【速レポ】モンパチフェス<WWW!!23>MONGOL800、3DAYSの大団円にWANIMAとの共演も「この景色を毎年見たいと思いました」

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5年ぶりに帰ってきた<What a Wonderful World!! 23>もいよいよ大詰めを迎えようとしている。最終日、ハブSTAGEで大トリを務めるのは、もちろん<What a Wonderful World!!>を主催するMONGOL800(以下モンパチ)だ。

◆ライブ写真

観客が続々とハブSTAGEに駆けつける中、モンパチの登場を待ちきれない観客が「OKINAWA CALLING」の冒頭でバンドと観客が掛け合う“オー、イエー”というシンガロングパートを歌い始め、ハブSTAGEはライブ開始前からただならぬ熱気が漂い、気づけば、リラックスゾーンの奥の奥のほうまで観客で埋まっている。


「<What a Wonderful World!! 23>最終日! 遊びましょう~」

登場のジングルに合わせ、カチャーシーを踊りながらステージに出てきたバンドを代表して、キヨサクこと上江洌清作(Vo, B))が声を上げ、“明日には夢叶う”と歌い始めると、ハブSTAGEを埋めた観客が全員、一斉に手を上げる。サポートメンバーのシーサー (Tp / DOBERMAN)とNARI (Sax / SCAFUL KING)が鳴らすホーンのリフからなだれ込んだのは「夢叶う」。牧歌的なメロディとは裏腹に夢を忘れ、不遜になった大人を戒める言葉と、明日には夢が叶うと信じて、“ありのままのあなたの姿で 好きな事をやるだけさ”と歌うストレートなメッセージはもちろん、Kuboty(サポートギター)がガガガと刻むギターの太い音色、サッシこと高里悟 (Dr, Cho)が鳴らす軽快なドラムが1曲目から耳に心地いい。

間髪入れずにそこから繋げた「愛する花」はパンクロックと思わせ、中盤の民謡風の展開からレゲエになるモンパチ流のミクスチャーロックだ。中盤、スカになる「夢叶う」もそうだが、シンプルそうに思えて、巧みにヒネリを加える彼らのアレンジにはライブを見るたび感心させられる。



「おかげさまでモンパチ、結成25周年を迎えることができました。そして<What a Wonderful World!! 23>。5年ぶりの開催ですが、まさかの3DAYS。2009年から2年おきにやってきましたが、こんなに天候に恵まれたのは初めてです。それもこれもお客さんの日頃の行いが良いからだと思ってます。最後の夏フェス、まだまだ楽しめる方! コロナも明け、いろいろな制限もなくなって、素敵な笑顔をたくさん見せてもらいました。みなさんの元気な声をちょうだいしてもいいでしょうか⁉」

5年ぶりの<What a Wonderful World!! 23>が間もなく大成功の裡に終わろうとしている予感にわくわくしているのか、すっかりゴキゲンなキヨサクがコール&レスポンスに導きながら、「OKINAWA CALLING」になだれ込むと、モンパチファンのアイドル=粒さんことパーティーダンサー:粒マスタード安次嶺が登場。両手でハートマークを作るキュートな(?)ダンスを繰り広げ、観客の気持ちも躍らせながら、どこかカリプソっぽい魅力もあるモンパチのダンスナンバーをぐっと盛り上げる。


そこから、サッシのドラムで繋げ、「今宵は宴じゃ。宴じゃ!」とキヨサクが声を上げた「PARTY」はリズム&ブルースっぽいともオールディーズっぽいとも言えるロックンロール。心地いい低音で鳴るキヨサクのグルーヴィなベースプレイに体を揺らした観客は、Kubotyがステージセンターで閃かせたギターソロを合図にジャンプ!

「これだけは言わせて」と粒さんが始めた「796、797、798、799!」というカウントに応え、観客が上げた「800!」と声が印象づけたのは、ハブSTAGEに生まれた大きな一体感だった。

ところで、この3日間、マングースSTAGEのトップバッター、ハブSTAGEの中継ぎ、そしてハブSTAGEのトリとさまざまな時間にステージに立ちながら、モンパチはその日だけしか演奏しない曲を加え、セトリに変化を付けていたが、この日、レパートリーの中でも特にメッセージ色が濃い「琉球愛歌」を選び、太鼓を叩きながらエイサー(沖縄の伝統芸能)を踊る栄口区青年会の10人と共演したことには、彼らなりに何か大きな意味があったんじゃないかと想像したりも。


そこから“転んで もがいて生きてやる”という歌詞が耳に残るエモいロックナンバー「face to face」を繋げると、「ラスト!」とキヨサクが声を上げ、キヨサク、サッシ、Kubotyによるハーモニーワークも聴きどころだった「あなたに」で思いの外あっさりと本編は終了。

