【ライブレポート】上野優華、3年ぶりの全国ツアー終幕

上野優華が11月23日、神奈川・横浜ランドマークホールにて全国ツアー＜上野優華 LIVE TOUR 2021 ～ヒロインにはなれなくて～＞のファイナル公演を開催した。

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7月に1年半ぶりの有観客ライブを再開させた上野は、6月にリリースした最新ミニアルバム『ヒロインにはなれなくて』を携え、自身最大規模となる全国10都市18公演のツアーを10月よりスタート。最終日のこの日はフルバンドを従えてのライブとなり、アルバムに収録された全7曲を中心に、ツアーで練り上げた全19曲を披露した。

新曲「今日も君でした」で幕を開けると、「君の街まで」「普通の恋がわからない」とアッパーチューンで一気にボルテージを上げていく上野。中盤のアコースティックコーナーでは上野の弾き語りに寄り添うようにパーカッション、ウッドベース、ガットギター、スライドギターなど多彩な音をバンドが奏で、より音楽的自由度を増した世界観が会場を包み込んでいた。



特筆すべきは本編終盤の「幸せ」から続く圧巻のバラードゾーンだ。狂おしいほど感情を乗せて歌う姿は、切なさ・悲しさ・愛しさ・葛藤など恋愛感情のあらゆる側面を見事に歌で表現し、続く代表曲「あなたの彼女じゃないんだね」「好きな人」では本気の涙を流しながら聴き手の心を大きく揺さぶっていく。そして、上野の歌声に呼応するかのようにバンドの音圧は増していき、ここ数年、失恋・片想いソングに特化してきた上野の集大成的なステージでファンを魅了した。

本編ラストは「ヒロインにはなれなくて」のリード曲でもあり、川崎鷹也が提供した「愛しい人、赤い糸」。切ない片想いソングではあるが、「ツアーで歌い続けるうちに、愛しい人を想う「大切さ」「温かさ」の部分がすごく強くなってきた曲。ここにいる大切な皆さんへ向けて歌います。」と話し、振り絞るように全力で歌い上げた。

アンコールでは嬉しいお知らせも。FC限定クリスマスライブやファンコミュニティサイトの立ち上げ、さらに毎年恒例のバースデーライブを誕生日当日である2022年2月5日に東京・草月ホールで開催することを発表した。

喜びの拍手が鳴りやまない中、バンドメンバーが再び登場。アンコール1曲目は上野のインスタグラムで行なっているお悩み相談を曲にした「よきよきよきお悩み相談の歌」。2曲目は「ヒロインにはなれなくて」に収録されている上野が作詞・作曲した「ヒロイン」。ファンクロックなサウンドに女性の本音が散りばめられたアップテンポなナンバーで、エンディングではツインギターのソロの掛け合いが光る。そして、そのまま畳みかけるように始まったのは「やくそく」。18歳の時に上野が初めて作詞・作曲したワンマンライブの定番曲だ。「2月にまた会いましょう！」と約束し、この日最高潮の盛り上がりを見せ、2か月にわたったツアーは大団円を迎えた。


最後には笑顔と涙の入り混じる充足感に満ちた表情で「これからもみんなのことを信じて、自分のことも信じて頑張っていけたらいいなと思いますので、よろしくお願いします！」と改めて決意を表明した上野。ツアーの終わりを惜しむかのようにステージを端から端まで走り何度も手を振る姿が印象的だった。

なお、本公演のアーカイブ映像は11月28日までStreaming＋で配信されている。

Photo by Tezro Hirano