デイヴ・グロール、カート・コバーンが亡くなったとの誤報に「心の防波堤を高くした」

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デイヴ・グロールは、カート・コバーンが亡くなる数週間前にカート死亡との誤報を受け、激しい感情の波にのまれており、実際に彼が亡くなったとき、上手く対処できなかったという。

カートは1994年3月、薬物の過剰摂取により病院に急送された。5日後に退院できたが、まだ入院中、グロールはカートが亡くなったとの電話を受け取ったそうだ。『New York Post』によると、グロールは今月初めに出版した回顧録『The Storyteller: Tales of Life and Music』でこう綴っているという。

「受話器を落とし、俺は寝室の床に倒れ込んだ。顔を手で覆い、泣き始めた。彼がいなくなってしまった。シアトルの空港で初めて紹介されたときリンゴをくれたあの恥ずかしがり屋の青年がいなくなってしまった。物静かで内気な俺のルームメイトがいなくなってしまった。毎晩、公演の前、美しい赤ちゃんだった娘に歌って聞かせていた愛情深い父親がいなくなってしまった。俺は、想像したこともない深い悲しみに圧倒された」

数分後、それが誤報だったとの知らせがあったが、彼はこの体験により「心の防波堤を高くした」という。あれほど激しい感情の流出から自分を守らなくてはと思ったそうだ。しかし、そうしたが故に、その数週間後、カートが本当に亡くなったとき、感情を爆発させることができず、「悲しみが自分の中のどこか深いところで動けなくなってしまった」という。

グロールは『The Storyteller: Tales of Life and Music』の出版を記念し、ロンドンやニューヨーク、ワシントンDCなどでイベントを開催した。本の内容を伝えるだけでなく、ニルヴァーナの曲もプレイし、ファンをもてなしている。

Ako Suzuki
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