【インタビュー】Da-iCE、「本気の歌とダンスを」

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8月22日に配信限定シングル「イマ」、10月19日には「Answers」をリリースしたDa-iCE。1月9日からはファンミーティングツアー<Da-iCE FUN MEETING TOUR 2023>をスタートさせ、2023年6月からアリーナツアー<Da-iCE ARENA TOUR 2023 -SCENE->の開催、ニューアルバム『SCENE』のリリースも発表され、怒涛の活躍をみせている。

◆撮り下ろし写真

とりわけ「イマ」収録曲の「スターマイン」は、TikTokを中心に大きなバズりを見せており、「CITRUS」に次ぐヒット曲になりつつある。そんな勢いづいている今のDa-iCEにインタビューを実施。「スターマイン」、「Answers」について、そしてツアーに向けた心境などを聞いた。

  ◆   ◆   ◆

■アンチが発生しないとヒットにもつながらないって思う

──まずは「スターマイン」についておうかがいさせてください。様々な媒体ですでにお話されていますが、改めてどんな楽曲なのでしょうか。

工藤大輝:いろんな媒体で説明しているんで、違うことを言わせていただこうと思います。

花村想太:さすが!

工藤:「スターマイン」は夏曲で、和をイメージしたお祭り系の曲ですね。

岩岡徹:さっきインタビューしてもらった媒体さんと同じ内容じゃねーか!

花村:それ、ネットに載ってる内容やで!

工藤:まぁ、いろんなことを意識して作って、結果いろんなことが起きたっていう曲です(笑)。これまでも断片的に「ダンスがバズったらいいね」というようなことを考えてやってはいましたが、曲全体を通してTikTokというSNSを明確に意識したのは初めてかもしれないです。そういった仕掛けの糸がちゃんと引っかかったのは良かったですね。



──例えばサビを曲の頭に持ってくる、その尺が15秒というのは聴いた時にわかったのですが、それ以外だとどんな仕掛けがあるのでしょうか。

工藤:頭サビを15秒で完結するとなると、BPMを130にしなきゃいけないんですね。でも、歌い出しの想太の“ああ”っていうガナリを入れると15秒をオーバーしちゃう。なので、最初はBPM130で作っていたのを131にして。“ああ”を入れた分、一般的な15秒とは違う計算をしています。

大野雄大:(小声で)うわ……。そこまで考えるって変態っ!

工藤:褒め言葉として受け取っておく(笑)。

──(笑)。もう1つ気になっていたのですが、8月22日というリリース日はなにか狙いがあったのですか? 夏の終わりに夏真っ盛りな楽曲をリリースされたので意図があるのかな、と。

工藤:ないです! できればもっと早く出したかった(笑)。

岩岡:意図があったバージョンの回答ももらっときましょう。良い方を使ってください。

工藤:OK。もし夏真っ只中のリリースだったら、少しわかりやすく海をイメージした4つ打ち系の楽曲にしたと思うんですね。でも、夏の終りにリリースするということで、物悲しさもなきゃいけないなって。夜や和、花火、お祭りの後の寂しさみたいな部分があったほうがいいなと思って、ああいった楽曲にしました。リリース日に意味があるのではなく、楽曲をリリース日に合わせた感じですね。

大野:よく咄嗟に出てくるな。大輝くんが言ってること、今後一切信じない!

花村:正直に言うと、この曲は裏側の事情で楽曲制作が2転、3転したんですよ。なかなか制作を進められないうちに、「やばい、夏終わるぞ!」みたいな状況になって。

工藤:そうね。締め切りギリギリに作ったので、結果夏の終わりを感じながら作ったところはあったかもしれないですね。


──なるほど。歌詞の内容も様々な考察がされていました。以前、私も考察記事を書かせていただいたのですが、その記事を花村さんがリツイートしてくださって。そこで「僕は今度是非言いたい。『四の五の言うなよ“ロクデモナイ”』に隠されたもう一つの意味を」と仰っていたのですが、ぜひ聞かせていただきたいです!

花村:改めて全文読み上げるのやめてもらっていいですか(笑)? めっちゃ恥ずかしい!

大野:さすがミュージカルやってるだけあるツイートだね。

花村:いや、大輝くんも言っているんですけど、四の五の言ってる“ロクデモナイ”人は六面(Da-iCEのファンの呼称)でもないでしょ、っていう意味です。それだけ(笑)。

──ありがとうございます! 読めば読むほどDa-iCEさんの反骨精神のようなものが伝わってくる歌詞ですよね。

工藤:すごくパンチのある曲がヒットすると、絶対「俺はあの曲好きじゃない」っていうカウンターが生まれるじゃないですか。それは良いことで。そういったアンチが発生しないと、ヒットにもつながらないって思うんですよね。でも言われっぱなしは癪だなって思ったので、こういうアンチをねじ伏せるような歌詞を書いたところはありますね。書いておけば、後々ファンの方が「この曲でこういうこと言ってるじゃん」ってカバーしてくれるだろうっていう信頼のもと書きました。

和田颯(以下、和田):“碌でもない”だし、“六(面)でもない”って、頭の中どうなってんのかなって思いますよね。

──本当に。ボーカルのお二人は様々な狙いがこもっている「スターマイン」をどう歌われたのでしょうか。

大野:実は、すごく難しいです。最初のガナリもそう。ガナろうと思ったらみんなガナれるとは思うんですけど、無理な力が入ってないだとか、出し方にもコツがあるし。あとはサビのリズム、音の踏み方なんかも完璧に歌おうと思ったら結構難易度が高いんですよね。まさに“ロクデモナイ”の部分も、音を一個一個シャクってシャクって、最後に下げるとか。いろんなテクニックを駆使しないと歌えない曲だと思います。

花村:それと、バズらせるためにキーを3つ上げたのは正解かなって。

大野:(カッコつけながら)4つでもなく、2つでもなく、3つなのにすごく意味があるんですよ……。

岩岡:だっさ(笑)!

