【プロミュージシャンのスペシャル楽器が見たい】Gacharic Spin アンジェリーナ1/3、マイク、タンバリン、拡声器がライブでの私の武器

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■ガチャピンは「これはあのメンバーの機材だよね」というものがある
■自分もマイク以外でもそういうものを手に入れていきたいですね


――ガチャピンでの活動の中で、楽器や音楽の面白さをどんどん発見していますよね? 例えばYouTubeの企画でも、いろいろな楽器にチャレンジしてきましたし。

アンジー:たくさん学ばせていただいています。触ったことがなかったベースもスラップだけはできるようになって、「難しいスラップできるんかいっ!」ってKOGAさんに言われました(笑)。そういう体験を通して、「こうやって音を鳴らしているんだな」とか、メンバーのすごさを改めて実感しています。最近、コードのこととかを理解するようになってきましたけど、それによって前に企画でやった曲とかが弾けるようにもなりました。やってきたことが全部繋がっていく感じがありますね。

――アンジーさんが音楽に対する理解を深めて、できることを広げるのは、ガチャピン全体の可能性を高めていくことにも繋がると思います。

アンジー:そうですね。そういうことにも繋げていきたくて、いろいろなことに挑戦しています。

――はなさん、TOMO-ZOさんと並んでエレキギターでソロを弾く日も来るかも?

アンジー:それ、何年後ですか?(笑)。でも、バッキングだけでも弾けるようになりたいですね。KOGAさんは「新しいことをやってお客さんを驚かせたい」という姿勢がすごいですから、そういうところも私は見習いたいです。歌、楽器、音楽以外のことも、「ここまでできるようになったんだ!」ってメンバーにも驚いてもらえるようになっていきたいです。基礎を固めつつ、もっともっと面白いことができるようにみんなで支え合って上がっていくのがガチャピンなんですよ。加入した直後に「デスボイスの練習をして」って言われたんですけど、それもガチャピンならではの姿勢を実感した瞬間でした。

――「プラスアルファの要素」みたいなことを大事にしているバンドだと僕は感じています。加入直後のTOMO-ZOさんも、ギター回しの特訓をしたそうですし。

アンジー:そうなんですよね。うちのメンバーは全員回せるんじゃないですか? オレオさんもショルダーキーボードを回すし、yuriもライブでギターを弾いた時に回しましたから。はなさんが回したところはまだ見たことがないですけど、絶対に回せるでしょうね。演奏と並行して、プラスアルファも極めていっているメンバーって、すごいかっこいいと思います。

――他のメンバーのみなさんへの機材に関する取材も今後進める予定ですけど、楽器のサウンド面はもちろん、プラスアルファの要素のお話も、いろいろ出てきそうですね。例えばTOMO-ZOさんのアイスクリームみたいな見た目のギターも、機材としてしっかりとしていると同時に、サウンド面と関係ない要素が満載ですから。

アンジー:私も初めてガチャピンのライブを観た時にTOMO-ZOさんがぬいぐるみが付いたドレスの衣装を着て、お菓子みたいなギターでものすごいプレイをして、「すごい! えぐいなあ、この人!」って思ったんですよ。

――楽器にLEDを仕込むのも大好きなバンドですからね。

アンジー:ドラムもLEDで光るし(笑)。


――アンジーさんがガチャピンに加入して最初に買った機材は、やはりマイク?

アンジー:最初はマイクのケーブルだったと思います。楽器ということだとタンバリンだったのかも。マイクに関しては加入してから名古屋E.L.L(ElectricLadyLand)でのライブの時にゴッパー(シュアーSM58)を渡されて、「使っていいよ」と。それを受け継いでからケーブルを買って、マイクに装飾をしてずっと有線で使っていました。でも、有線だとケーブルでグチャグチャになったりして(笑)。「もっとパフォーマンスをするには無線もありだ」ということになって、無線を使うようになりました。初代の無線マイクはガチャピンが初期から使っていたマイクを受け継いで、装飾をしつつ真っ赤にして使っていました。だから自分で買った機材ってタンバリン、拡声器っていうことになるんだと思います。最初はおさがりの機材が多かったです。


▲LINE6 XD-V75。高品位なサウンドで操作が簡易なフラグシップモデル。マイク10種のモデリングが使用可能で、9タイプのEQプリセットが使用できる。

――今使っているワイヤレスマイクは、LINE6?

