【コラム】YOSHIKIプロデュース“XY”、類型化を拒否した前代未聞グループの初ステージと舞台裏に密着

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YOSHIKIプロデュースにより、世界に挑戦を仕掛けるバンド&ボーイズグループオーディションが『YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X』だ。その狭き門を勝ち抜いたメンバー13名からなるグループ“XY”(読み:エックスワイ)が、2月28日放送の日本テレビ『スッキリ』に生出演した。

◆XY 画像

改めてXYという未曾有のグループを紹介しておくと、“バンド”と“ダンスボーカルグループ”の2つに分かれており、前者はカルマ(Vo)、Gai(Vo)、KAIRI(G)、FURUTATSU(B)、kyohey(Drs)の5名からなる。後者は後町和輝(ゴチョウカズキ)、丸尾隼(マルオハヤト)、道木来明(ドウキライア)、kice(キス)、有薗莞爾(アリゾノカンジ)、P→★(ピー)、西垣道隆(ニシガキミチタカ)、藤岡孝成(フジオカコウセイ)の8名で構成されている。彼らがユニークな点として、両グループ内でメンバーが流動的に往来し、アメーバのように形を変えるグループであることだ。


▲バンド


▲ダンスボーカル

番組『スッキリ』生放送では、XYによる“世界最速披露”というテロップが流れ、YOSHIKIも緊急生出演。プロデューサーの立場から1年におよぶオーディションを振り返り、こう語った。

「波乱万丈。YOSHI (2022年11月に不慮の事故により19歳で他界)が旅立ってしまい、ドラマティックな1年でした。YOSHIの夢を一つずつ叶える」──YOSHIKI

そして、オーディション最終審査の2時間後に作り始めた新曲「Crazy Love」をYOSHIKIがピアノ、後町がリードボーカルを務める形で披露。ただし、歌詞は仕上がっていなかったため、ラララと鼻歌を交えて出来たばかりのサビを熱唱した。後町の歌声はYOSHIKIの絶賛も肯ける無二の個性を輝かせ、楽曲が持つメロディの美麗さを存分にアピール。パフォーマンスを終えると、「TVで制作過程を披露するのは初めて」とYOSHIKIが興奮気味に語る姿が印象的だった。この日は楽曲の断片をお披露目するにとどまったものの、多くの視聴者に深い爪痕を残したに違いない。

その『スッキリ』出演の4日後にあたる3月4日には、大型ファッションイベント『第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション2023 SPRING/SUMMER』への出演が決定した。オーディション通過から異例なスピード感で駆け抜けるXY。しかも記念すべき初ステージは、同イベントが開催される国立代々木競技場第一体育館となった。ここではダンスボーカルグループの後町和輝、丸尾隼、道木来明、kice、有薗莞爾、P→★、西垣道隆、藤岡孝成の8名に、バンドからカルマ、Gaiの2名を加えた10人編成で挑む。事前のリハーサルでは制作途中の新曲「Crazy Love」を流しながら、ステージの立ち位置や振り付けなどを10人体制で徹底的に磨き上げていく。まさにアメーバのごとく当意即妙の対応力が必要とされるわけだ。


リハーサルの最初はステージにおけるメンバー10人の動き方を確認。それから細かなダンスの表現力をその場で詰めつつ、本番さながらに集中力を高めて踊りに没頭する。曲の途中で花道をランウェイするシーンもあるため、メンバーの距離間や楽曲の尺を考えて迅速に歩く練習も行われた。その後、当日サプライズゲストで登場するYOSHIKIを交え、XYの紹介映像から通しで何度もリハーサルが行われた。ちなみにパフォーマンスの最後にメンバー全員が片手を上げて静止するポージングは、「かっこ良く締めたい」と臨むYOSHIKIの案によるもので、YOSHIKI自らライティングまで細かな指示を出して微調整を重ねていた。

ついに訪れた3月4日、『第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション2023 SPRING/SUMMER』本番。16時47分、スクリーンに“前代未聞のグループ誕生”という紹介文が浮かび、YOSHIKIがその歌声を絶賛したYOSHIのストリートライヴ映像が流れ、“YOSHIKI降臨”とサプライズゲストが告知されると、満杯の会場は総立ち状態で歓喜に沸いた。はじめにYOSHIKIが真紅のバラを携えて花道をゆっくりとランウェイ。バラを会場に投げ入れるパフォーマンスで場内を沸かせた。


