【ライブレポート】KNOCK OUT MONKEY主催<猿爆祭>にcrowd of rebellion、オメでたい頭でなにより「一生もんの友達」

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KNOCK OUT MONKEY主催フェス<猿爆祭2023 in Tokyo>が、2月4日に恵比寿リキッドルームで行なわれた。オープニングアクトを加えて全4バンドが出演した同フェスのレポートをお届けしたい。

◆<猿爆祭2023 in Tokyo> 画像

2004年から自身の地元である神戸で不定期に開催してきたのが<猿爆祭>だ。3年ぶりの開催となった2022年7月には、大阪城野外音楽堂に会場を移し、アイドルやV系など様々なジャンルがクロスオーバーするお祭り感たっぷりの過去最大フェスを実施した。東京での初開催となる今回、KNOCK OUT MONKEYが選んだ会場は、バンドの原点とも呼べるライブハウス。そして集結したのは、彼と交流の深いバンドたちだった。



▲Wisteria

オープニングアクトを務めたのはWisteria。平均年齢20歳という若々しさで、容赦なくエネルギーを放出。ラウドな質感でありながら、女性ボーカルのミイは爽やかさとかわいらしさも歌に散りばめる。オーディエンスの気持ちをつかみながら展開するステージに、今後の活躍も大いに期待させた。




▲a crowd of rebellion

「行こうか、猿爆祭!」と煽りながらバンドサウンドを炸裂させて始まったのは、新潟のa crowd of rebellion。宮田大作(Vo)はストロングスタイルの咆哮やデスボーカルを決め、ギターも兼任する小林亮輔(Vo, G)はハイトーンのメロディアスな歌も聴かせる。そして丸山漠(G)は、タッピング奏法も駆使しながらメロディアスかつトリッキーなプレイを展開。ラウドスタイルだが、耳に引っ掛かりのある多彩なワザを繰り出す。様々なスパイスを効かせたうま味は、まるでKNOCK OUT MONKEYのナオミチ(Dr)の経営する『Ride Me』のビーフタコスを思わせる。

「ノクモン(KNOCK OUT MONKEY)の思いっきり心の入っているイベントが、俺らの今年一発目のライブというのが、とても光栄で、とても嬉しいです。その気持ちを全面に出していくんで、最後までよろしく」

嬉しさを全面に出していくと、何事も激しくなるのがa crowd of rebellion流。宮田は上半身ハダカになり、新潟米で育んだマッチョな肉体も見せつけながら吠え続ける。さらにSiMのMAHのごとく中指を立てて「死ねー!」と叫ぶわ、楽器陣は限界突破の勢いでブラストビートも決めるわ、華麗なギターソロもあるわで、やりたい放題。ラウド好きにとって快楽のカオスを作り出した。そんなa crowd of rebellionは4月、<KNOTFEST JAPAN 2023>に出演することも決定している。




▲オメでたい頭でなにより

続いて登場したのは、オメでたい頭でなにより。騒ぎを起こさせりゃ、右に出るものはいないってぐらいのお祭り野郎たちでもある。のっけからヘヴィもポップも自由自在に操りながら、オーディエンスの身も心も躍らせていく。

「猿になる準備はできてるか!」とぽにきんぐだむ(G,Vo)が陽気に問いかけたと思えば、赤飯(Vo)は妙にカッコつけたV系的なしゃべりでボケ倒し、笑いも起こす。マキシマム ザ ホルモンのフランチャイズバンド=コロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)で“セキはん”として活躍する男だけに、隙あらばお笑い怪獣にも変貌するのが赤飯だ。「一切、ボケるつもりはございません。ブチかましていくから掛かってこい!」といきり立ったのはいいが、続いて赤飯が女性声で歌う「推しごとメモリアル」にオーディエンスはズッコケる。その曲、実はサビになると全員が楽器を置いて歌も演奏も音源を流しながらの当て振り。メンバー全員が踊りながら完全にエアバンドと化した。ボケまくりもいいとこだ。

とはいえ、超絶なスラップ奏法やツインギターの掛け合いなど、演奏技術はピカイチ。赤飯の歌唱力も抜群。メンバーそれぞれのセンスがみっちみちに詰まっていて、それでいて分かりやすいサビやキャッチーさも随所に光る。その濃厚で後引くうまさは、KNOCK OUT MONKEYのdEnkA(G)が営む『串かつ でんちゃん』の裏メニュー〆のおでん出汁うどんを思わせた。


