【ライブレポート】ラトゥラトゥ、約3年ぶりのワンマン開催「1個だけ言っていい? 大好きです」

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チャンネル登録者数224万人を誇るYouTuberのタケヤキ翔による音楽プロジェクト、ラトゥラトゥが約3年ぶりとなるワンマンライブ<ラトゥラトゥ 2nd LIVE ログイン TOKYO 2023>を2月5日(日)に東京・渋谷WWWで開催した。

本公演は<2nd LIVE TOUR>と題して東京と大阪で行なわれるワンマンのうちのひとつで、ラトゥラトゥとしては、2019年12月28日に渋谷duo MUSIC EXCHANGEで実施したデビューライブ以来、これが2度目となる貴重なワンマンだ。

見事にソールドアウトを記録し、渋谷WWWのフロアは観客でぎっしりと埋まっている。定刻を少し過ぎた頃、サポートメンバーのSATOJI(Gu/Nyse.S.W)、奏(Ba/Bubble Baby)、Hiroki(Dr/C-GATE)を率いて、デニムコーデをカジュアルロックに着こなしたタケヤキ翔が登場。「始めるぞ、東京!」と呼びかけ、バンドの爆音がいきなりド派手に炸裂する「アシメゴースト」からライブがスタートした。



さらに、同期のデジタルサウンドをより強く打ち出した「閲覧注意」、ノスタルジック&キャッチーに振り切ったタケヤキ翔名義のナンバー「未来のヒーローたちへ」(TVアニメ『組長娘と世話係』オープニングテーマ)と、曲によってはリリックムービーを駆使しつつ、のっけから持ち前のパワフルなボーカルを心地よく響かせ、色とりどりのアプローチで魅せるタケヤキ。本当にひさしぶりとなるワンマンの感触、その喜びを一つひとつ確かめるように歌う姿にもグッとくるものがある。


「コロナ禍が始まったのをきっかけに、なかなかワンマンができなくて……こうして長尺でやるのはなんと2回目なんです。まだぜんぜん新米アーティストではあるんですけども、いつの間にか活動歴が4年くらいになってました(笑)」とタケヤキは感慨深げに話し、新グッズのロゴライトバンドを掲げて祝うオーディエンスの反応に嬉しそうな顔を見せる。この日はライブというものに足を運ぶこと自体が初めての方も多かったようだ。いつも画面越しに観ていたファンも、彼のために勇んでログインしに来てくれたのだろう。

「このあと大阪公演もありますけど、今日は東京でしか楽しめないようなライブにしたいと思ってるので、いっしょに忘れられない日にしましょう!」と意気込み、続いては先日MVを公開したばかりの最新曲「パラダイスロスト」を初披露。ONE OK ROCKやUVERworldとの仕事で知られる平出悟がプロデュースを手がけたロックチューンを通して、攻撃的なラップ&迫力満点のエッジボイスといった新境地を覗かせたのに加え、自身のYouTubeチャンネル動画のエンディングを約1年間飾ってきた「シネマヴィラン」も投下されれば、声出しはまだできない状況ながらも満員のフロアから盛大なハンドクラップが沸き起こり、ライブ慣れしていないファンの心もいい感じにほぐれていく。



中盤では「ソロの体制になって初めてのワンマンなので、いつもと違うことをしたい」と、「僕らの言うとおりに」をアコースティックでプレイする流れに。何かに導かれるように始まったラトゥラトゥの成り立ちを踏まえてデビュー曲のタイトルを「神様の言うとおりに」としたこと、これからの未来は自分たちが決めていこうという結論のもとでラトゥラトゥ第1章の締め括りを「僕らの言うとおりに」としたことが改めて語られる。そんな感傷的なムードも漂う中、ハイチェアに腰掛け、歴代曲の歌詞を丹念に織り交ぜた思い出深いナンバーをしっとりと聴かせてくれた。


ステージに稲妻が映し出されて雷鳴が轟くインタールードを挟み、再びバンドセットでライブは後半へ進む。妖艶さとEDMテイストを掛け合わせた重厚な「百火繚乱船」でもう一段ギアが上がり、東京ワンマンならではの選曲「東京アップデート」では、奏の高速スラップ弾きやHirokiのエネルギッシュなドラムで熱を帯びたグルーヴに乗せて、タケヤキがさらに活き活きと躍動。そのハイトーンボイスを存分に輝かせ、凛としたラトゥラトゥの今を強く印象づけてみせる。




頼もしいバンドメンバーを紹介したあとは、「もっと盛り上がりたい!」とタケヤキがオーディエンスをリードしながらクライマックスに突入。渋谷WWWをガツンと揺らす歓喜のジャンプを誘った「妄想ディーバ」、ラトゥラトゥの代名詞と言えるバキバキかつ洗練されたサウンドが光る「絶命ロック」を勢いよく届け、4人は充実の表情でステージを降りた。



全員がグッズの白ロングスリーブTシャツを着て戻ってきたアンコールでは、タケヤキが初めて作詞・作曲を手がけた「Hello Hello」を演奏。間もなくやって来る春にふさわしいミディアム曲で、辺りを温かくやわらかな空気で満たす。


「『Hello Hello』を作って1年が経ったんですけど、時が過ぎるのは本当にあっという間で。気がついたら歳を取ってるんだなって感じたりもします。でも、1年続けてこられたことが奇跡だとも思ってます。みなさん、これからもどうかタケヤキ翔、ラトゥラトゥについてきてください。今日はありがとうございました!」

感謝をしっかりと伝え、ラストは衝動にあふれたデビュー曲「神様の言うとおりに」。間奏でタケヤキが「1個だけ言っていい? 大好きです」と歌詞に絡めてファンへ改めて愛を囁いたりと、中毒性抜群のノリとバンドサウンド、耳なじみのいいメロディをもってフロアを大いに踊らせる。これで終演の予定だったが、最後の最後にもう一曲、この日のセットリストから急遽リクエストを募って2回目の「絶命ロック」をパフォーマンスするという大サービスも。場内の興奮がピークに達し、記念撮影とともにラトゥラトゥの2ndワンマンは幕を閉じた。



なお、タケヤキ翔がYouTubeを始めてちょうど10年を迎える節目の2月21日(火)には、本公演のダイジェスト動画がオフショットを含めてアップされるとのこと。そして3月5日(日)には、大阪・umeda TRADでのワンマンライブ+ファンクラブイベントも開催となる。東京とはセットリストが変わる予定なので、新たな試みにも期待しておこう。

取材・文:田山雄士

【セットリスト】

01. アシメゴースト
02. 閲覧注意
03. 未来のヒーローたちへ
04. パラダイスロスト
05. シネマヴィラン
06. 僕らの言うとおりに(acoustic)
07. 百火繚乱船
08. 東京アップデート
09. 妄想ディーバ
10. 絶命ロック
En1. Hello Hello
En2. 神様の言うとおりに
En3. 絶命ロック

<ラトゥラトゥ 2nd LIVE ログイン OSAKA 2023>

日時:3月5日(日)OPEN 17:15 / START 18:00
会場:大阪・梅田TRAD
チケット一般販売(先着)
https://l-tike.com/st1/takeyakisyou_230205
券売受付期間:2月28日(火)18:00まで
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