【インタビュー】有村竜太朗、再起動作品に三者三様のギタリスト「単純にバンドで面白いことやろうみたいな気持ち」

■hiroにも僕にも縁がある人たちに集まってもらって
■その縁がより深くなるような、強くなるような

──本当に三者三様なギタリストが揃いましたね。

有村：そうですね。贅沢だし、それぞれみんなの色が出てるから、かなりおいしいですよね。僕自身、自分のデモに上書きされて音源が返ってくるのが毎回楽しみでした。hiroにも僕にも、とても縁がある人たちに集まってもらって…その縁がより深くなるような、強くなるような、そういう参加の仕方になったと思います。

──縁を深めて、またここから始めるために、という意味合いも？

有村：そういう意味合いにもなったけど、単純に“バンドで面白いことやろう”みたいな気持ちになれたのが大きいですね。あとから決まったことばかりでしたけどね。そもそもCDにすることも決めてなかったし、まさか6人でアーティスト写真まで撮ることになるとは（笑）。

──アーティスト写真の完成度からすると、計画的にも見えますけど。

有村：全然計画してなかったです。すげえいいアルバムができたから、やっぱりそのことをたくさんの人に知ってもらうには「アーティスト写真も必要なんじゃない？」みたいな話になって。これまでのアーティスト写真は“有村竜太朗の個人活動です”っていう見せ方だったんですけど、今回の音はどこを聴いてもバンド感しかないから、「バンドのアーティスト写真だろ」って。で、「どうせ撮るなら、思いっきりふざけたほうがいいんじゃない？」ってことで、僕とスタイリストさんで考えました。イメージは、“ふざけた家族写真”。その中にパンクとかゴス、ロックンロールみたいな音楽的要素をちょこちょこ入れて。いい意味で行き当たりばったりです（笑）。正直なところ、本来の目的としては、作品を作ってライヴをして、“このプロジェクト楽しいね、やる意味あるね”っていうふうに、もっともっと思えたらいいなっていう感じだったから。


──制作を経て、メンバーがひとつのバンドみたいな関係性になっていったと。

有村：それぞれみんなバンドをやっていて、キャリアもある人たちだから、自分がゼロから作ったバンドとは違うけど。でも、バンドみたいな参加の仕方を楽しんでくれてるんじゃないかなと思います。もちろんPlastic Treeも全然楽しいんですけど、そうじゃない楽しさがあるというか。いい意味で無責任で、余裕を持って楽しめるという良さがある。

──7月からツアーもありますが、やっぱりライヴでやってこそ完成というイメージですか。

有村：本当にそうですね。ライヴメンバーである悠介くんとタミフルくんと鳥石くんとは、打ち合わせを兼ねて何度か飲んでるんですけど。みんな一様に「どうなるかわからないからすごく楽しみ」って言ってますね。

──世の中的にも、声出し解禁になったり、明るい方向に向かってますし。

有村：そういった意味でも、このタイミングでこういう作品ができたのは、世相を読めていたっていうことかもしれませんね。絶対に楽しいライヴになると思うので、まずは音源をじっくり聴いてもらいたいです。

取材・文◎後藤寛子




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