TOTO、4年ぶりのジャパン・ツアーが福岡で開幕

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TOTOの4年ぶりのジャパン・ツアーが7月10日、福岡・福岡サンパレス ホテル&ホールで初日を迎えた。そのオフィシャル・レポートをお届けする。

◆7月10日(月)福岡公演 画像

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今年はアメリカの伝説的ロックバンド、TOTOのデビュー45周年。そんなビッグ・メモリアル・イヤーに、新たなラインナップで再始動した“新生TOTO”の4年ぶりのジャパン・ツアーが7月10日の福岡公演を皮切りにスタートした。

実に4年ぶりとなる待望の来日公演。メンバーのウォーレン・ハム(Sax, etc.)が健康上の理由により今回の来日公演には不参加となることが公演直前にアナウンスされ、残念な思いに駆られたものの、6人によるステージがファンの期待を裏切ることはないだろう、という不思議な確信を抱きながら会場に到着。

開演予定時刻を5分ほど過ぎた頃、客席が暗転してステージ左右から6人の勇姿が目に入る。ステージ中央に立ったスティーヴ・ルカサーの「What’s Up, フクオカ~!」の第一声からオープニングは「ORPHAN」(アルバム:『TOTO XIV~聖剣の絆』)。

まずは新生TOTOのラインナップである、ドミニク“エグゼヴィア”タプリン(Key)、スティーヴ・マッジオラ(Key)、ジョン・ピアース(B)、ロバート“スパット”シーライト(Dr)の4人を食い入るように凝視しながら、出音を確認。

オリジナル・メンバーがスティーヴ・ルカサーひとりになった新生TOTOを見聴きする目と耳は、往年のファンなら自然と厳しくなるもの。そんな少々意地悪な不安も、1コーラスが終わる頃にはどこかに吹き飛んでしまい、現メンバーの演奏とハーモニーの素晴らしさ=“TOTOらしさ”は、揺るぎないものであることを早々と痛感! もちろん、1986年からメンバーに加わったジョセフ・ウィリアムス(Vo)のハイトーン・ヴォーカルが聴ける喜びも!


「AFRAID OF LOVE」(アルバム:『TOTO IV~聖なる剣』)、それに続いて早くも登場したキラー・チューン「HOLD THE LINE」(アルバム:『TOTO/宇宙の騎士』)でわたしはもちろん、会場全体が彼らのライヴ・マジックの虜に。

ハード・ロックな「FALLING IN BETWEEN」(アルバム:同タイトル)を挟んでスティーヴ・ルカサーが「全ての美しい日本女性に」とひと言添えて曲は「I’LL BE OVER YOU」(アルバム:『Fahrenheit』)へ。個人的にTOTO全楽曲の中で一番好きな楽曲で、スティーヴの甘い歌声とエモーショナルなギター・ソロをまたライヴで聴くことができて大満足。

その後も大胆なリ・アレンジが施された「GEORGY PORGY」(アルバム:『TOTO/宇宙の騎士』)、「PAMELA」(アルバム:『The Seventh One ~第七の剣~』)などのヒット曲に交えて、「WHITE SISTER」(アルバム:『Hydra』)、「KINGDOM OF DESIRE」(アルバム:『キングダム・オブ・デザイア ~欲望の王国~』)などのハードな楽曲で更なる演奏力の高さを思い知らせてくれる懐の深さは、各々が百戦錬磨のメンバーだからこそ成せる業。

新メンバーの面々はこれまでに様々なグループへの参加でその腕前を発揮してきた強者揃い。ジョン・ピアースはヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの2代目ベーシストだったり! ドミニク・タプリンとロバート・シーライトのふたりはゴースト・ノートというジャズ・ファンク・バンドのメンバー、スティーヴ・マッジオラは自身がリード・ヴォーカルを務めるバンドのリーダーでありながら、スティーヴ・ルカサーの最新ソロ・アルバムにも参加している多才なミュージシャン。4人が持ち得る高い演奏力は、かつてのオリジナル・メンバーやサポート・メンバーが奏でてきたものと比べても全く引けを取らず、音にうるさい往年のTOTOファンを思いっきりエンジョイさせてくれる!!

その演奏力に加えてジョン(B)以外の全メンバーがほとんどの曲で重厚なハーモニーを聴かせるという驚異的なヴォーカル力。イーグルス、ドゥービー・ブラザーズと同様に、いつまでも変わらない美しいコーラス・ワークも新生TOTOの魅力のひとつであることは明らか。これからライヴをご覧になる方は是非その見事なコーラス・ワークにもご注目を!

終盤は、バンド最大のヒット曲である「ROSANNA」~「AFRICA」(アルバム:『TOTO IV ~聖なる剣』)という至極の2曲。長くライヴでの“声出し“を禁じられてきたオーディエンスがうっぷんを晴らす大合唱でファンがバンドと一緒に主役になれる至福のひととき。


ここまでアッという間の本編で、充実・満足しかない高揚感であふれた感情をあらわにしながらオーディエンス全員が歓声と大きな拍手でメンバーを讃える。アンコールは近年のライヴで定番となっているザ・ビートルズの「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」。ゴスペル・アレンジが施された見事なカヴァー。歌詞の意味をかみして聴いていると、本当に教会で賛美歌を聴いているような感情が湧いてきて、文字通りゴスペル音楽による“精神の浄化”を感じながらライヴは終演の時を迎えた。

取材・文◎松田康宏
撮影◎田中紀彦/YOSHIHIKO TANAKA

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<TOTO ジャパン・ツアー>

2023年7月10日(月)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
18:15開場 / 19:00開演
[問]BASE CAMP 092-406-7737 https://basecamp.jp.net

2023年7月12日(水)石川・本多の森ホール
18:15開場 / 19:00開演
[問]ケィ・シィ・エス 076-224-4141 www.kcs-inc.jp 、toto@kcs-inc.jp

2023年7月14日(金)愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
18:15開場 / 19:00開演
[問]CBCテレビ事業部 052-241-8118 https://hicbc.com/event/

2023年7月15日(土)大阪・丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
17:00開場 / 18:00開演
[問]ウドー音楽事務所 大阪支社 06-6341-4506 https://udo.jp/osaka

2023年7月17日(月・祝)広島・JMSアステールプラザ 大ホール
7:30開場 / 18:00開演
[問]YUMEBANCHI(広島) 082-249-3571 https://www.yumebanchi.jp

2023年7月19日(水)宮城・仙台サンプラザホール
17:45開場 / 18:30開演
[問]スパイス コミュニケーション www.spice-sendai.jp

2023年7月20日(木)岩手・岩手県民会館
18:00開場 / 18:30開演
[問]スパイス コミュニケーション www.spice-sendai.jp

2023年7月21日(金)東京・日本武道館
18:00開場 / 19:00開演
[問]ウドー音楽事務所 03-3402-5999 https://udo.jp

料金(税込): S席 ¥17,000 A席 ¥16,000
詳細:https://udo.jp/concert/TOTO2023

来日予定メンバー:
スティーヴ・ルカサー(G, Vo)
ジョセフ・ウィリアムス(Vo)

ジョン・ピアース (B)
ロバート“スパット”シーライト(Dr)
ドミニク“エグゼヴィア”タプリン(Key)
スティーヴ・マッジオラ(Key)

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