【インタビュー】和楽器バンドらしく、真っ直ぐに。デビュー満10年を目前に“戦い続ける”ことを証明するアルバム『I vs I』完成

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◾️和楽器バンドらしいアルバム、和楽器バンドらしいツアーになる

──歌詞はそれぞれ世界観に合わせて、「The Beast」だったら『範馬刃牙』野人戦争編に合わせて書いてるんですよね。セルフライナーノーツで「The Beast」はスムーズにできたと書かれていましたが。

町屋:はい。やっぱり日頃どれだけ『刃牙』を読み込んでいるかっていうところだと思うんですけど。 何話から何話までの部分と聴いて、「ここのシーンならこんな感じ」みたいなのがすぐ浮かびます。

山葵:僕も『刃牙』シリーズ大好きなんで、このタイアップは個人的にもめっちゃ書きたかったんですけど……山葵と町屋の戦いで、町屋の勝ちでした。

黒流:確かにコンペは毎回戦いだね。

山葵:割とね、自信あったんですよね〜。でも、自分もアルバムの中では「The Beast」が強いなと思います。やっぱ冒頭のケチャっぽいリズム、その世界観が、今までの和楽器バンドにはない世界というか、ワールドワイドな感じで広がりが見えたんで。もちろん僕たちは日本の伝統的なサウンドを大事にしていますが、それだけにとどまらない可能性を見せてくれたというところで、印象的ですね。和楽器バンドの今後の可能性を感じられました。

──ドラムプレイでは、どの曲が印象に残っていますか?

山葵:「星の如く」ですね。これはすとぷりの皆さんに提供させてもらった曲なんですけど、間奏部分を和楽器バンド用にアレンジし直してるんです。レコーディングの時って、いつもドラム、和太鼓から録り始めるんですけど、せっかくだから和楽器バンドらしいところをアピールしていった方が面白いんじゃないかって話になって。

町屋:間奏を伸ばそうってね。

山葵:そうそう。間奏を伸ばして、それぞれの楽器をピックアップをしていこうって話になったんですけど……。

町屋:リフがない。

山葵:8小節間、「とりあえずなんかやって」って言われて(笑)。なんかって何!って、めっちゃ苦戦しました。リフがあれば、それに対してこういうパターンだよねって叩くことはできるんですけど、「何か」から作るのはなかなか……。1人スタジオの中で、どうしよう何をやればいいんだって、自分の曲なのに正解がわからなくなってどんどん小さくなっていて……。

黒流:小さい山葵の背中を覚えてる(笑)。

町屋:1時間近く試行錯誤してたよね。15分、20分くらい経ったころになんかすっごい小難しいことやり出して、で、叩けなくて諦めて。でも僕は「今の使えるな!」と思って、「そして、まほろば」のワルツの終わりのジェントっぽいところで、そのフレーズを使わせてもらいました(笑)。

山葵:「今の俺の技術だと、ちょっとこれしんどいな」って思って、「星の如く」で諦めたフレーズが、なぜかそっちで使われてたんですよ。何してくれてんの!って思って。


──そんな裏話が(笑)。でも、「そして、まほろば」の中であのフレーズはかなりいいアクセントになってますよね。

山葵:そうですね。もうね、作っちゃったからにはやんなきゃって……。

──アルバムを締める「BRAVE」については? コーラスはメンバー皆さんの声を重ねているんですよね?

山葵:はい、全員の声です。みんなで 戦い抜いてここまできて、「これからもいくぞ!」ということを表現したかったので。

──クラップも入ったり、ファンの方と一緒になって歌うことで完成する、一体感あるいい曲になりましたね。

山葵:「みんなで歌いたい」と思ったときに、どういう言葉でメッセージを伝えようか、どういう言葉で一体感を出せばいいか、というところですごく悩みましたね。特に最後のサビの前とか、最後の最後の歌詞は、2日くらいかかったかな。結果的にみんなで前を向ける曲にまとまってよかったなと思います。

