【対談 #3】YUKKE(MUCC) × Ni～yaとRUKA(NIGHTMARE)が語る、＜悪夢69＞とリズム「V系が流行り廃りではなく文化になった」

MUCCとNIGHTMAREが8月、東名阪ツーマンツアー＜悪夢69＞を開催する。同ツーマンツアーは8月17日のZepp Nagoyaを皮切りに、8月18日のZepp Osaka Bayside、ファイナルとなる8月24日のZepp Hanedaといった3会場をまわるもの。両者はこれまでにもイベント等で共演しているが、対バンは今回が初となる。

◆YUKKE(MUCC) × Ni～yaとRUKA(NIGHTMARE) 画像

結成24年目のNIGHTMAREに対し、MUCCは27年目であり先輩にあたるが、メジャーデビューは両バンド共に2003年だ。ヴィジュアル系というジャンルで括れば同じフィールドではあるものの、音楽性の差異は大きいかもしれない。しかし、NIGHTMAREは仙台を中心とする宮城、MUCCは茨城という同郷メンバーから成り立つバンド、という共通点もある。

そもそもなぜこのタイミングでツーマンツアーを企画したのか？ どのようなライブ内容になりそうなのか？ 開幕に向けて両バンドの関係性、それぞれの現在地、このツアーに懸ける想いなどを紐解く全四回の対談連載第一弾は両バンドのヴォーカリスト逹瑯(MUCC) × YOMI(NIGHTMARE)、第二弾はギタリストのミヤ(MUCC) × 咲人(NIGHTMARE)対談をお届けした。そして第三弾はYUKKE(MUCC) × Ni～yaとRUKA(NIGHTMARE)といったリズム隊だ。三者のトークセッションからは、プライベートの親密度とリズム隊としてのこだわりが浮き彫りとなった。


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■MUCCは先輩というイメージ
■常に俺らより一歩先をいってる

──MUCCからYUKKE(B)さん、NIGHTMAREからNi～ya(B)さんとRUKA(Dr)に集まっていただいてのリズム隊対談となります。3人が一番最初に出会ったのは？

YUKKE：出会いってなるとあれでしたっけ？ 仙台でNIGHTMAREの前のバンドでRUKA君と対バンしたのが最初だっけ？

RUKA：だと思います。

YUKKE：RUKA君がLuinspear(ex.ヴィドール～GOTCHAROCKAの樹威[Vo]も在籍)のときだから、今から22～23年前。あれは仙台MACANAだった？

RUKA：たぶん。ライヴを演ったのは憶えるけど…。

YUKKE：覚えてるのは演ったという事実だけだ（笑）。

RUKA：僕が逹瑯君以外のMUCCのメンバーとしゃべったのって、この間の座談会(YouTubeで生配信した『「悪夢69」開催記念特番』)が初ですもん。前に、Ni～yaがYUKKE君と電話で話してるときに替わってくれて、少ししゃべった記憶はあるんですけど。それ以降は、この間の生配信座談会になりますね。逹瑯君とは前に雑誌の企画で一度対談させてもらったことがあるんです。


──22〜23年前に仙台で対バンしたときはどんな会話を？

YUKKE：会話してないんだよね、打ち上げもやったのに。その数年後、イベントとかでNIGHTMAREと絡んだときにドラムがRUKA君になってたから、“あ、この人、前に対バンしたときに会ったRUKA君だ”と思ったぐらいですかね。

──Ni～yaさんとYUKKEさんの出会いは？

Ni～ya：22〜23年前の仙台ライヴを観に行ったときですね。「RUKAさんのバンドが出るから観に行こう」ってNIGHTMAREのメンバーと行ったら、MUCCが出てて。そのとき初めてMUCCを観たんです。

──ライヴの印象はどうでしたか？

Ni～ya：独特のダークなオーラを放ってましたね。ライヴ終演後、俺らは打ち上げにも参加させてもらって。NIGHTMAREの目の前にMUCCさんが座ったんですよ。俺、憶えてますもん。そのときYUKKEさんがバンダナを…。

YUKKE：それ言わないで（笑）！ ……20歳ぐらいの頃、バンダナを頭に巻いてた時期があったんです。

Ni～ya：「初めまして」はそのときですね。

──頭にバンダナ巻いたYUKKEさんと対面したときの第一印象は？

Ni～ya：怖かったっす！

YUKKE：そんな訳がない。あんなひよっ子。

Ni～ya：NIGHTMAREってみんな人見知りなんですよ。

YUKKE：え──っ!!

