【ライブレポート】日本ロックシーンを代表する16組が出演、<LIVE HOLIC extra 2022>幕張公演

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<uP!!! SPECIAL LIVE HOLIC extra 2022 supported by SPACE SHOWER TV>幕張公演が1月22日(土)、23日(日)に千葉・幕張メッセ イベントホールで開催された。

◆ライブ写真

本公演にはLIVE HOLICにゆかりのある、日本のロックシーンを代表する16組が出演した。2日間のライブレポートをお届けする。

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スペースシャワーTVとuP!!!が企画するライブイベント<uP!!! SPECIAL LIVE HOLIC extra 2022 supported by SPACE SHOWER TV>が2022年1月22日(土)、23日(日)、千葉県・幕張メッセで開催された。

<LIVE HOLIC extra>はツーマンライブシリーズ<LIVE HOLIC>の過去の出演アーティストが集うイベントとして、2017年に初めて開催。1月22日(土)はACIDMAN、androp、Awesome City Club、キュウソネコカミ、SHE'S、sumika、BLUE ENCOUNT、緑黄色社会、1月23日(日)にはORANGE RANGE、KEYTALK、GRAPEVINE、go!go!vanillas、ストレイテナー、SUPER BEAVER、04 Limited Sazabys、マカロニえんぴつが出演。音楽シーンを代表するバンドが熱演を繰り広げた。

【DAY1 1月22日(土)】


Photo by AZUSA TAKADA

トップを飾ったのは、ニューアルバム『モルモットラボ』をリリースしたばかりのキュウソネコカミ。地元への愛を放ちまくる「Welcome to 西宮」からはじまり、「MEGA SHAKE IT!」「推しのいる生活」などのアッパーチューンを連発。ヤマサキセイヤ(Vo&G)の煽りに導かれ、観客は手を挙げ、飛び跳ねながら全身で爆音を楽しんでいた。

「やっぱりライブはいいな」(ヨコタシンノスケ(Key&Vo)「アドレナリンで乗り越えられる」(ヤマサキ)というやり取りの後も、「ビビった」「ハッピーポンコツ」など代表曲を披露。「俺達はライブで生かされてます。俺達の音楽が少しでもみなさんの生きる力になったら嬉しいです」(ヨコタ)という言葉も心に残った。

続くandropは、ニューアルバム『effector』の収録曲「Beautiful Beautiful」 から。変わり続ける世界の情景、そして、大切な人に対する“そのままでいてほしい”という思いを込めた歌によって、会場全体に大きな感動が広がった。


Photo by TAICHI NISHIMAKI

「あなたたちを信じています。今日は家に帰るまで、自分を守りながら、音楽を楽しんでください」(内澤崇仁/Vo&G)というMCを挟み、観客が掲げたスマフォのライトのなかで演奏された「Hikari」。さらにオルタナR&Bのテイストを取り入れた「Lonely」、“自由に楽しもう”というメッセージを込めたダンスチューン「Saturday Night Apollo」、「心のなかで歌ってください」(内澤)という言葉に導かれた「SuperCar」へ。心と体を解放してくれる、豊かで穏やかな音楽を響かせた。

服部栞汰(G)が新型コロナウイルスの陽性反応が出たため、井上竜馬(Vo/Key/G)、広瀬臣吾(B)、木村雅人(Dr)によるアコースティック編成での出演となったSHE’S。未来に向けた強い気持ちを歌った「追い風」、大切な人に対する繊細で真摯な思いを綴った「Letter」をオーガニックな演奏とともに届けた。


Photo by AZUSA TAKADA

さらに「“あのときライブに行ってよかった”と思える1日にしましょう」(井上)という言葉とともに「The Everglow」も。そして最後の曲では、「昨日の夜、電話で“ギター弾こうか?”と言ってくださいました」(井上)とandropの内澤崇仁が登場。“ずっとここで歌い続ける”という意思を刻んだ楽曲で井上、内澤が声を重ねる、きわめて貴重なシーンが実現した。

ここで俳優の犬飼貴丈がスタンド席に登場し、andropの内澤、佐藤拓也(G/Key)とトーク。「めっちゃいい光景がたくさん見れました」(内澤)、「2022年のいい幕開けになりました」(佐藤)というライブの感想、さらにニューアルバム『effector』の手応えや、本作を引っ提げたツアーへの意気込みなどについて語った。これも<LIVE HOLIC>でしか見られない光景だ。


Photo by AZUSA TAKADA

続いては、昨年大躍進を果たしたAwesome City Club。エモーショナルなロックナンバー「you」、洗練されたポップチューン「夏の午後はコバルト」、ディスコティックな「Don't Think,Feel」と多彩な音楽性を見せつける。atagi(Vo/G)、PORIN(Vo)のツイン・ボーカル、エッジ―かつメロウなモリシー(G)のギターを軸にした演奏も素晴らしい。また、しなやかなグルーヴと前向きな意志を込めた歌詞が一つになった新曲「Life still goes on」からは、このバンドの最新モードが伝わってきた。