──個人的には「そして、まほろば」が興味深くて。こんなに鬼気迫るバラードはこれまでになかったと思います。それも、本作が完成するまでにゆう子さんがいろんな経験をして、いろんなものを乗り越えて受け入れて、またひとつ進化したからかなと思ったんです。

町屋:あぁ、この前のファンクラブライブのときに、すごく変わったなと思いました。MCの言葉に、説得力が出たというか。


──これから始まるツアーでは、またパワーアップした和楽器バンドが見られそうな気がしています。

町屋:これはね、結構カロリーが高いアルバムなんでね。去年は『ボカロ三昧2』も大変だったんですけど、 あれは基本的にトレンド楽曲をカバーしたので、間奏が短かったりなかったり2分台で駆け抜けるように終わる早い曲ばっかりだったんですよね。今回はそれとはやっぱり別で、4分前後の曲が中心になってくるんで 1曲1曲が重たい。で、それぞれの楽器を聴かせるということもいろんな曲でやっているので、ボリューム感はすごくあります。和楽器バンドらしいアルバム、和楽器バンドらしいツアーになると思います。

黒流:声出しも解禁されたので、みなさんと一体感を作ることができる。一体感というのは和楽器バンドのライブの良さでもあったので、それが生きる曲が本作にはたくさん収録されているところもポイントですね。恒例のドラム和太鼓バトル企画ももちろん予定しているので、楽しみにしていてください。

──ドラム和太鼓バトルで生の応援の声が聴けるのは久しぶりですね!

黒流:そうです! やっとですね!

山葵:W vs Kですね。

一同:???

──あ、『I vs I』にかけてか!拾えなくて失礼しました。いぶくろさんにとっては、今作はどんな作品になりましたか。

いぶくろ:曲の冒頭にプリイントロみたいのがついてる曲も結構あって、すごいドラマチックな作品になってると思うんですよね。僕が最近この歳になって思うのって、タイムパフォーマンスのこととか言ってる若い人っていっぱいいるけど、1番タイムパフォーマンスがいいのって、作品にそのまま真っ直ぐぶつかることだと思ってて。要所要所をつまむだけだと、見えてくるべきものが見えてこなくなってしまうことの方が多いんで。今回もそのドラマチックな部分を、作品全体を通して感じてもらうことで、僕たちが重ねてきた年月も凝縮して伝えることができるんじゃないかと思います。真っ直ぐぶつかってきてもらって、『I vs I』だけど、リスナー vs 和楽器バンドぐらいの感覚で向き合ってもらえると、嬉しいです。


──確かに、和楽器バンドそのものを感じられる作品だと思います。山葵さんにとっては、どんなアルバムになりましたか。

山葵:そうですね、やっぱりこう、3年ぶりのオリジナルアルバムっていうことで。 久しぶりに「自分たちの音楽ってこういうことだよ」というものをお見せできるなって思ったし……えー……すみません、ちょっとあんま考えてなかったです!

一同:(笑)

黒流:おいっ!インタビュー中になんだそれびっくりした〜。

いぶくろ:イントロは始まってましたよ(笑)。

黒流:一応見切り発車で始めるんだね、イントロは。

いぶくろ:走り出してみたものの、だったね。でも今、すごい“何かいいこと言わなきゃ”っていう『I vs I』を感じたよ(笑)。


──はい(笑)。そして、和楽器バンドはこれから10年目に向かって歩んでいくわけですけど、10年目はこうしていきたいとか、こんな風な10年目を迎えたいとか、今の思いを聞かせてほしいです。

黒流:僕らは世界中の方たちに聴いてもらいたいという気持ちがあって、バンドとしての曲を作ってきました。今回もそうなんですけど、ボカロを取り入れたりオーケストラを取り入れたり、常に進化して動いているので、10年目に向けてはその集大成を見せていけたらと思っています。コロナで全世界が変わってしまったので、その変わった世界で僕らの音がどう伝わるのか、ということに挑戦していきたいです。

