KREVA主催<908 FESTIVAL 2022>で三浦大知、久保田利伸、 藤井隆、椿鬼奴、後藤輝基と豪華「音」の競演

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KREVAが主催する“音楽の祭り”<908 FESTIVAL 2022>が昨日9月23日日本武道館にて開催された。今回BARKSでは、オフィシャルから届いたライブレポートを掲載する。

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KREVA主催の音楽の祭り<908 FESTIVAL 2022>が、9月23日に日本武道館で開催された。2012年にスタートした<908 FES>は今回が通算11回目。出演アーティストはKREVAのほか、三浦大知、久保田利伸、そして藤井隆・椿鬼奴・後藤輝基(フットボールアワー) from SLENDERIE RECORDという顔ぶれだ。前回<908 FESTIVAL 2021+1>は、コロナ禍の影響で2022年2月に時期を移しての開催となっていた。

一夜を通して演奏を支えるKREBand(柿崎洋一郎[Key]、熊井吾郎[MPC+DJ]、大神田智彦[Ba]、白根佳尚[Dr]、SONOMI[Cho+Key]、近田潔人[G])のふくよかで力強いサウンドの中、目に鮮やかなクリムゾンレッドを基調とする衣装のKREVAが登場し、「クラフト」を皮切りにライブがスタート。「王者の休日 〜2019 ver.〜」に続いての「Fall in Love Again feat. 三浦大知」では盟友・三浦大知を迎え、華麗なコンビネーションで武道館を彩る。思い返せばこの曲は、2年前にコロナ禍の配信ライブとして開催された<908 FESTIVAL ONLINE 2020>で初披露された楽曲だった。



ステージのバトンを預けられた三浦大知は、ダンサー陣とともに「Blizzard」や「Touch Me」とめくるめく歌唱力とダンスの熱演を届ける。キレのある体捌きの中で歌声を乱すどころか、その全身芸術の精度をどんどん上げてゆくようだ。大人びた悩ましいマインドを表現する「About You」から「飛行船」へと至る頃には、汗で衣装がずぶ濡れ。KREVAからは「リハーサルのまま思い切りぶつけよう」と言葉をかけられていたものの、勢い余って「162%ぐらいの」力が出てしまったらしい。唱歌のように温かく懐かしい響きの最新シングル曲「燦々」の後には、KREVAの「イッサイガッサイ」をカバー。楽曲の後半でステージに飛び込んできたKREVAと再び共演した。



「凄かったねえ。あの熱気の人がいなくなったら、寂しくなっちゃったなあ……」と呟くKREVA。「くればいいのに」の切々とした曲調に乗って聴こえてくる歌声は、椿鬼奴、後藤輝基(フットボールアワー)、藤井隆らである。クライマックス感を演出して執拗に歌い続ける3人の姿に、場内からはクスクスと笑い声が漏れ聞こえていた。衣装を変えたKREVAが「司会のクレ宏です」と告げ、往年の歌謡番組風に藤井隆の主宰する音楽レーベル=SLENDERIE RECORD所属の3人をあらためて紹介する。拘りに満ちたレーベルの活動姿勢を絶賛し、椿鬼奴によるシティポップ「Love's Moment」(作曲は堂島孝平)、後藤輝基による「ハートのIgnition」(福永恵規のシングル曲カバー)、そして藤井隆による「ヘッドフォン・ガール -翼が無くても-」(作詞・作曲は堀込泰行)と、驚くほど上質なポップソングの数々が披露されるのだった。さらに藤井隆は、2000年のデビュー曲「ナンダカンダ」も振り付きのダンスとともに熱唱である。







そんな歌謡番組風の流れの中で、華々しく響き渡るのは久保田利伸 meets KREVA名義による「M☆A☆G☆I☆C」。2人が歌い出す瞬間にロゴ入りのカラーテープが放たれ、軽やかなステップを踏みながらソウルフルな歌唱力を刻みつける久保田利伸である。ここでKREVAは、力強いR&Bのみならずしっとりとしたバラードも久保田利伸の持ち味であることを力説し、往年のシングル曲「Cymbals」をリクエストする。作曲は、KREBandの柿崎洋一郎によるものだ。味わい深い節回しで歌い上げ、ミラーボールの反射する光が武道館の天井に映り込むさまは、さながら瞬く星々のよう。歌詞と視界が折り重なって、何ともロマンチックな一幕である。



