【インタビュー】MOSHIMOが迎えた充実の季節「いいことを言おうとするんじゃなくて、人と向き合って仕事したり音楽を作る」

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「今が一番楽しい」── 紆余曲折ありすぎたバンドだからこそ、その言葉には絶対の信用を置いていい。MOSHIMOのニューEP『恋のディスマッチン』は、従来のMOSHIMOらしさに捕らわれない新鮮な衝動に身をゆだね、ポップとロック、ラウドとメロディアス、怒りとハッピーを1曲ごとに散りばめた充実の4曲入り。一瀬貴之と岩淵紗貴は「Noisyレーベル」の代表としてシンガーズハイ、パーカーズなど若手バンドをブレイクさせつつ、MOSHIMOとして精力的にライブツアーを敢行中。秋にはニューアルバム、ツアー、そして年末にはバンド史上最大キャパへ挑戦するZepp Shinjuku公演も決まった。「今が一番楽しい」── メンバー3人の本音を聞こう。

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■めっちゃ生き生きしてます。すごくご機嫌です

── 現在、6月から7月にかけて開催中の<魂のスピリットスプリットツアー>。調子はどうですか。

高島一航(Dr):僕がサポートで加入した直後にコロナ禍になってしまったので、MOSHIMOの全盛期の盛り上がりを知らないまま、ここまで来てしまったというのがあるんですね。なので、徐々にお客さんが戻って来て、暴れるとまでは行かないけど、アクションを起こしてくれてるのを見ると、「こういう感じだったんだな」という感覚を徐々に取り戻しつつあるというところです。

一瀬貴之(Gt):今回は「超能力戦士ドリアン」とのツーマンで、彼らのようにお客さんを巻き込んでみんなで楽しむバンドは、僕らも含めてコロナの時には劣勢だったというか、お客さんとなかなかコミュニケーションが取りづらかったんで。ようやく元に戻せる時代が来て、遠慮なく声を出してみんなで楽しめるライブができるんじゃないか?ということで、タッグを組んで、全国のかなりの箇所を回ってるところです。前の状況を取り戻しつつ、また新しくムーブメントを作りたいなという気持ちでやってます。

岩淵紗貴(Vo&Gt):ライブは一番楽しいです。規模が大きいとか小さいとか関係なく、自分はライブが好きなんだなって再認識させられました。言い方を選ばずに言うと、ストレス発散になってるというか、純粋に一番楽しんでるだろうなって思います。コロナに入る前は、どういうふうにステージを作っていくか?とか、いろんなことを考えてやってたんですよ。でも今は純粋に楽しいなということで突き進んでいる感じがあって、人のこととか考えずに、お客さんとその場をより強固なものにすることが一番出来てるんじゃないか?って思います。これがあっての私なんだなって再確認させられてるし、めっちゃ生き生きしてます。すごくご機嫌です。



── そんな、ご機嫌なMOSHIMOから届いた最新EPが『恋のディスマッチン』。どんなEPですか。

一瀬:久々にいろいろ考えずに作ろうってなって、「これはMOSHIMOっぽい」とかもあんまり考えずに、書きたいものを書いていったのが今回の4曲です。昔は歌から入るのが大事だろうとかいろいろ考えてたんですけど、「恋のディスマッチン」はただただかっこいいイントロをやりたくて作りました。「ディスマッチン」は「ミスマッチ」と「デスマッチ」を掛け合わせた造語で、ちょっと可愛い感じで「ン」を付けて。

▲EP『恋のディスマッチン』ジャケット

高島:2年前の夏に『化かし愛』というアルバムを作ってから、一瀬と岩淵が会社(Noisyレーベル)の業務が忙しくなった関係で、作り方がちょっと変わったんですね。今回のEPもデモが先に4曲来たんですけど、「CURRY LIFE」以外の3曲は歌詞もメロディもわかんないまま演奏して、一瀬と岩淵の頭の中には楽曲があるので、「ここはこういうふうに叩いてくれ」と言われたことをやっていって、出来上がったものを聴いて「なるほど、こういうふうになってたのか」と。作品として出来上がった曲を聴いて、「こうなってるのか。だったら俺はこういうふうにするわ」っていうことで、ライブでは音源とは違う演奏をしてたりするんで。ライブにもぜひ見に来てもらって、違いを感じてくれればいいなと思ってますね。


── 今回そういう作り方をしたのは、時間を効率よく使いたかったから?

一瀬:ドラムのテック(※楽器の調整や音色を作るテクニシャン)をやってくれてる人が、いいスタジオを最近作って、そこでやってみたいなと思ったのと、あとコロナ禍で遠隔の技術が発達して、時差なく音源を飛ばせる機能が出来たんですよ。僕は自分のスタジオのほうが慣れてるんで、音を飛ばしてもらって遠隔で作業するのが、一番効率も良くて状況も良く把握できるので。基礎工事屋さんに基礎工事だけ発注して、あとからいろんな内装が出来て戻されるという形になってます。一航には苦労をかけてますけど。

高島:ドラムのレコーディングスタジオが、僕の家からけっこう近くて。リモートで繋ぎながら、「たぶんイッチーが言いたいことってこれじゃない?」って、エンジニアさんと二人で音を作って、「こういう感じ?」「そうそう」みたいな。そういう面白さもあるんで、俺はすごく楽しんでやれてます。そうやってドラム、ベース、ギターが乗ったあとに、最後に岩淵さんがダルマの目を入れるというか、歌詞をビシッと入れて出来上がり、みたいな感じですね。

◆インタビュー(2)へ
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