーンを生み出したことだ。カルロス・サンタナやロン・ウッド、キース・リチャーズなどが使用したことで、Mesa/Boogieはその名を世界中に轟かせ、1980年代から1990年代にかけて、数々の革新的な改良や特許を取得し、MESA Engineeringは真空管アンプ技術のリーダーとしての地位を確立することとなった。

1991年にはDual Rectifier Solo Headが誕生し、ハイゲインが再び定義され、その後20年に渡りロックシーンにはなくてはならないサウンドとなった。
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