そして久保田利伸による「KREVA!! It’s Showtime!!」と景気のよい呼び込みを経て、ド派手な渦模様の柄(デザイナー氏によると、混沌とした時代を表す渦の中に形作られたハートマークは、愛に満ちた新章の幕開けを表しているという)のセットアップに身を包んだKREVAが、「基準」のソリッドかつ猛烈なラップを手始めにフェスの一夜を最高潮へと持ち込んでいった。「パーティーはIZUKO?」でのオーディエンスは、レスポンスの声の代わりに一面のハンドサインで《ここだ!》と応えていた。そして「人生」や「居場所」が、コロナ禍の苦難にもさらされてきた<908 FES>を明るく照らし出すように響く。





ここで、三浦大知名義のコラボ曲「Your Love feat. KREVA」のイントロが聴こえてくるのだが、当の三浦大知をマネージャーに扮した藤井隆が次の仕事現場に連れて行こうとする寸劇がスタート。後藤輝基や椿鬼奴も姿を見せて話をややこしくしているところに、「Your Love」を歌い出した久保田利伸の声がすべてを掻っ攫ってゆく。笑いとサプライズの喜びに満ちたこの展開は、かつて<908 FESTIVAL 2014>で三浦大知が久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」を熱唱したときを彷彿とさせていた。ベンチに腰掛けて久保田利伸の歌声に聞き惚れていたKREVAと三浦大知も最後には参加し、豪華3人コラボの「Your Love」が完成である。偉大な才能とともに築き上げてきた<908 FES>の歴史に基づいて、KREVA自身が手掛けたドラマティックな演出が見事だ。

バンドメンバーのソロリレーを含む「スタート 〜2019 ver.〜」や、楽曲そのものが生き物のように成長し続けるソロデビュー曲「音色 〜2019 ver.〜」でライブ本編を締めくくると、アンコールに応えて再登場したKREVAは会場に集まってくれた観衆へ「いろんなことがある中で、よくぞこのフェスを選んでくれました」と感謝の念を伝える。コロナ禍の苦難を振り返りながら「Finally」の猛烈なラップを飛ばし、客電全灯で<908 FES>に居合わせたすべての人々に思いを投げかけるような「LOOP END / LOOP START」で万感のフィナーレへ。最後にはあらためて出演者全員が揃い踏みとなり、大きな拍手に包まれてお辞儀する。音楽は、ミュージシャンだけのものではない。それぞれの毎日を生きる人々が集う「場」としての音楽が、<908 FESTIVAL 2022>を満たしていた。

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セットリスト

<908 FESTIVAL 2022>
9月23日(金・祝)@日本武道館

KREVA
M1.クラフト
M2.王者の休日〜2019 ver.〜
M3.Fall in Love Again feat. 三浦大知

三浦大知
M4.Blizzard
M5.Touch me
M6.About You
M7.飛行船
M8.燦燦
M9.イッサイガッサイ

藤井隆、椿鬼奴、後藤輝基(フットボールアワー) from SLENDERIE RECORD
M10.くればいいのに feat. 藤井隆、椿鬼奴、後藤輝基(フットボールアワー) from SLENDERIE RECORD
M11.Love’s Moment
M12.ハートのIgnition
M13.ヘッドフォン・ガール - 翼が無くても-
M14.ナンダカンダ

久保田利伸
M15.M☆A☆G☆I☆C 久保田利伸 meets KREVA
M16.Cymbals

KREVA
M17.基準〜2019 ver.〜
M18.パーティはIZUKO?
M19.人生
M20.居場所
M21.Your Love feat. KREVA、久保田利伸/三浦大知
M22.スタート〜2019 ver.〜
M23.音色〜2019 ver.〜
アンコール
EN1.Finally
EN2.LOOP END / LOOP START

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