▲KNOCK OUT MONKEY

SEに合わせて鳴り響くハンドクラップに迎えられ、20時30分にステージに現れたのは、トリのKNOCK OUT MONKEYだ。「JET」を皮切りに始まったライブは、彼ららしい大陸的な力強さあるリズムに、w-shun(Vo, G)のハジけた歌声が重なり、曲や音を浴びているだけで気分爽快。またアグレッシヴにライブパフォームを決める亜太(B)、確かなギターテクニックでも魅了するdEnkA、見せるドラミングで引き付けるナオミチなど、プレイヤーとしてもそれぞれ華があるKNOCK OUT MONKEY。オーディエンスの気持ちをつかみながら、熱気も熱量も高まっていくばかり。w-shunが歌の合間に「遊ぼうぜ、東京!」と叫ぶと、オーディエンスは両腕を突き上げ、KNOCK OUT MONKEYとひとつになっていった。

「祭りやってまっか。ええ顔してるよ。あなたの時間なんで、思いっきり遊んでいってください」

ライブ序盤は勢いある曲を畳みかけたKNOCK OUT MONKEYだが、その言葉を合図に陽気なメロディやピースフルな空気でも包む。コーラスの代わりにフロアでは腕が左右に揺れ、「Laying down the rails」を彩っていく。その光景を見るメンバー4人はもちろん、オーディエンスも笑顔。


▲w-shun(Vo, G)


▲dEnkA(G)

またライブ中盤過ぎのこと。本日の出演バンドたちを“一生もんの友達”と改めて紹介し、ステージにa crowd of rebellionの宮田と小林を呼び込んだ。そして始まったのは「Black or White」。ボーカル3人は張り合うようにパワー全開で歌いまくり、曲を過激に変貌させていった。次にa crowd of rebellionからバトンタッチして現れたのは、オメでたい頭でなによりの赤飯とぽにきんぐだむ。3人は掛け合いのように歌を重ね合い、スケール感と勢いマシマシの豪快な「Scream & Shout」が会場を揺るがす。おまけにa crowd of rebellionの宮田もダンサーとして加わって、オーディエンスをさらに盛り上げる。まさにお祭り騒ぎだ。

そんな最高潮のムードの中、「空に届かせるために、一緒に歌ってくれ!」と突入したのはhide with Spread Beaverのカバー「ever free」。永遠のヒーロー=hideに誓うように、w-shunはもちろん、楽器陣の3人も口ずさみながらプレイする姿が熱い。そしてライブのラストは、明日への活力になるメッセージと鼓舞させるパワーを思いっきり込めながら「Flight」へ。


▲亜太(B)


▲ナオミチ(Dr)

「もっとグッチャグチャの光景が見たい。だから俺ら、頑張るわ。頑張ったあかつきに、またここで会おう!」

原点のライブハウスで力強く言い放つw-shun。その言葉に会場を埋めたオーディエンスやステージ袖にいる共演バンドたちからコブシも突きあがる。<猿爆祭2023 in Tokyo>は最後の最後まで熱い祭りとなった。KNOCK OUT MONKEYは4月、7都市を廻る<KNOCK OUT MONKEY SPRING TOUR 2023 “7CITIES”>を開催することが決定している。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎SUGI (KNOCK OUT MONKEY, Wisteria)/ゆうと。(オメでたい頭でなにより, a crowd of rebellion)

■<KNOCK OUT MONKEY presents『猿爆祭2023 in Tokyo』>2月3日(金)@東京・恵比寿LIQUIDROOM

【Wisteria】
1. Sign
2. ラブトレイター
3. No Way
4. シグナス
5. THE FLAME
【a crowd of rebellion】
1. Re:Create of the Re:d
2. Sleepless Mantis
3. TFTL
4. Racoon Dead
5. M1917
【オメでたい頭でなにより】
1. 超クソデカマックスビック主語
2. 哀紫電一閃
3. 推しごとメモリアル
4. えんがちょ!
5. HAKUNA MATATA
6. スーパー銭湯〜オメの湯〜
7. オメでたい頭でなにより
【KNOCK OUT MONKEY】
1. JET
2. Our World
3. BRAVE OUT
4. Laying down the rails
5. 24
6. Black or White feat.リベリオン
7. Scream & Shout feat.オメでた
8. ever free
9. Flight

■<SPRING TOUR 2023 “7CITIES”>

4月01日(土) 札幌・BESSIE HALL
4月08日(土) 高松・DIME
4月09日(日) 福岡・LIVEHOUSE OP’s
4月21日(金) 名古屋・ElectricLadyLand
4月22日(土) 金沢・vanvan V4
4月29日(土/祝) 東京・WWWX
5月02日(火) 大阪・梅田CLUB QOATRO
▼チケット
http://eplus.jp/kom-7cities/


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