【コラム】Def Tech「2 Good 2 Be True」で、忙しない心に深呼吸を

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コロナ禍によりイベント、フェス開催がかなわなかった時期を経て、今年は多くの夏フェス出演が決定しているDef Tech。8月からもSUMMER SONIC 2022をはじめ、WANIMA主催フェス<1CHANCE FESTAVAL 2022>や<氣志團万博>などへの出演が予定されており、夏の景色をいちだんと暑く、爽快に彩ってくれそうだ。そして、夏本番となった7月18日の海の日には、2年ぶりとなる新曲「2 Good 2 Be True」が配信リリースとなった。コロナ禍で、沖縄と東京とのリモートワークで制作されたというこの曲は、今現在の状況を投影しながらも、夢見る力を持っている人間の強さや進んでいくエネルギーといった普遍的なテーマが描かれている。ポジティヴで、それでいてとても軽やかな、Def Techならではの1曲だ。


Def Techの夏のリリースといえば、オーガニックなギターやウクレレの音色をフィーチャーしたサウンドや、レゲエ、ブリージィなサーフサウンドを連想させるかもしれないが、今回の「2 Good 2 Be True」は、80'Sシンセポップ、エレクトロポップの香りが漂う。陰影に富んだ音色や憂いを帯びたメロディを持ったサウンドに、グルーヴィーなShenとMicroのボーカルや美しいハーモニーが乗ることでスピード感や輝き、高揚感を増していく曲になっている。日常に馴染む平熱感や、サビに向かって徐々に体温が上がっていく感覚が、2022年の今のムードにとても合う。

様々なことがある世の中で何度もくじけそうになるけれど、素晴らしい明日を夢見れば、想像以上の未来が待ち受けているというふたりの思いが、歌詞にある「It’s too good to be true」には込められたという。目の前のことでいっぱいいっぱいになったり、先のことを考えすぎてペシミスティックになったりと、どうしても肩に余計な力が入りがちな今の状況だからこそ、静かに自分を取り戻したい。この曲での心地よいグルーヴや温度感、柔らかなタッチのボーカルは、忙しない心に深呼吸できる隙間を与えてくれそうだ。

20周年を迎えた2020年に10枚目のアルバム『Powers of Ten』を発表し、翌2021年にはベスト・アルバム『The Best』をリリースしたDef Tech。節目となる年を経て、そして音楽家としていち個人としてコロナ禍を経験し、リリースされた新曲「2 Good 2 Be True」。音楽がもたらすポジティヴなマインドや、日常や心のサウンドトラックを生み出してきたふたりだからこその、自由で新しいスタンダードとなる1曲だ。

また公開されたMVは、現在のDef Techと、スポーツや音楽、ダンスに没頭していた幼い頃の自分たちが共演するというコンセプトで描かれた。ハワイで育ったShenと東京出身のMicro。歌に込められたメッセージはもちろん、育った環境や、子どもの頃に夢中になっていたものもちがうふたりが思いがけず出会い、そして新しい未来を作っていくというMVのストーリーも、Def Techのこれまでとこれからを繋いでくれそうだ。ちなみに、Shenの子ども時代を演じるイヴァン君とMicroの子ども時代を演じる天野真弦君(国内外のダンスコンテストで優勝するダンサー)ともに、ふたりによく似ているので、そんなところにも注目して観てみてほしい。

夏フェスやイベント出演と並行して、9月22日からは全国ツアーとしては3年ぶりとなる「Look to the Stars~Def Tech Live Again Tour~」がスタートする。久々のツアーとして、ふたりがどんな思いを手渡してくれるのか楽しみにしたい。

文◎吉羽さおり



「2 Good 2 Be True」

2022年7月18日リリース
「2 Good 2 Be True」Apple Music
「2 Good 2 Be True」配信リンク

<Look to the Stars ~Def Tech Live Again Tour~>

9月22日(木)名古屋DIAMOND HALL
9月24日(土)広島CLUB QUATTRO
9月30日(金)仙台Rensa
10月7日(金)東京Zepp DiverCity
10月13日(木)Zepp Osaka Bayside
10月14日(金)Zepp Fukuoka
10月16日(日)ミュージックタウン音市場
10月29日(土)豊洲 PIT
前売 5,500円 当日 6,000円※ドリンク代別


◆Def Techオフィシャルサイト
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