Ni～ya：「嘘つけ！」ってYUKKEさんは言うんですけど、当時、あの場にいた中ではウチらが最年少だったんで、みんな怖くて。だから、あのときは挨拶したぐらいで何も喋ってないですよね？

YUKKE：そうだったね。

Ni～ya：打ち上げなのに黙々と飯食って帰りました（笑）。


──そんな初対面のあと、RUKAさんはNIGHTMAREに加入したわけで。今改めて、お互いのバンドに対するイメージを教えてもらえますか？

YUKKE：MUCCのほうが先に結成していたとはいえ、同じ頃に音楽雑誌に載り出して。そこからずっとNIGHTMAREは第一線で、メンバーチェンジもしてないで活躍してるバンドという印象ですね。ヴィジュアル系のなかでも、正統派としてやってるイメージ。自分らがやりたいことをずっとブレないでやってるから人気もあって。ついてくるお客さんがたくさんいるのも分かります。

Ni～ya：俺からしたら、MUCCは先輩というイメージってずっと変わらないんです。例えば、武道館とかアリーナとか大きなライヴ会場も、常に俺らより一歩先にMUCCが演ってる印象で。あと、楽曲の話をすると幅広いんです、MUCCは。

YUKKE：ありがとう。

Ni～ya：ウチらには真似できないような楽曲をやってる。尊敬する先輩です。

RUKA：まず俺、本当に他のバンドの曲を聴かないから、ずっとMUCCの曲も知らなかったんです。だけど、どこかのお店の有線で“これ、いい曲だな。誰だろう？”って曲が流れてて、調べてみたらそれがMUCCだったという。逹瑯さんが歌ってる声とか、超意外だったんですよね。

──MUCCというバンドイメージと有線から流れてきた曲の印象が違ったということですか？

RUKA：はい、俺は曲を知らないから。当時MUCCというバンドから一番最初に思い浮かべるのが“目の周りが黒い人たち”だったんですね。

YUKKE：ははははは！

RUKA：そのときに聴いた曲は「謡声(ウタゴエ)」だったんですけど。目の周りが黒い人たちとは全然イメージが違うなぁと思ったんですよね。

YUKKE：たしかに、そのメイクと「謡声(ウタゴエ)」はあまりにもイメージが違うかも（笑）。


RUKA：そこがすごく意外だったのと。あと、昔からよく同じ音楽雑誌に出てたから、それを見ていたら、MUCCは定期的にめちゃくちゃ濃いメイクに戻るバンドだなという印象があって。

YUKKE：ああ～、たしかに。

RUKA：当時のヴィジュアル系は、濃いメイクからだんだん薄くなっていく人が多かったじゃないですか。その過程の中でたまに濃いメイクをするっていう感じだったと思うんですけど。MUCCは昔から濃くなったり薄くなったりを頻繁に繰り返してて。これって曲に合わせてやってるのかなぁって思ってたんです。

YUKKE：MUCCはアルバムごと、ツアーごとの雰囲気でメイクを変えてて。昔から、音源とかそのコンセプトに合わせてメイクを選択するようにしてますね。

──RUKAさんは、MUCCが目の周りを黒く塗ったメイクを始めた理由ってご存知です？

RUKA：知らないです。理由があるんですか？

YUKKE：MUCC結成当時って、メイクしてるバンドがあまり周りにいなかったし、いたとしても綺麗なヴィジュアル系が多かったんですよ。そこと一線を画したいなというのがあったんだと思います。

RUKA：ほぉ～！

YUKKE：っていうか、MUCC結成のときは俺、まだいなかったからね。

RUKA：そうなんですか？

YUKKE：結成2年目に加入したから、後入りの新メンバーなんですよ、俺。って言いながら、もうそろそろ24年経つんですけど、メンバーの中ではまだ新入りですね。

RUKA：えー、それは知らなかった！ 俺もNIGHTMARE結成から2年遅れで入ったのかな。

YUKKE：お！ 俺と同じ新メンバーだ（笑）。

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