アンジー:はい。XD-V75です。初代のワイヤレスがLINE6のXD-V70で、それが壊れてしまったんです。かなり前のモデルで廃番になっていたんですけど手に馴染んでいたので、同じシリーズの新機種のXD-V75を買いました。最新機種なので、「聞こえやすくなったね」とかPAさんに言っていただけています。前のXD-V70は真っ赤にしていました。赤は大好きな色で、担当カラーでもあるので、“情熱の赤”みたいなのを手元で表現できて、それが声にのっていくのを感じていました。XD-V75はまだ塗っていないんですけど、いつか真っ赤か、それ以外の色になると思います。



――塗るのは、自分でやっているんですか?

アンジー:XD-V70に関しては、いつもお世話になっているESPの方に「手伝ってください」とお願いして一緒に塗り塗りしました。でも、拡声器は自分で塗りました。表面を削って赤く塗った上に金とか黒をシュッシュした感じです。錆びたような感じにしたかったので。星のシールを貼ったりもして。あと、エメラルドグリーンが大好きなので、差し色で入れています。一目で「アンジーの拡声器だ」って判るようにしました。


――これがステージに置いてあるのを見て、TOMO-ZOさんが使うとか思う人はまずいないでしょうからね。

アンジー:そうですよね(笑)。こうやって塗ったりすると、自分のものだという気持ちがより強くなります。自分でリメイクした「MindSet」のセーラー服もそうなんです。あれもある意味、私にとって機材みたいなものなので。大きい会場のライブで「MindSet」を観る楽しみの1つになるようにしたかったんです。

――服とかのリメイクは、もともと好きなんですよね?

アンジー:好きですね。編み物とかボタンを縫い付けるとかは、もともとおばあちゃんに教わっていたんです。そこから「どうやったら服を作れるようになるんだろう?」とか、リメイクやハンドメイドのやり方を考えるようになっていきました。


――タンバリンもガチャピンに加入してから買ったんですね?

アンジー:はい。もともとは、ガチャピンでずっと使われてきたプラスチック製のタンバリンを使っていたんですけど、木でできているこれを買いました。私はこういうアンティークっぽい雰囲気のものも好きなのかも。タンバリンを叩く動きが硬いからメンバーにもよくいじられていたんですよ(笑)。ちょっとでも上手くなれるように自宅練習用に買ったのがこれです。使っていく内に愛着が湧くようになってライブで使うようになりました。

――タンバリンは、何色かに塗ろうとは思わないんですか?

アンジー:初めは真っ赤にすることも考えたんです。でも、「敢えて木もいいかな」と。「アンジー、あいつ木も使うんだ? 派手だけじゃないんだ?」って。まあ、そこまで深くは考えてはいないですけど(笑)。


――(笑)。このタンバリンも機材インタビューらしく、メーカーや型番を教えてください。

アンジー:どこのタンバリンだろう? Latin Percussion inc.で、型番はLP CP388……って書いてあります。

――「同じタンバリンが欲しい人は、探してみよう!」と、記事に書いておきますね。
アンジー:その情報、要ります?(笑)。

――(笑)。拡声器は、どの曲で使っていましたっけ?

アンジー:「常識デストロイヤー」でしか使っていなくて。これを使う曲がもう1曲くらいできたらいいなあって思っています。

――最近気になっている機材とかはあります?

アンジー:オートチューンの存在を忘れていました。「JUICY BEATS」でいつも使っているのに(笑)。オートチューンもそうですけど、もっと声を活かした機材を上手く使えるようになっていきたいですね。「JUICY BEATS」以外だと、オートチューンを使う曲がまだあまりないので。そういうのを広げていくのも楽しいのかなと思います。


▲Antares Auto-Tune搭載真空管プリアンプ「Auto-Tune Pre」。プリアンプにチューブ(12AX7A 真空管)を搭載。ボーカルにチューブ独特の暖かさが加味される。

――「JUICY BEATS」の今のアレンジは、第5期ガチャピンのライブでアンジーさんのボーカルを前面に出すようになった最初のきっかけだったと記憶しています。

アンジー:そうでしたね。最初のリキッドルームの時にも、新しいアレンジで歌わせていただいたので。

――歌声を加工する機材をいろいろ試していくのは、ありでしょうね。ボコーダーとか。

アンジー:たしかに。

――ボコーダーは鍵盤を弾きながら歌わないといけないですけど。

アンジー:私、鍵盤が全然上手く弾けるようにならないんですよ。だから使えるようになるかはわからないですけど。ボイスパーカッションは、できるようになったらいいですね。「Gold Dash」はDJのスクラッチみたいな音が入るので、そういうのもできるようになったら、マイクパフォーマーとして面白くなりそうです。