▲YOSHIKI


そして、XYは完成したばかりの新曲「Crazy Love」をこの日、初パフォーマンス。ステージに鎮座するクリスタルピアノでYOSHIKIが弾き始めた静謐な音色に合わせて、メインボーカルの後町が繊細かつソウルフルな歌声を存分に発揮した。天性の歌声が、会場中が息を飲むほどの美しさで響き渡る。物静かな立ち上がりからデジタル調のサウンドに移行すると、バンドメンバーからカルマ、Gaiのボーカル2名に、ダンスボーカルグループのメンバーである後町和輝、丸尾隼、道木来明、kice、有薗莞爾、P→★、西垣道隆、藤岡孝成の8名を加えた総勢10人のメンバーのダンスが激しさを増していく。

暴力的な過激さと水を打った静けさが同居する曲調こそ、YOSHIKIプロデュース楽曲の真骨頂と言えるだろう。Gaiによる力強いラップも飛び出し、また、西垣が華麗なダンスを披露した後、曲中にメンバー10人がランウェイする演出を経て、P→★の刺激的なダンスソロで観客を魅了した。今日が初ステージという事実が信じられないほど堂々とした立ち振る舞い。メンバー個々の圧倒的な魅力はもちろんのこと、グループ総体で見ても凄まじいオーラを放出していた。





再び奏でられたYOSHIKIのピアノに合わせ、後町が再び伸びやかに歌い上げると、ほかのメンバーは躍動的なダンスで華を添えていく。最後にはメンバー全員が片手を上げたポージングで静止するという鮮やかな締め括りで、XYの初ステージは幕を閉じた。

演奏後、YOSHIKIは再び花道を歩きながら、「みんなどうもありがとう!」と挨拶。さらに「これから世界に向かって頑張っていくので、みんな応援よろしくお願いします」と語り、最後には「We are X!」と、ここに集まった観客と熱いコール&レスポンスを繰り広げ、盛大な拍手が会場に響き渡った。静と動の起伏激しい曲調とダンスに耳目を奪われつつ、YOSHIKIのピアノが物語性をより一層増幅させ、亡きYOSHIへの想いを乗せた世界基準のパフォーマンスに大勢の観客が酔いしれるなど、大成功の初パフォーマンスとなった。


“最強の個性派集団”、“圧倒的なボーカル力”、“世界も絶賛するダンス”などXYの魅力は数限りなく、従来のアーティスト像を蹴散らす前例のないグループと言える。YOSHIKIは「いい意味で収拾がつかない。それがいい」と、番組『スッキリ』内でも彼らを的確に表現していた。来る3月11日(土)はダンス&ボーカルが一堂に会する<D.U.N.K. Showcase>へオープニングアクトとしての出演が決定した。型にハマらず、世界をあっ!と驚かせ続ける異形のアメーバグループにこれからも注目せずにはいられない。

取材・文◎荒金良介
(c)マイナビ TOKYO GIRLS COLLECTION 2023 SPRING/SUMMER


■イベント<D.U.N.K. Showcase>出演

2023/3/11(土)〜2023/3/12(日) 千葉・幕張メッセ国際展示場9~11
open15:30 / start17:30
※XYは3/11(土)に出演
※ダンスボーカルグループ8名にカルマとGaiを加えた10名がオープニングアクトとしてパフォーマンス披露
https://dunk.dance/showcase/

■楽曲「XY feat. YOSHI」

2月26日配信開始
リンク:https://yoshikisuperstar.lnk.to/xyfeatyoshi

▼オーディション番組『YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X』
 YOSHIKIプロデュース、世界に勝負を挑む前代未聞のバンド&ボーイズグループオーディション。
 2022年2月からスタートし、KISSジーン・シモンズ、世界最高峰のソプラノ歌手サラ・ブライトマン、マイケル・ジャクソン『THIS IS IT』の振付師トラヴィス・ペイン、唯一無二のボーカリストHYDEなど国内外から集結した超豪華ゲスト審査員や、初回から合格者を発表するなど予測不可能な展開をみせた。
 バンドメンバー4人が決定し、2022年内デビューを目指し準備していた矢先、ボーカルYOSHI(享年19)が急逝。それでもご遺族の強い想いを受け、新たなボーカリストを募集しオーディションを開催。熾烈な“デビュー争奪戦”が繰り広げられ、2023年2月、バンド&ダンスボーカルの計13名が見事デビューの座を掴んだ。
※Huluにて独占配信中
※オフィシャルYouTubeチャンネルでも新エピソードを配信中


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