ポーキュパイン・ツリーのスティーヴン・ウィルソン「シュレッド奏法は音楽ではなくスポーツ」

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photo by Alex Lake

以前からシュレッド・ギターのファンではないと公言してきたポーキュパイン・ツリーのスティーヴン・ウィルソンが、あらためて「あれは音楽ではなく、スポーツだ」と発言した。

◆スティーヴン・ウィルソン動画

ウィルソンは昨年初め、『FaceCulture』のインタビューで、エドワード・ヴァン・ヘイレンについて、「彼が類まれなミュージシャンだったのはわかっているし、素晴らしいアーティストの訃報はいつだって悲しい」が、自分はシュレッド奏法のファンではなく、「それほど心を動かされなかった」「彼のレガシーは、シュレッダー現象を引き起こしたことで、それは僕にとっては不快だ。オリンピックの競技みたいに音楽をプレイするって発想は、創造性と音楽に関する僕の考えに反する」などと話していた。

これに対しては、エドワードの息子ウルフギャングから「彼の言ったことは決して無礼ではないが、すごくガッカリした」「彼が父を“シュレッダー”としか見ていないらしいのは傷つく。もちろん、父はシュレッドができたが、他の“シュレッダー”にはないメロディと技術があった。それに素晴らしいソングライターだった」との抗議の声が上がり、ウィルソンはウルフギャングへ向け「申し訳ない。類まれなミュージシャンだった君の父上に礼を欠くつもりはなかった。僕はヴァン・ヘイレンのレコードを持っていなかったし、あの奏法にのめり込んだこともないが、彼が偉大な革新者だったのは明らかだ」と謝罪した。

だが、ウィルソンがシュレッド・ギターをオリンピック競技のように考えていることに変わりはないようで、彼は最近『Hack Music Theory』のインタビューで、「僕はそういうプレイができる人たちが大好きだが、彼らが常にそういうプレイができるってことをみんなに知らしめる必要があると感じているのは事実だ。僕にしたら、それは音楽ではない。スポーツだ」と話した。

「オリンピックの競技のようだ。これが最良の例えになるよ。僕らが今話していて、言語によりコミュニケーションを取ろうとしているときに、もし僕が1時間100マイル(約160キロ)の速度で語るようだったら、もし僕が力説するでもなく、感情や感覚もなく、明確に話すわけでもなく、ただ言葉を叩き出すだけだったら、それはコミュニケーションじゃない。僕はギター・シュレッダーに対し同じような思いを持ってる。お見事だよ。でも、僕にとってはここ(心)に響くようなコミュニケーションではない」

ポーキュパイン・ツリーは先月、約13年ぶりの新作『Closure / Continuation』を発表した。通算11枚目のスタジオ・アルバムは全英で自身最高位となる2位をマークし、初のトップ10ヒットとなった。


Ako Suzuki
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