――楽器屋さんに行っていろいろな楽器を実際に見て、「これ、使えるかも」みたいなアイディアを得る機会も今後あるかもしれないですよ。

アンジー:そうですね。面白い機材を見つけ出すのがガチャピンのメンバーは上手いんです。はなさんがエアロフォンを見つけた時も、面白いものを見つける力を感じました。私もそういう力をつけていきたいです。家にはいろいろな楽器があるんですけどね。ウクレレやハーモニカとか。

――ガチャピンでウクレレを使ったらびっくりですけど。

アンジー:ウクレレは好きで、一時期、ずっと家で弾いていました。いろいろな形や色があるのも楽しいです。

――楽器屋さんは、よく行きます?

アンジー:行きます。私なんてマイク1本で完結できるんですけど、なんか行っちゃうんですよね。「何があるかなあ? こういうのがあるんだ?」とか、楽器屋さんでいろいろ見ながら考えています。

――成人のお祝いでいただいたSGは、スタジオの大きいアンプで鳴らしてみました?

アンジー:まだ鳴らしたことがないんですよ。今はお家の小さなアンプで鳴らしています。


――エレキギターを始めたんですから、エフェクターもいろいろ試すと楽しいと思います。

アンジー:エフェクターは、めっちゃ興味があります。ガチャピンのメンバーもボードがすごいじゃないですか? 「何から始めたらいいんだろう?」ってなります。エフェクターは、まだ持っていないんですよ。

――最初に買うとしたら、やっぱりディストーション、オーバードライブとかの歪み系なんですかね?

アンジー:良いですね。歪んだギターの音、すごく好きです。1音で「ロックが来る!」みたいな感じになりますから。TOMO-ZOさんの「ルラララ」のギターの音色も好きなんですよ。ライブでは「マジックアンブレラガール」で、TOMO-ZOさんのワーミーを踏ませてもらっています。ソロのところで私が踏むんですよ。自分で弾いているわけではないので、タイミングを合わせるのが難しいです。

――機材のお話、いろいろ膨らみましたね。他に何かさらに語っておきたいこだわりとかはあります?

アンジー:………………特にないかな?(笑)。自分のマイクパフォーマーという立ち位置を活かした機材を導入していきたいと思いますし、「これはアンジーの機材だ」ってなっていくような声のイメージを少しずつ作っていきたいですね。ガチャピンのメンバーは全員が、「これはあのメンバーの機材だよね」というものがあるので、自分もマイク以外でもそういうものを手に入れていきたいです。

取材・文:田中大


▲Gacharic Spin(後列左より:オレオレオナ、はな、yuri)(前列左より:F チョッパー KOGA、アンジェリーナ1/3、TOMO-ZO)

リリース情報


▲『Gacharic Spin』(左より:【初回限定盤type-A】【初回限定盤type-B】【通常盤】)

メジャー5thオリジナル・アルバム
『Gacharic Spin』
NOW ON SALE
【初回限定盤type-A】(CD+DVD)
VIZL-1920/¥5,500(税込)
【初回限定盤type-B】(CD+DVD)
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【通常盤】(CD)
VICL65540/¥3,300(税込)

ライブ・イベント情報

Gacharic Spin LIVE 2022<☆G!G!G!PREMIUM!!>
2022年7月2日(土)@豊洲PIT

TOSHI NAGAI 35th PROJECTS<“GO DREAM.GO OVER.”ver.40~TOSHI誕生祭特別篇~>
2022年6月4日(土)Spotify O-EAST (東京)
https://shibuya-o.com/east/
開場16:00/開演17:00
■出演
TOSHI NAGAI
Gacharic Spin
星グランマニエ
TOSHI NAGAI BIRTHDAY DREAM BAND!!
(Vo.広石武彦、Vo.綾小路 翔、Gt.HISASHI、Ba.Ju-ken、Ds.TOSHI)
■チケット代
スタンディング:8,800円(税込)
https://toshinagai35.jp/

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