レオス・カラックス監督、スパークスとの出会いと映画『アネット』制作のきっかけを明かす

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2021年第74回カンヌ国際映画祭でオープニングを飾り、監督賞を受賞。製作プロデューサーも務めたアダム・ドライバーと実力派マリオン・コティヤールを主演に迎え、レオス・カラックス監督が初めて全編英語でミュージカルに挑んだダーク・ファンタジー・ロックオペラ『アネット』。

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本作の原案と音楽を手掛けたのは、先⽇発表された第47回セザール賞でも最優秀オリジナル⾳楽賞を受賞、⽇本でも根強い⼈気を誇るロン&ラッセル・メイル兄弟によるポップ・バンド<スパークス>。彼らがストーリー仕立てのスタジオアルバム「アネット」として構築していた物語が、カラックスとの出会いによって映画へと発展、劇中全編を歌で語り、全ての歌をライブ録音するという両者のこだわりと、そこにカラックスならではの映像美が相まって、唯一無二の作品が完成した。

スパークスを初めて聴いたのは「13か14の時、(デヴィッド・)ボウイを知った数年後だった。初めて手に入れた(本当は盗んだ)アルバムは『プロパガンダ』で、それから<インディスクリート>を聴いた。この二つは今でも大好きなポップアルバムだ。でもしばらく、⻑い間、スパークスがやっていることをきちんと理解できてなかった。16になる頃には映画に夢中になっていたから」とレオス・カラックス監督は当時を振り返る。

そして、実際にロン&ラッセル・メイル兄弟の2人との出会ったのは「僕の前作『ホーリー・モーターズ』が公開された1〜2年後だった。ドニ・ラヴァンが車の中で『インディスクリート』に入ってる“How Are You Getting Home?”を流すシーンがあって、僕がファンだと知った彼らからミュージカルの企画をもちかけてきた」ことがきっかけだと言う。しかしその時の作品は「ハリウッドに囚われて逃れられないイングマール・ベルイマンのファンタジー。でもそれは僕には向いていないと思った」。「なぜなら過去を舞台にしたものは作ったことがなかったし、イングマール・ベルイマンと呼ばれるキャラクターの出る映画を作りたくなかったから」と明かす。だが「数か月後たって、彼らは20曲ほどのデモと『アネット』のアイデアを送ってきたんだ」と、本作制作のきっかけを明かしている。

本作でミュージカルに初挑戦したレオス・カラックス監督。「ミュージカル映画を作るというアイデアは⻑い間温められていたのか?」、そして「ミュージカル映画とどう関わってきたか」という問いに対しては、「映画を作り始めた時からだね。3作目の『ポンヌフの恋人』をミュージカルにしようかと思った時もあった。だけど大きな問題があって、それは大きな後悔でもあるけど、自分では作曲ができないんだ。しかもどうやって作曲家を選んで、一緒に仕事をすればいいのかも分からなかった。だから躊躇していた」たと言う。

「若い頃はそれほどミュージカルを観なかった。ブライアン・デ・パルマの『ファントム・オブ・パラダイス』はスパークスを見つけた頃に観たのを覚えてる。ずいぶん経ってから、アメリカやロシア、インドのミュージカルも観た。もちろんジャック・ドゥミの映画もね」。「ミュージカルは映画を、ほぼ文字通り別次元のものにする。時間、場所、そして音楽。それによって素晴らしい自由が生まれる。音楽にしたがって演出することもできれば、音楽に立ち向かうこともできる。人が歌ったり踊ったりしない映画にはできないような、あらゆる種類の矛盾した感情を混ぜ合わせることができる。グロテスクでありながら同時に深遠にもなれる。それに静寂。静寂が何か新しいものになる。会話や環境音との対比としての静寂ではなく、もっと深い何かに」。

35年間で発表した⻑編作品は6本と寡作ながら、その卓越した演出力と圧倒的な美的センスによって、常に衝撃を与えつづけてきた映画監督レオス・カラックス。1984年、弱冠24歳でカンヌ映画祭に登場した『ボーイ・ミーツ・ガール』、“アンファン・テリブル”(恐るべき子ども)と、カラックスの名を世界中に知らしめた『汚れた血』、二度の撮影中断に見舞われながらもロングラン大ヒットを記録した『ポンヌフの恋人』、ハーマン・メルヴィルの小説を原作に映画化を挑んだ『ポーラX』、そして謎に満ちた迷宮的な内容が高く評価された『ホーリー・モーターズ』。その一作一作で、既存のジャンルを軽々と超える、新たな映画体験を生み出し、世界中に熱狂的なファンを獲得しているカラックスだが、『アネット』は、『ホーリー・モーターズ』以来8年ぶりとなる最新作となる。

『アネット』

2022年4月1日(金)ユーロスペースほか全国ロードショー
■監督:レオス・カラックス
■原案・音楽:スパークス
■歌詞:ロン・メイル、ラッセル・メイル & LC
■キャスト:アダム・ドライバー、マリオン・コティヤールほか
■上映時間:140 分
(C)2020 CG Cinéma International / Théo Films / Tribus P Films International / ARTE France Cinéma / UGC Images / DETAiLFILM / Eurospace / Scope Pictures / Wrong men / Rtbf (Télévisions belge) / Piano
配給:ユーロスペース

◆『アネット』 オフィシャルサイト
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