Photo by TAICHI NISHIMAKI

イベントのスタッフから受け取った手紙(観客への信頼、アーティストへの感謝、イベントへの強い思いが込められていた)を紹介した後、最後の「勿忘」へ。Awesomeの幅広い魅力をダイレクトに体感できるアクトだった。

緑黄色社会は、peppe(key)の叙情的なピアノからはじまったミディアムチューン「LITMUS」、力強いポップネスを響かせた「Landscape」からスタート。1月26日リリースのニューアルバム『Actor』に収録される“リョクシャカ流 応援ソング”「キャラクター」では、“誰だってneed youだ/君のことがとても愛おしいんだ”という歌詞、華やかなバンドサウンドで観客のテンションを引き上げてみせた。長屋晴子(Vo&G)のチアフル&エモーショナルな歌声も気持ちいい。


Photo by AZUSA TAKADA

最後はポジティブな波動に満ちた「Mela!」「sabotage」を続けて披露。小林壱誓(G/Vo)、穴見真吾(B)の躍動感あふれるステージングも最高だ。バンドとしての個性と王道のJ-POPを同時に感じられる圧巻のライブだった。

2度目のトークコーナーのゲストは、SHE'Sの井上竜馬、木村雅人。アコースティック編成となったライブの手応え、「10周年のメモリアルな1年になりました」(井上)という2021年の感想の後、2月24日に行われる日本武道館公演の話題に。「10年を凝縮した1日にしたいです」(木村)という言葉に、会場からは大きな拍手が送られた。

ここからイベントは佳境へ。「造花が笑う」「歪んだ光」という鋭利にして骨太なロックサウンドで観客を惹きつけたのは、ACIDMANだ。「あなたたち、僕達にとって音楽は不要不急じゃない。音楽が必要なんだと感じられる、最高の1日にしよう」(大木伸夫/Vo&G)という真摯な言葉に導かれ、「Rebirth」「夜のために」という生命の尊さを響かせる楽曲が続いた。そして代表曲「ある証明」では、「心の声で歌ってくれ!」(大木)というシャウトに呼応し、観客が拳を突き上げる。


Photo by TAICHI NISHIMAKI

ラストはすべての生命の源である宇宙について歌った「innocence」。スマフォの光のなかで演奏されたこの曲のスケール感は、すべてのオーディエンスの胸に刻まれたはずだ。

「トリ前、sumikaやります!」(片岡健太/Vo&G)という宣言とともに「フィクション」を打ち鳴らす。さらに「絶叫セレナーデ」「ふっかつのじゅもん」と極上のアッパーチューンを続けざまに放ったsumikaは、生々しいグルーヴをたたえたバンドサウンド、豊かな音楽性を備えた楽曲によって、瞬く間に会場を彩ってみせた。


Photo by AZUSA TAKADA

DJが繰り出すトラックとともに片岡が一人で歌った「Babel」、切なさが滲み出るラブソング「本音」の後、片岡は観客に感謝の気持ちを伝える。「あなたが今日、ここに来る選択をしてくれたおかげで、(LIVE HOLICは)次があります」という言葉に導かれた最後の曲は、彼らのアンセム「Shake & Shake」。豊潤なポップワールドを全身で堪能できる最高のステージだった。

最後のトークコーナーのゲストは、緑黄色社会の小林壱誓と穴見真吾。1月が誕生日の穴見、2月が誕生日の小林の花束が渡され、ニューアルバム「Actor」について。「14曲、いろんなキャラクターの曲が入っていて。旅をするように聴いていただけると思います」(小林)とその聴きどころを語った。そして犬飼貴丈が「みなさんの拍手の温かさで無事、MCをやることができました!」と挨拶し、再び大きな拍手が巻き起こった。

<uP!!! SPECIAL LIVE HOLIC extra 2022 supported by SPACE SHOWER TV>初日の最後を飾ったのは、BLUE ENCOUNT。まずはヘビィかつ高速のロックチューン「Survivor」「KICKASS」でオーディエンスの高揚感をグッと上げる。田邊駿一(Vo/G)がイベントのスタッフへの感謝、ステージに立てることへの喜び、会場に足を運んだ観客への思いを告げた後、ダンサブルな「バッドパラドックス」でライブのテンションは一気に頂点へ。叩き込むように「VS」「DAY x DAY」と代表曲を連ね、強烈な興奮を生み出していった。


Photo by TAICHI NISHIMAKI

「この景色を見るために、また明日から、名前のない毎日を生き抜いていきます。一緒にがんばろうな」(田邊)と語り掛け、“その手で世界は変えられる”というメッセージを刻んだ「HANDS」へ。ポジティブな意志と強靭なバンドサウンドが共鳴し、イベントの初日は幕を閉じた。

取材・文◎森朋之

◆DAY2 ライブレポート
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