【インタビュー】Crystal Kay、深田恭子主演ドラマ劇中歌収録EPにジャズ「私にとってチャレンジだった」

■日本と世界の架け橋になりたい
■そういう気持ちはずっと続いていて

──では、『Start Again EP』収録曲について聞かせてください。「Start Again」は、“人生のセカンドアクト”をテーマにした楽曲。

Crystal Kay：Emiは私の恋愛事情もよく知ってるので（笑）、恋愛トークをしながら制作してました。ドラマ『A 2 Z』では、主人公の女性(深田恭子が演じる大手出版社の文芸編集者)が年下の男性と恋に落ちるんですが、新しい何かが始まるというか、“そういう恋愛もいいかもね”という感じがあって。「Start Again」の歌詞はそこまでストーリーに沿っているわけではなくて、私たちくらいの世代の女性の気持ちも反映したいなと思ってたんですよね。具体的なことはあまり描いていないんですが、恋愛にしても仕事にしても“今のままでいいのかな”というタイミングがあるだろうし、私の周りを見ていても、出産だったり離婚だったり、いろんなことが起きてるので。新しいことはいつでも始められるという気持ちも込めているし、かなりリアルな歌詞になっていると思います。



──「How You Feel」は、上品な官能性が感じられる楽曲。そして「Spark」は気持ちが弾むようなメロディやサウンドが印象的でした。

Crystal Kay：「How You Feel」は“ふたりだけの空間”をイメージして制作しました。そういう感覚を思い出しながら作ってましたね。「Spark」は“この人がいれば、何もいらない”という感じかな。恋愛がはじまったときって、そういう気持ちになるじゃないですか。どの曲もそうなんですけど、ドラマ『A 2 Z』に合わせて作るんじゃなくて、映像よりも曲が先だったんですよ。むしろ「楽曲を流しながら撮影したいので、先に曲を作ってほしいです」と言われて。締め切りは大変でしたけど（笑）、映像ともすごくマッチしていると思います。

──ノラ・ジョーンズの「One Flight Down」のカバーはいかがでした？

Crystal Kay：超緊張しました。“ノラはノラ”というか、彼女が歌えば、あの雰囲気になるじゃないですか。それを私らしく表現するのがすごく難しくて…気に入ってもらえるとうれしいですね。歌詞も素敵なんですよ。恋愛でも仕事でも、若いときは素直になれなくて、チャンスを逃してしまうことがある。でも、年齢を重ねるなかで、“大切なものはすぐ近くにあったんだな”って気づくという。「One Flight Down」は“ひとつ下の階”という意味なんですけど、この曲のなかでは、下の階の部屋から聴こえてくるメロディを“逃してしまった恋”に例えているんですよ。



──洒落てますね。『Start Again EP』の楽曲をライブで聴けるのも楽しみです。

Crystal Kay：アコースティックな雰囲気のライブをやりやすくなったなって、私も思ってます。ぜひ実現させたいですね。

──最後に2023年のビジョンを教えてもらえますか？

Crystal Kay：小さい頃から思い描いていた、“日本と世界の架け橋になりたい”という気持ちはずっと続いていて。2023年は演技にももっとトライしたいですね。子どものころから興味があったんですけど、今はストリーミングの時代だし、コロナ以降、オーディションも世界的にセルフビデオが中心になっているので、チャンスは広がってると思う。もちろん音楽制作も続けたいです。2024年は25周年なので、アルバムを作りたいんですよ。

取材・文◎森朋之





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