【ライブレポート】雪見、初のライブツアー「笑顔で始まって笑顔で終わりたいなと思ってやってきた」
歌い手の雪見が2月19日、神奈川・YOKOHAMA Bay Hallで<yukimi One-Man Tour“紫”>のファイナル公演を開催した。和モダン/大正ロマン風のビジュアルテーマのもと、昼公演は“赫”、夜公演は“蒼”というイメージカラーを設け、衣装や選曲でそれぞれの世界観を構築。個性と魅力と笑いを全開にしながらファンを魅了した。本稿では夜公演をレポートする。
◆ライブ写真
バンドメンバーに続き紫の和傘をさした雪見がステージに現れると、フロアからは大きな歓声が上がった。この日はマスクを着用しての声出しがOKということで、テンション高く1曲目「爆笑」からライブがスタート。紫のペンライトが激しく揺れる中、ヘヴィなサウンドと高音のマッチングが気持ちいい「マリオネットラヴァーズ」、イントロで歓声が上がった「馬鹿ばっか」とテンポよく進んでいった。
「横浜、元気じゃね!? 仕上がってるやん(笑)!」
来場したファンへの感謝を伝えたあと、言わずにはいられないといった表情でファンのリアクションを喜ぶ雪見。今回は昨年2022年秋に歌い手グループmono palette.としての活動が終了して以来初めてのソロライブであり、自身にとっては初のライブツアー。昨年ツイキャスでツアーの開催を発表した際には緊張と喜びが入り混じったような様子だったが、関東はもちろん、大阪に来てほしい、名古屋でもライブをしてほしいと言ってくれたファンとの約束を果たすべく決断し、開催したツアーの最終公演でこれだけの盛り上がりとなれば、格別な思いが込み上げていたのではないだろうか。どのMCのコーナーもそうだったが、トークの端々で感謝の気持ちや喜びを爆発させつつ、友達のような距離感で会話のキャッチボールを楽しんでいる雪見の様子がとても印象的だった。
昨年2月に行った初のソロライブでお披露目された「アイゾーヘヴン」や、このツアーのキーとなる楽曲として紹介された「遊びの女」、雪見ならではのファルセットを効果的に取り入れながら世界観を表現した「絶え間なく藍色」など、中盤のセクションでは深く濃い個性を放つ楽曲を中心に構成されていた。また、「ワンマンライブだからこそ歌える」ということで選曲されたバラードのコーナーでは、タイトルコールで悲鳴が上がった「きみのかみ」、ピアノ1本をバックにエモーショナルな歌声を響かせた「夜永唄」(神はサイコロを振らないのカバー)など3曲を披露。ドラマティックなライティングやマイクスタンドを使った色気のあるパフォーマンスなど、視覚的にも見応え抜群の仕上がりとなっていた。
切ないバラードの余韻を包み込むような雨音のSEと、流麗なピアノ。繊細な景色を描いていたインストは次第に熱を帯びていき、ライブ後半戦へのエネルギーを漲らせた雪見が衣装をチェンジして再びステージに現れた。跳ねるビートでフロアを踊らせ、ラストのハイトーンが力強く響いた「プロトディスコ」や、イントロが聴こえた瞬間から興奮が渦まいた「ビーバー」、そしてバンドメンバーもがっつり盛り上げた「ダンスロボットダンス」まで全17曲。あっという間ではあったが、しっかり緩急をつけた構成と、ファンを誰1人として置いていかない、みんなで作り上げたいんだというライブに対する真摯な思いがしっかり伝わってくる内容になっていた。
アンコールでは「ヨドバシカメラの歌」横浜バージョンで盛り上がり、みんなで記念撮影。MCではこのツアーを「終わりがあるからこそみたいなところはあるけど、マジで秒だった(笑)」と振り返りながら、最後はこのツアーで初めて披露している未発表の新曲についてトーク。
「ここ最近の俺のオリジナル曲ってあまり前向きな歌詞ではないものが多かったけど、今回はみんなへの感謝を綴った超ハッピーな曲になっています。今回のツアーは、笑顔で始まって笑顔で終わりたいなと思ってやってきた。悲しい報告があったりしたこともあったけど、これ以上マイナスなことは起こさないつもりで前向きに活動していくつもりです。疑心暗鬼になってる部分があるかもしれないけど、俺からマイナスな発信をすることは絶対にないから、これからもついて来てくれたら嬉しいです」
多少照れながらもしっかりと思いを伝えた楽曲のタイトルは、「39℃」。ありがとうの“サンキュー”と、熱量が上がっていく、ボルテージを上げていくという意味を込めて名付けたそうだ。「素直な気持ちをぜひ受け取ってほしい」ということでラストに披露されたこの曲を全力で届け、会場を明るくポジティブなムードで染め上げた雪見。バンドメンバーと共に最高の笑顔で挨拶をすると、名残惜しそうに会場を見渡しながらステージを後にしていた。
取材・文◎山田邦子
写真◎森好弘
セットリスト
2.マリオネットラヴァーズ
3.馬鹿ばっか
4.エンヴィーベイビー
5.アイゾーヘヴン
6.カプリスキャスト
7.遊びの女
8.絶え間なく藍色
9.心象カスケード
10.きみのかみ
11.カメリア・コンプレックス
12.夜永唄
13.キメラ
14.KICK BACK
15.プロトディスコ
16.ビーバー
17.ダンスロボットダンス
EN1.ヨドバシカメラの歌
EN2.39°C
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