【ライブレポート】アーチ・エネミー、5年ぶりジャパンツアー開幕

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2021年に結成25周年の節目を迎え、2022年8月には11作目のオリジナル・アルバムにあたる『デシーヴァーズ(DECEIVERS)』を発表しているアーチ・エネミー。同作に伴うワールド・ツアーの一環としての日本公演が、2月22日、Zepp DiverCity Tokyoで幕を開けた。

◆アーチ・エネミー 画像

初期からコンスタントにこの国を訪れてきた彼らだけに、過去の日本公演の歴史を辿ってみても3年以上のブランクが生じたことはなかったが、いわゆるコロナ禍を挟んできたこともあり今回は実に丸5年ぶりの日本上陸。事前に公開されていた各メンバーからのビデオ・メッセージの中でも「久しぶりのジャパン・ツアーを楽しみにしている」といったことが異口同音に語られていたが、言うまでもなくそれは彼らとの再会を待ち焦がれてきたファンにとっても同じこと。双方の発する熱が満員の場内に渦巻いたツアー第一夜は、大盛況のうちに終了した。



このツアー自体がこれから札幌、名古屋、大阪、福岡、そして再度の東京公演へと続いていくだけに、具体的な演奏曲目等については触れずにおくが、あくまで最新作の『デシーヴァーズ』を軸としながらも過去さまざまな時代の楽曲が盛り込まれたセットリストは、まさしく必殺曲のオン・パレード。基本的には今回の来日直前に行なわれていたオーストラリア/ニュージーランド・ツアーの際の演奏内容に通ずるものではあったが、この先、各地での公演が続いていく中で新たなサプライズが登場する可能性もあることだろう。

そして実際の曲目以上に重要なのは、そのライブのスキのなさだ。アグレッシヴなヴォーカルと演奏にはいっそう磨きがかかり、だからこそマイケル・アモットとジェフ・ルーミスの奏でるギターの豊潤なメロディの魅力がさらに際立つ。そんなアーチ・エネミーならではの特性が遺憾なく発揮されたライブが、オーディエンスに満足をもたらさないはずがない。フロントを務めるアリッサ・ホワイト=グラズの、二度のコスチューム替え(正確には、ローブのようなものを羽織って登場)を挟みながらの堂々たるパフォーマンスにも、従来以上に求心力の強さを感じさせられた。




この夜の演奏はアンコールも含めて約90分。終演後、Twitter上には来場者による「控えめに言っても最高!」「マジに泣いた!」「鳥肌が立ちっぱなし!」といった満足度と興奮度の高さがうかがえる書き込みが目立っていたが、バンド側のオフィシャル・アカウントにも「東京! ついにこの日が来たよ。みんなが一緒に大合唱してくれるのを聞いた瞬間、胸が熱くなって心から感動したよ」といったコメントが躍っていた。そう、アーチ・エネミーが帰還を果たしただけでなく、いわゆる“声出し”が解禁となり大合唱も戻ってきたのだ。

あくまで攻撃的なスタイルを貫き、その切れ味に磨きをかけながら円熟味すらも増している現在のアーチ・エネミーが、まさしく過去最強の状態にあることは間違いない。そんな彼らの“今”を、是非この機会に堪能して欲しいところだ。また、この公演当日に開催が発表された3月4日の追加公演(代官山SPACE ODD)にも注目したい。


取材・文◎増田勇一
撮影◎Masayuki Noda

■<ARCH ENEMY「DECEIVERS JAPAN TOUR 2023」>

2月22日(水) 東京・Zepp DiverCity Tokyo ※公演終了
2月24日(金) 北海道・Zepp Sapporo
2月27日(月) 愛知・Zepp Nagoya
2月28日(火) 大阪・Zepp Namba
3月01日(水) 福岡・Zepp Fukuoka
3月03日(金) 東京・Zepp DiverCity Tokyo
3月04日(土) 東京・代官山SPACE ODD ※追加公演


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