【速レポ】<京都大作戦2023>coldrain、「日本でいちばんヤバいフェス、おかえり!」

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<京都大作戦>2日目、トリの10-FEETへとタスキを渡すのは、“16周年YEAR「SWEET SIXTEEN」”を始動させ、来年のアリーナライブへと続く怒涛のツアーをスタートしたばかりのcoldrain。

◆<京都大作戦2023> 画像

このステージに臨む凄まじい気迫は、「激しい音楽は好きですか」というMasato(Vo)の一声で頭から勢いよく爆発した「Vena」からビリビリと感じられる。Katsuma(Dr)、RxYxO(B, Cho)、Sugi(G, Cho)、Y.K.C(G)が重量感たっぷりに放つバンド・アンサンブルの音圧、そんなヘヴィな音をステージを自由に駆け巡るようにして奏で魅せるパフォーマンス力、そしてグロウルからシャウト、メロディまでも轟かせて大きな会場をマイクひとつで掌握するMasatoのボーカル。豪快に音をドライブさせ一息で、ダイナミックに会場を飲み込んだのを見届け、Masatoは不敵な笑みを浮かべる。





まだまだ序の口だと言わんばかりに投下した「F.T.T.T」では、さらに攻撃的なドラミングで手拍子とともに、巨大なサークルピットも出現。MasatoとSugiでシャウトを掛け合い、Y.K.Cはテクニカルなタッピングでソロパートを聴かせ、RxYxOは低音を縦横無尽に走らせて、観客をジャンプさせる。ラストは超ロングシャウトから、さらなる咆哮を上げ、歓声をいちだんと大きくする。

汗をしぼりとっていくアクトが続いた上に30度を超える熱気も加わって、観客にも疲れが見える時間帯だと思うが、冒頭の2曲でその音をがっつりと食らわせて、観客のボルテージをぐいぐい引っ張り上げる。「言っとくけどな、今日は100歩譲って10-FEET以外には負ける気はねえんだよ!」(Masato)。そう叫ぶと、よりエクストリームな「To Be Alive」で観客を振り回していくという、気持ちいいほどにストロングスタイルのライブだ。

「さすがに緊張するって、2日目のトリ前ですよ。いきなり声出なくなりそうだった。なぜなら夢の場所なんですよ、ここはマジで。(今回で)3回目なんだけど、今でも夢の場所。毎年、大体のバンドマンは、この2日間スケジュールを開けてるんだ。でもそれは、ここに2万人が集まるからじゃない。フェスがどれだけでかくても、このメインステージに夢があるのは、主催してるやつがかっこいいからなんだよね。10-FEET、ありがとう。そんなかっこいい10-FEETがやる日本でいちばんヤバいフェス<京都大作戦>、おかえり! 俺たちは俺たちなりに、今日も爪痕残して帰ろうと思います」──Masato


力強く宣言から続いたのは、豪快なシャウトとともに地面から揺らしていく低音が会場を襲う「The Revelation」。サビでは一転して、喉にエフェクターでもついてるのか?というクリーンなハイトーンでアンセミックに観客をひとつにするこの曲から、「PARADISE(Kill The Silence)」へとメロディアスな曲が続く。その最たる形のひとつが続く「THE SIDE EFFECTS」だろう。ミディアムでエモーショナルな歌を聴かせる曲で、ドラマ性の高いモダンなロックサウンドとなっている。いわゆるニューメタル、メタルコアに振っているだけでなく、メンバーのルーツやアイディアの幅広さや柔軟性、クリエイティヴィティでヘヴィネスを進化させている、奥深いバンドの肖像がうかがえる。


後半は、まだリリースしていない新曲「NEW DAWN」を披露した。Masatoは曲の前に、「さっき、裏でホルモン(マキシマム ザ ホルモン)のダイスケはんがインタビューを受けていて。俺、なんか急にこの間SNSで巻き込まれてムカついたことを思い出して、“おじさんがサークルピット煽ると、すごい遅いサークルピットなんですね”って煽っちゃったんですよ、今日。だからどうしてもめちゃくちゃ速いサークルピット作らなきゃいけなくて。申し訳ないんですけど、<京都大作戦>、力貸してもらってもいいですかね。何個あってもいい。ただ、絶対に遅くなるな。全員聴いたことない曲だと思うんですけど、走ればついてこれる曲なので」という。coldrainとして16年のキャリアを経てもなおこのハングリー精神である。

と言ってもジョークも交えつつ、挑発的にぶつかっていけるのも両者の関係性があるからこそだが、とにかくいい燃料を得てプレイする「NEW DAWN」は、ずっしりと重いブラストビートと高速のギターリフがブルータルで、またハイトーンの突き抜けるメロディの爽快さも熱いシンガロングパートもある、これからのライブでも新たなうねりを作っていくだろう曲だ。会場の後方が大きく割れて、巨大なサークルピットが太陽が丘の温度をあげる。新曲にして、熱気は最高潮だ。

「ヤバいバンドがいっぱいいるなか、立たせてもらって非常に光栄です、ありがとうございます。10-FEETにひとつだけ言えるのは、俺らも大作戦に負けないようにBLARE(主催フェス<BLARE FEST>)続けていくのでよろしくお願いします。また会おうな、京都」──Masato

ラストの「Final destination」では、Masatoは客席へと降り立って観客の間でその声を飛ばしていった。フェスで与えられた35分間ではない。確実に何かを変えるための35分間だった。



取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN

セットリスト

1. Vena
2. F.T.T.T
3. To Be Alive
4. The Revelation
5. PARADISE(Kill The Silence)
6. THE SIDE EFFECTS
7. NEW DAWN
8. Final destination

■10-FEET主催<京都大作戦 2023 〜今年は可能な限り全フェスに参加してくだ祭!〜>

7月1日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月2日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30 / start11:00 ※20:00終演予定
〒611-0031 京都府宇治市広野町八軒屋谷1
●出演者 ※50音順●
▼7月1日(土)
【源氏ノ舞台】クリープハイプ / Ken Yokoyama / dustbox / 10-FEET / Fear, and Loathing in Las Vegas / 04 Limited Sazabys / ヤバイTシャツ屋さん / ROTTENGRAFFTY
【牛若ノ舞台】ANARCHY / Wienners / かずき山盛り / KUZIRA / 東狂アルゴリズム / バックドロップシンデレラ / FOMARE
▼7月2日(日)
【源氏ノ舞台】ACIDMAN / ORANGE RANGE / go!go!vanillas / coldrain / 10-FEET / Dragon Ash / マキシマム ザ ホルモン / WANIMA
【牛若ノ舞台】a crowd of rebellion / ammo / ENTH / おとぼけビ~バ~ / w.o.d. / NUBO / Hakubi
▼両日開催
【鞍馬ノ間】※7月2日の出場チームはトーナメント結果による
EGOLA / 大阪籠球会 / TEAM-S / TEAM NICK / TEAM Happy FROM SOMECITY OSAKA / TEAM FUKUOKA / TEAM Lucky FROM SOMECITY OSAKA / ちきゅう
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際、チケット代金の払い戻しは実施されません。
▼チケット ※Sold Out
【通常札】
・1日券 8,800円(税込)
・2日通し券 17,600円(税込)
【童札(わらべふだ)】
・1日券 3,300円(税込)
・2日通し券 6,600円(税込)
※童札は、2023年7月時点で小学生(生年月日が2011年4月2日〜2017年4月1日)の方が申込み可能。必ず大人の方(通常札購入者)と一緒に来場してください。童札のみでの入場はできません。


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