花村:あはは! デモから3つ上げたんですよ。珍しく大輝くんのデモだったんですけど、それもキーを上げていて大輝くんの声じゃなくなっていました。最初大輝くんが録った時はもっと低かったんでしょうね。

工藤:2人が歌う想定なんで僕はマイナス3音くらいで作って、それを3つ上げて提出しています。だから結果、6音上がってるんですよね。


──ほぼオクターブ違っていたんですね。

大野:Da-iCEってやっぱり6っていう数字が大切なんで。そっちが3つ上げてくるなら、こっちも3つ上げようって。

工藤:無理に意味持たせなくていいよ(笑)。

花村:でも上げたことでパワー感が出ましたよね。我々、最近おいしいキーポジションが変わってきつつあって。昔はAとかBがおいしいとされていて、たまにCがあると映えるよねっていう感じだったんです。その後高い楽曲がはやり始めたので、シングルを出す度にDばっかり出すようになったことで発声の仕方が少しずつ変わりました。結果、2人ともおいしいキーポジションがCあたりになっちゃったんですよね。

大野:「DREAMIN' ON」ってサビメロの中にHi-Cがあるんですよ。当時、僕、正直それが嫌だったんです。今までだったらアクセント的にHi-Cを踏むことでおいしさや変化球になっていたのに、メロで入ってきちゃってたんで。でも、今は「DREAMIN' ON」って低いなって思ってます。喉の調子が悪くても歌える。

花村:そうなんですよ! もはや安心して歌えるキー。

──年齢を重ねると音域が下がる方も多いのに、すごいです。

花村:多分、筋力で引っ張るだけじゃなくて、綺麗な発声方法に寄ってきたんだろうなって。僕は雄大くんの発声を参考にしてやってきたんですけど、「あと最低でも5年は歌える」って思えるくらい無理のない発声ができるようになっています。自分で「成長してんな〜」って思っていたら、キーも上がっていました。

大野:(腕を45°から水平に動かしながら)こうだったのが、こうなってるんですよ。

──えっと……。

岩岡:これ、動画じゃなくて文字のインタビューな。伝わんないから!

工藤:こういう顔文字入れておいてもらっていいですか(笑)? (^o^)/→(^o^)_

大野:喉のバロメーターでいうと、高音と低音のどっちかだけが上がるって声帯的にないんです。高音が上がると低音が下がる。地声のG、A、Bあたりが薄くなりつつも、高音が安定して出るようになる感覚。結果、バロメーターが水平に近くなっていく感じです。

花村:僕、昔はもっと無理な歌い方してたんですよね。全部地声でいこうとしてたし、裏声も出ないし、声帯のこともわかってなかったし。でも近くに雄大くんっていう発声の天才がいるので、ミックスボイスと言われるところに近づいている感じがします。

大野:天才の部分は太文字にしておいてください。

花村:あはは! 本当に天才だと思うので、いろんなことを学んでいます。



──歌声も然ることながら、s**t kingz・shojiさん振付のダンスも印象的です。

花村:止めがはっきりしている振付ですよね。みんなで止まっているところで1人がいきなり動き出す、とか。踊るところは踊っているけど、余白が多い振付かなって思います。

工藤:最近shojiくんそういうの多いよね。

和田:マジで疲れるんですよ。だから次からサビはローカルカンピオーネさんの振りにしようかなって(笑)。でも、キツイ分楽しさはありますけどね。勝手に笑顔になる曲っていうか。“痛気持ちいい”みたいな感覚です。

工藤:歳を取ったこともこの振りにプラスになっているかもしれない。若い子があの振りをしたら、キャピキャピするかも。僕らも10年前だったら踊り方が違ったかもしれないです。

和田:たしかに。(“上がって がって 合点”の振りをしながら)こうはノれないよね。

花村:僕は3回に1回くらい振付遅れますね。“四の五の言うなよ 鍵屋 玉屋”で1人だけズレている時があるんですよ。

工藤:某テレビ番組で盛大に間違えて、記録に残ってます。


──ファンの方は要チェックですね(笑)。

花村:もうTikTokに上げられています! こいつ、テレビでミスってるやんって(笑)。

和田:ファンの方って、そういうの鋭く見つけるよね〜(笑)。

岩岡:でも本当にめっちゃ大変なダンスでしたね。最近2曲だけパフォーマンスすることがあって、1曲が「スターマイン」だったんですけど、喉がカラッカラになりました。新曲は大体そうではあるんですけど、今回は異次元に大変です。この先ライブで何回かやっていくうちに、個性が出てくる気がしています。

◆インタビュー(2)へ
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