【インタビュー】Da-iCE、好奇心くすぐる新曲「ナイモノネダリ」で“ナイ”もの座談会

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Da-iCEが10月20日に、配信シングル「ナイモノネダリ」をリリースした。

◆撮り下ろし写真

同曲はボーカルの花村想太が作詞作曲を手掛けており、ドラマ『ハイエナ』(テレビ東京系)の主題歌に起用されている。BARKSではそんな同曲についての話を聞いたのはもちろん、曲中にリフレインするワードである“ナイ”に掛けたテーマで座談会も行なった。

   ◆   ◆   ◆

◾️サビのキャッチーさが一番の推しポイント

──まずは「ナイモノネダリ」の制作経緯から聞かせてください。

花村想太(以下、花村):ドラマ『ハイエナ』の主題歌をやらせていただくにあたって、コンペを行なうことになりました。リファレンスを聴いて「ナイモノネダリ」を作って、コンペに出して、選んでもらったという感じです。なので書き下ろしではあるのですが、決め打ちで作った曲ではないんですよ。「かっこいい曲を作る」というところがスタートでしたね。

──リファレンスした楽曲はどんなものだったのでしょうか?

花村:これが難しくて。「CITRUS」の要素を持った「スターマイン」みたいな曲を作ってくれというオーダーをもらったんです。

工藤大輝(以下、工藤):難しいですよね(笑)。

花村:そう、ものすごい難しい! そのオーダーをスタッフさんが汲み取ってくれて、「2ステップっぽい曲ならイケるんじゃない?」という話になりました。なので、一番最初にリファレンスとしたのは、2ステップの曲。で、僕と大輝くんそれぞれで2ステップの曲を書いて提出したのですが、先方から2ステップではないと言われてしまって(笑)。そこで「メロウな感じはありつつも疾走感もほしい」という話を聞いて、J-POP寄りのメロディラインだけどトラックは最新でオシャレなものにするということを意識して作っていきました。


──なるほど。合点がいきました。

大野雄大(以下、大野):上って がって 合点〜♪

花村:いやいやいや(笑)! あとはこの曲もMEG.MEさんと共作させていただきました。ここ1年くらい、毎回MEGさんが30分くらいで歌詞を作ってくれて、その仮歌詞を僕が入れていくスタイルなんです。かなりスピーディーに作っているのですが、コンペで曲が通ると半分くらいはそのまま歌詞も採用。今回もそうで、2人で方向性をすり合わせた後にMEGさんがガッと書き上げてくださいました。

──「ナイモノネダリ」というフレーズも印象的ですよね。

花村:僕、人生の中でいつもないものねだりをしているんです。細かいところで言えば、メンバーが食べているものの方が美味しそうに見えたり(笑)。なので、そういう曲をかこうかな、と。

──ちなみに、工藤さんがコンペに提出されたのはどんな楽曲だったのですか?

工藤:もう記憶にないんですよね……。

花村:2ステのやつもかっこよかったですけどね。

工藤:2ステのは覚えてる。最終的にどうだったっけかな〜。

花村:スケジュール的にかなり忙しかったもんね。2ステの曲を提出した1週間後にはこの曲が決まっていたし。

工藤:そう、そう。でも解釈が近いので方向性は似ていましたよ。

花村:地元の友だちと作って出した曲もあるんですけど、それもめちゃくちゃかっこよかった。どれが選ばれてもいい曲を僕は5曲くらい出して。

工藤:それをドラマの制作サイドに投げる。

花村:ドラマスタッフの方が100〜200曲くらいの中から選んでくれた感じです。


──これまでもたくさんのタイアップ曲を書かれていますが、「ナイモノネダリ」ならではの制作エピソードがあれば教えてください。

花村:過去のタイアップ曲は、僕が最初に弾き語りで作って派生させて広げていく感じでしたが、「ナイモノネダリ」はトラックありき。まずMEGさんとLouisくんがトラックを作ってくれて、そこにメロディを乗せました。それがめちゃくちゃ難しくて! 1コーラス目のメロディで僕のものが採用されたのは2〜3割くらいしかないかも。2コーラス目以降は結構僕のメロディも採用してもらいましたけど、1コーラス目はほとんどMEGさんとLouisくんが調整してくれました。まずは2人に感謝ですね。

──工藤さんもこれまでタイアップ曲を書かれていますが、花村さんの制作方法とは違いがありそうです。

工藤:想太はチームアップしているので、クルー感があるんですよね。預けたり、添削したりすることを含めて完成されているチーム。僕はチーム然としていなくて、曲によってお願いする人を分けています。そこが違うかな。曲を作る過程は弾き語りから作るものもあれば、トラックありきでメロを乗せることもあるので似ているのですが、座組が違うという感じです。

花村:僕のチームはアレンジもできるんですよ。今回もアレンジ含めてチームでやれたので、そこは強みです。デモの時点でクオリティが変わってくるというか。あとは、チームでやると制作がめちゃくちゃ早い。



──そんな「ナイモノネダリ」を聴いて、他の皆さんはどう感じられましたか?

大野:サビのキャッチーさが、僕としては一番の推しポイントですね。それと、想太が作る楽曲って展開が面白いんです。手数が多いというか、いろんな技が入っているというか。「こう来るんだ!」というパターンが多いので、好奇心旺盛にレコーディングもできました。まぁ、くっそムズいんですけどね。

花村:あはは(笑)。

大野:くそムズいんですけど、歌っていると楽しいんです。自分が普段聴く音楽にないフレーバーが入っていて、触れたことないものに触れた時の楽しさも感じられます。


──この曲におけるボーカルの旨味はどこでしょう。

大野:歌いがいがあるのは、サビの2回し目のところ。本当だったらここでパートが切り替わるだろうなっていうところの、1つ先まで歌わないといけないんです。そのテンション感の作り方かな。

花村・大野:《安い台詞じゃ 眠れやしない 何かが足りない♪》

大野:……というところまで歌わないといけないので、イレギュラーですよね。本当だったら《何かが足りない》の前でもう1回アクセルを踏み直して、歌う人を変えたほうが良いんでしょうけど。

──あえてそうしなかったのはなぜなのですか?