町屋:コロナでできなかったことはやりたくて。例えば海外公演などは我々が長所にしていた部分なんですけど、コロナ禍の渡航制限でなかなか行けなかったり。そういったものを、10周年にして今までの集大成として回収していけば、さらにたくさんの人に僕らの音楽を聴いていただけるようになるのかなと思ってます。

いぶくろ:コロナ禍の3年を経て、姑息に生きれない世の中だっていうのをすごく突きつけられたと思ってて。明日のこと、明後日のことがわからない世の中をみんなが3年生きてきて、例えば政府からどんな方針が出るかもわかんないし、自分がコロナになるかもしれないし、身内に何かあるかもしれないし、という中で、“今に対して全力を出す”っていうのが、僕が3年間のコロナ禍で得た教訓なんですよね。 だから、それこそ今目の前のライブ1本だったりとか、その時その時のレコーディングだったりとか、 今のこの瞬間に対して全力を出していくことが大事だと思っています。歳を経てくると計算高くなってくるから、来週忙しいから今週ちょっとセーブして、とかそういう調整を始めちゃうけど、そうじゃなくて、目の前のことに対して全力を尽くして、もう今回がそれで打ち止めかもしれないっていうぐらいの気合で、過ごしていこうかなと思ってたりしますね。

山葵:はい、整いました!

──お!

山葵:最近若い子と話すと「昔ニコニコ動画で見てましたよ!」とか「和楽器バンド聴いてましたよ、『千本桜』とか!」って、過去形が増えてきたんですよね。いや、今もがっつりやってんですけど……みたいな。それに対してこのアルバムを世に提示することで、「今うちら現役で戦ってるぜ!バリバリかっこいい音楽作ってるぜ!」と伝えたいですね。このアルバムを持って、まだ知らない人には存在を証明して、知っていたという人には「今の和楽器バンドかっこいいじゃん。全然今の方がむしろかっこいいじゃん」って思ってもらえるよう、10周年に向けて頑張っていきたいなという風に思っています。

町屋:我々、意外と活動してることを知らない人が多いんですよ。多分、20代の層にも響くと思っていて。僕のファンの人たちは最近20代半ばの年齢層の方が結構多いんですけど、それってちょうど「千本桜」が当たった時に、中学生ぐらいの世代なんですよ。学校の放送やテレビでよく流れてたって言います。ただ、好きで追っかけていない限りは、なかなか活動に気付かないもの。だから、今でも全然新しい音楽を作ってますよというところを知ってもらえたらなと思っていますね。

──そうですね。和楽器バンドは年々クオリティが高くなっていくから、それを多くの人に知ってもらいたいです。

山葵:とあるアーティストの方と初めてご飯をご一緒したときに、「あの曲を聴いてました!」って挨拶したら微妙な反応だったんですよね。その時はなんでだろう、と思ってたんですが、今はその意味がわかります。きっと、何十年間も言われ続けてるんですよね。ヒット曲があることは幸せなことだけど、ずっと活動して最新のものを出しつづけているわけだから、過去形は現在進行形に戻したいですね。

黒流:まさに戦いだね!

取材・文◎服部容子(BARKS)
撮影◎三上信


デジタル盤『I vs I』

販売価格:1,019円 (以降は通常価格)
販売期間:7月14(日)(金) 0:00 ~ 7月30日(日) 23:59

New Album『I vs I』

2023年7月26日(水)発売
予約:https://wgb.lnk.to/ivsi_cd_po
「The Beast」先行配信&iTunes Store アルバム予約:https://wgb.lnk.to/the_beast

