【コラム】『FFXIV』オーケストラの世界を臨場感あふれる良音質で

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2013年にスタートした「新生エオルゼア」から10年を経てもなお、全世界のゲームファンを魅了し続けているオンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)。ゲームとしてはもちろんのこと、かねてより音楽面でも様々な展開をしているタイトルだが、新たな音楽アイテムとして、Blu-ray Disc Music『Eorzean Symphony: FINAL FANTASY XIV Orchestral Album Vol. 3』が、4月26日に発売された。

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本作は、2022年12月17日、18日に東京ガーデンシアターで計4公演開催された<FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2022 -Eorzean Symphony->の模様を収録したもの。<Eorzean Symphony>は、『FFXIV』の登場楽曲をフルオーケストラで演奏するコンサートで、国内では2017年と2019年に、国外では2018年にアメリカ・ロサンゼルスのドルビーシアター、ドイツ・ドルトムントのコンツェルトハウス・ドルトムントでも開催され、どれも好評を受けている。3年振り、3度目の開催となった2022年公演は、指揮を栗田博文、演奏を東京フィルハーモニー交響楽団、コーラスをGLORY CHORUS TOKYOが務め、さらにゲストボーカリストとして、ジェイソン・チャールズ・ミラーと、アマンダ・エイケンの2名が参加。2日間で約2万5千人の光の戦士達(『FFXIV』プレイヤーの愛称)が集結するという、国内でもあまり類を見ない大規模なオーケストラコンサートとなった。



本作『Eorzean Symphony: FINAL FANTASY XIV Orchestral Album Vol. 3』は、2つのパートに分けられている。まずひとつめは「オーケストラアレンジパート」。こちらの映像は、コンサートの演奏風景と、当日に場内のスクリーンに投影されていた『FFXIV』の名場面がクロスオーバーして進行していくものになっていて、『FINAL FANTASY XIV Orchestral Arrangement Album Vol. 3』に収録された7曲+1曲の全8曲を収録。オーケストラの美麗な演奏によって、ゲームの感動をより深いものにしていく仕上がりになっているのだが、注目したいのは、2chと5.0chという音源の収録形式だ。2chでも迫力のあるオーケストラサウンドを存分に楽しめるのだが、5.0ch音源に関しては、指揮者の立ち位置で聴いているような「ニアVer.」と、ホール全体を見渡せる客席後方で聴いているような「ファーVer.」の2つが用意されており、3つの形式で楽しめるようになっている。



実際に視聴してみると、オーケストラを目の前にした生々しいまでの臨場感があるものと、会場の奥行きや空間そのものを感じられるものとで、まったく違う印象を受けるのが、シンプルにとても楽しかった。しかも、映像を止めることなく、再生中にボタンひとつで各音源を簡単に切り替えることができるので、2chと5.0chの聴き比べをしやすい仕様にもなっている。制作チームがとにかくこだわったと話す各音源を、ぜひとも体感していただきたい。ついつい切り替えボタンを連打して、その都度感嘆の声を上げてしまうこと請け合いだ。また、お楽しみ機能として、公演パンフレットにも掲載された、『FFXIV』のサウンドディレクターの祖堅正慶と、今回のオーケストラ編曲を務めた宮野幸子の一部楽曲コメントを表示できるようになっている。その楽曲にどんな思いが込められているのか、実際に音を聴きながら味わえるところも嬉しいポイントだ。

「オーケストラアレンジパート」がコンサート映像にアレンジを施したものとするならば、もうひとつの「オーケストラコンサートパート」は、「FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2022 -Eorzean Symphony-」のコンサート映像をじっくりお届けするというもの。第一部「新生/蒼天/紅蓮編」と、第二部「漆黒/暁月編」、さらにはアンコールも含めた全21曲を収録しており、豪華で、雄麗で、ドラマティックな演奏を楽しめるものになっている。見どころとして挙げたいのは、やはり「Close in the Distance」だろう。観客が『FFXIV』内に登場する「エルピスの花」を再現したフラワーライトを点灯させ、客席一体に美しい光の海が広がったのは、今回のコンサートのハイライトだった。そちらの場面もしっかり収められている。



また、「Close in the Distance」は、「オーケストラコンサートパート」だけでなく、前述の「オーケストラアレンジパート」にも収録されているのだが、“観客がエルピスの花を使用する”というトピックが、それぞれ違う印象を受けるものになっているのも興味深い。どちらも観客が演目に参加していることには変わりないのだが、「オーケストラコンサートパート」では、指揮者である栗田氏の合図によって、光が客席前方から順に灯っていくところをステージ側のカメラから捉えた映像になっていることに対し、「オーケストラアレンジパート」は、『FFXIV』の名場面とライトの点灯をリンクさせることによって、ゲームの世界と現実の世界が融合したような形になっているのだ。そんな演出やこだわりからも、制作チームがあの光景に深く感銘を受けたことが伝わってくる、感動的な一幕になっている。

もうひとつ、「オーケストラコンサートパート」には『FFXIV』のコンサートではお馴染みでもある、サウンドディレクターの祖堅氏がオタマトーンを使った演奏を披露した「迷宮 ~ラヴィリンソス:昼~」も収録。本作では当日のMCパートは未収録ではあるのだが、同曲に関しては演奏のみでなく、曲に入る前のセッティング風景も収められている。祖堅氏のアクロバティックな演奏と合わせて、そちらもぜひご注目を。

さらに『Eorzean Symphony: FINAL FANTASY XIV Orchestral Album Vol. 3』は、音源ダウンロード機能も実装。「オーケストラアレンジパート」の8曲(ハイレゾFLAC音源/MP3音源)と、「オーケストラコンサートパート」の21曲(MP3音源)を、モニターの前だけでなく、それぞれの視聴環境で楽しむことができるようになっているのもありたがい。音源のみでも、じっくりと本作をご堪能いただきたい。



とにかくファン垂涎の超特濃アイテムとなっているが、『FFXIV』はさらに大きな盛り上がりを見せようとしている。冒頭に記した通り、「新生エオルゼア」から10周年を迎える今年、恒例のファンイベント<FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2023-2024>を開催することが発表された。今回ファンフェスが開かれるのは、北米・欧州・日本の3カ所。7月28日、7月29日にアメリカ・ラスベガスで、10月21日、10月22日にイギリス・ロンドンで行なわれた後、日本では2024年1月7日、8日、場所は東京ドームで開催されることになっている。また、<Eorzean Symphony>も、ファンフェス開催に合わせてラスベガスとロンドンで行なうことを発表しており、ここから様々な続報が届くと思われる。4度目の国内開催を心待ちにしつつ、ゲームをプレイしながら、『Eorzean Symphony: FINAL FANTASY XIV Orchestral Album Vol. 3』の秀麗な音に深く酔いしれたい。

文◎山口哲生



『Eorzean Symphony: FINAL FANTASY XIV Orchestral Album Vol. 3』

発売日:2023年4月26日(水)
品番:SQEX-20090
価格:¥6,600(税抜 ¥6,000)
仕様:Blu-ray Disc 1枚 / 特装デジパック仕様
封入特典:オーケストリオン譜2曲分 インゲームアイテムコード
早期購入特典:「オリジナルステッカー」、「ビジュアルシート」
発売元:株式会社スクウェア・エニックス
商品HP:https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/ff14/concert/2022/bdm/
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