大野:1コーラス目の中で《ナイモノネダリ》というフレーズをお互い言いたかったんです。……って、さっき別の媒体さんのインタビューで想太が言っていました(笑)。

花村:「ナイモノネダリ」を1コーラスの中でわざと2回入れているんですが、それは2人とも歌ったほうが良いよねという意図のもと入れていて。それを汲み取って歌割りをしてもらいました。

──なるほど! 岩岡さんはどう感じられましたか?

岩岡:歌いがいがあるところですか?

花村:いやいやいや(笑)。聴いた感想!

岩岡:僕もサビがすごく頭に残ったことを鮮明に覚えています。想太が作る曲ってすごくキャッチーなんですよ。誰からも好まれやすいというか。今回は主題歌なので作品を想定して作っているとは思うんですけど、すごく聴きやすいし、馴染みやすいんじゃないかな、と。


──楽曲を聴いたときに、「こんなダンスが合いそう」と想像したりもするのでしょうか。

岩岡:ダンスというよりも、振付師さんが浮かんだりはしますね。でも、今のダンサーさんっていろんなジャンルのダンスができるので、「あえてこの方にお願いするのも面白いかも」と考えます。

工藤:今回は和田さん含め、4人の振付師さんに携わってもらいました。

和田颯(以下、和田):とっても楽しかったです! 4人で振りを作るってやったことがなかったですし、やっているグループも日本にはほとんどないですから。韓国だとたくさんの振付師さんが作った振りを切り貼りすることも多いですが、今回は「この部分はこの人に作ってほしい」、「こっちはあの人にお願いしたい」とみんなで話し合って決めました。「ナイモノネダリ」って1曲の中で曲調がガラッと変わるんですよ。なので、ここはこのジャンルのダンスをやったら面白そうですねって話し合って。そこから振付師さんを決めていくという流れでした。


──振付師の方の選定も和田さんが?

和田:みんなで決めました。最初想太くんがデモを聴いていて、「2コーラス目からすごい曲調になっちゃった!」って言っていたので僕も聴かせてもらって。これならダンスのジャンルを変えるのもアリですよねって。

花村:2コーラス目以降のトラックが届いた時、この2人(和田、工藤)と楽屋にいたので聴いてもらったんです。急にラテン調になっていたから「これどうする?」「振付師さん変えてみたら?」みたいな。そこで色々意見をもらって、ハウスっぽいメロディラインというか、バチバチにステップを踏めるような譜割りにしてみました。だから3連符がめちゃくちゃ多いラップになっています。

和田:完成形でまたイメージが変わったらから、これならロックダンスが合うかもしれないですね、と。みんなで案を出して「第一候補はこの方にお願いしましょう」という会話をして決めていきました。振りも無事入れ終わりましたよ。

花村:このダンスは見どころしかないよね。

和田:目まぐるしいです。多分、見ている方は目を休める時間がないんじゃないかな。

大野:フル尺で考えて目まぐるしいんですけど、TVサイズにした時はもっと全速力でやらないといけない。

和田:止まる瞬間ないですもんね。

大野:シャトルランでずっとダッシュしているみたいな。



──以前のインタビューで、花村さんが「実はボーカル陣はそこまで踊ってない」と仰っていたことがありました。

花村:今回は1コーラス目のAメロだけ。あとは全部踊ってます!

──工藤さんは「ナイモノネダリ」を初めて聴いた時の所感はいかがでしたか?

工藤:うーん、ラストシーンを「けつまつ」って読むところがいいなって思いました。

大野:本気と書いて「まじ」みたいなやつですもんね。

工藤:そう、そう(笑)。俺はこの手の書き方をあまりしないので、純粋に面白いなって。

花村:ここはMEGさんのプロの技が出ますね。

工藤:前回のアルバムが「SCENE」なので、それと掛けてるのかな〜と。

花村:あ、そうかも!

工藤:わかんない、適当です。ごめんなさい(笑)。

花村:ガチでそうかも。そういうことする方だし。この歌詞、僕は《壊れるまで》って書いたんですけど《ラストシーン》って修正されて返ってきたんですよ。

工藤:あ、そうなんだ。じゃあ本当にそうなのかも? いずれにせよ、僕はこういった歌詞をあまり書かないので斬新でした。それに、想太の手癖はあるけどチームでやっているのでJ-POPとして起承転結が出来上がっていますよね。「Clap and Clap」を作っていた頃より、今の方が変化が多いと感じます。

花村:チームを組んである程度時間が経ちましたから。手癖しかないのがみんなにバレちゃっているので、キレイに直してくれるんです。

──新しい視点が加わってよりブラッシュアップされている、と。

花村:本当に。なので、修正されて返ってきた箇所は基本的に変えないです。どれだけ自分が作ったものが気に入っていても。もちろんちょっと嫌だなと思うこともあるんですけど、それを抑えてそのままいきます。というのも、以前自分が気に入っていたものと、直してもらったものの2パターンを提出したことがあるんですね。でも満場一致で直してもらった方が選ばれたので、抗うのは止めました(笑)。

◆インタビュー(2)へ
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