収録曲
01.The Beast(アニメ『範馬刃牙』2期オープニングテーマ)
02.宵ノ花(ゲームアプリ『真・戦国炎舞-KIZNA-』オープニングテーマ)
03.愛に誉れ (『スマパチ義風堂々!!~兼続と慶次3』テーマソング)
04.生命のアリア(TV アニメ「MARS RED」オープニングテーマ)
05.修羅ノ義(『スマパチ義風堂々!!~兼続と慶次3』 テーマソング)
06.藍より青し(ゲームアプリ『真・戦国炎舞-KIZNA-』合戦テーマ)
07.Interlude ~Starlight~
08.Starlight (I vs I ver.)(フジテレビ系⽉9ドラマ「イチケイのカラス」主題歌)
09.そして、まほろば
10.時の方舟
11.BRAVE
-Bonus Track-
12.星の如く(すとぷり提供楽曲 セルフカバー)
13.名作ジャーニー(アニメ「あはれ!名作くん」主題歌)

【初回限定「ボカロ三昧2 大演奏会」盤】

CD+Blu-ray ¥7,700 (税込)/UMCK-7217
初回プレス限定封入特典:トレーディングカード(絵柄A) 全9種類の内1枚ランダム封入
Blu-ray収録内容:2022年8月より全国23都市で開催された「ボカロ三昧2 大演奏会」から東京・中野サンプラザホール公演を完全収録!

「ボカロ三昧2 大演奏会」(全18曲)
Overture〜ボカロ三昧2 大演奏会〜
フォニイ
エゴロック
グッバイ宣言
Surges
天ノ弱
紅一葉
アイデンティティ
ナイト・オブ・ナイツ
ド屑
ベノム
いーあるふぁんくらぶ
ドラム和太鼓バトル〜打演飛動〜
キメラ
マーシャル・マキシマイザー
Fire◎Flower
<ENCORE>
吉原ラメント
千本桜

【初回限定vs盤】

CD+Goods ¥6,050(税込)/UMCK-7218
初回プレス限定封入特典:トレーディングカード(絵柄B) 全9種類の内1枚ランダム封入
Goods内容:範馬刃牙コラボロゴ使用ミニタオル、アクリルキーホルダー、ステッカー2種 (範馬刃牙コラボロゴ1種、アルバムロゴ1種)

【CD Only盤】

2CD 税込¥3,850/UMCK-1752/3
初回プレス限定封入特典:トレーディングカード(絵柄C) 全9種類の内1枚ランダム封入
CD DISC2収録内容:アルバム全曲のInstrumental収録(CD1枚に収録)

【真・八重流盤(FC限定)盤 】

全3形態(初回限定「ボカロ三昧2 大演奏会」盤+初回限定「vs」盤+CD Only盤)+DVD
¥18,150(税込)/ PROS-1929
初回プレス限定封入特典:トレーディングカード(絵柄A、B、Cのいずれか全9種入り)
DVD収録内容:アートワーク撮影のメイキングとメンバーの個別インタビュー収録
※受注生産による完全限定盤:受注期間2023年6月5日(月)まで

<和楽器バンド Japan Tour 2023 I vs I>

詳細:https://wagakkiband.com/contents/640586

2023年07月29日(土)千葉・市川市文化会館
15:00開場/ 16:00開演

2023年08月13日(日)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
17:00開場/ 18:00開演

2023年09月02日(土) 愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール16:00開場/ 17:00開演

2023年09月07日(木)東京・LINE CUBE SHIBUYA
17:30開場/ 18:30開演

2023年09月18日(月・祝) 広島・上野学園ホール
16:00開場/ 17:00開演

2023年10月01日(日)茨城・水戸市民会館 グロービスホール
17:00開場/ 18:00開演

2023年10月07日(土)大阪・オリックス劇場
16:00開場/ 17:00開演

2023年10月09日(月・祝)宮城・仙台サンプラザホール
16:00開場/ 17:00開演

2023年10月29(日)福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
16:00開場/ 17:00開演

【チケット料金】
VIP指定席:前売 ¥15,000(消費税込み/前方指定席/プレゼント付き)
VIP着席指定席:前売 ¥15,000(消費税込み/プレゼント付き)
一般指定席/着席指定席:前売 ¥10,000(消費税込み)

【企画/制作】イグナイトマネージメント/LIFE
【協賛】ニューギン グループ

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