もちろん、そこで終わるわけがないと思いながら、観客がアンコールを求める声を上げる中、照明が消えたステージを眺めていると、おおっ、スタッフがステージにもう1台、ドラムセットを運び入れているではないか。しかも、バスドラにはWANIMAの文字が! それに気づいた観客が悲鳴に近い歓声を上げる。

そう。中盤でキヨサクが言った「宴」の本番は、むしろここからだった。



「アンコールありがとうございます。今回の<What a Wonderful World!! 23>、25年間、バンドを続けてきたご褒美をもらっているようです。昨日、トリのRIP SLYMEとセッションしたとき、言っちゃいましたが、ツアーもしたいし、作品も作りたいしと思って、2009年から<What a Wonderful World!!>は2年おきにやってきましたけど、25周年を経て、この景色を毎年見たいと思いました。<What a Wonderful World!!>、来年もやりたい。続く限り毎年やりたいと思います! みなさんはどうでしょうか?」

改めてキヨサクが来年の<What a Wonderful World!!>開催を示唆して、観客に歓喜の声を上げさせてからのアンコールは、<What a Wonderful World!! >のタイトルの由来の1つでもあるルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」のラモーンパンク風カバーからスタート。

そして、WANIMAを呼び込むと、「アンコール、ワンパチでいただきます!」とキヨサクが声を上げ、WANIMAのKO-SHIN(G)がゴキゲンなカッティングを鳴らしながら、2022年に発表したモンパチとWANIMAのコラボナンバー「愛彌々」──WANIMAのKNETA(Vo, B)とキヨサクが交互に歌うスカパンク要素もあるダンスナンバーをハブSTAGEに投下。すると、突然雨が降り始める。しかし、当然と言えば当然だが、今この瞬間の記憶を脳裏に焼き付ける特殊効果とでも考えているのか、誰一人、ハブSTAGEを去ろうとしない。




WANIMAとモンパチの共演は、さらに「小さな恋のうた」「DONʼT WORRY BE HAPPY」と続いたが、この日の出演バンドのメンバー達が乱入してきた後者では、シーサーのトランペットソロ、NARIのサックスソロ、Kubotyのギターソロに続いて、まさかの粒さんのダンスソロ、そしてさらにまさかのWANIMAのFUJI(Dr)のダンスソロまで飛び出した! キヨサクが快哉を叫ぶ。

「最高じゃないですか! これこそが<What a Wonderful World!!>!」

シーサーとNARIが奏でる哀愁漂うニューオーリンズ風のフレーズが導いたラストナンバーは「LAST PARADISE」。キヨサクがしっとりと歌い上げた冒頭のトラッドフォーキーなバラードパートから、アイリッシュ風のダンスナンバーに展開してからは、音源を流しながら、モンパチ、WANIMAのメンバーを含め、ステージにいる30人以上の出演者達が踊り続け、「また来年もやりましょう!」とキヨサクが再会を誓いながら、大団円を迎える頃には、<What a Wonderful World!! 23>の大成功を祝福するように雨はすっかり上がっていたのだった。


コロナ禍を乗り越え、5年ぶりに開催した<What a Wonderful World!! 23>。10月14日のぴあアリーナMM公演で「大変だったという実感があります」とキヨサクが振り返ったこの5年のモンパチの状況も考え合わせると、25周年を迎えたタイミングで<What a Wonderful World!!>を成功させたことは、彼らにとって大きな転機になるんじゃないか。だからこその<What a Wonderful World!! >の毎年開催の意気込みなのだと思うが、この成功の経験はモンパチの今度の活動にも良い影響を与えるような気がしている。

文◎山口智男
写真◎SARU(SARUYA AYUMI)

セットリスト

01. 夢叶う
02. 愛する花
03. OKINAWA CALLING
04. PARTY
05. 琉球愛歌
06. face to face
07. あなたに
08. What a Wonderful World
09. 愛彌々 w/ WANIMA
10. 小さな恋のうた w/ WANIMA
11. DONʼT WORRY BE HAPPY w/ WANIMA
12. LAST PARADISE

<MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!23>





11月3日 DAY1
MONGOL800/04 Limited Sazabys/赤犬/かりゆし 58/きゃりーぱみゅぱみゅ/サンボマスター/湘南乃風/DIAMANTES/真志喜中学校軽音楽部/LOUD SPEAKER(普天間高校軽音楽部)
道ジュネー:新城青年会
11月4日 DAY2
MONGOL800/Creepy Nuts/D-51/TETORA/ハルカミライ/FOMARE/RIP SLYME/ROTTENGRAFFTY/WWW!! special session The BK Sound presents -Good Vibes Only
道ジュネー:江洲青年会
11月5日 DAY3
MONGOL800/ORANGE RANGE/KICK THE CAN CREW/島バナナーズ/DOBERMAN/HUSKING BEE/HEY-SMITH/WANIMA/WWW!! special session 島袋優(BEGIN)presents -Okinawa moon
道ジュネー:栄口青年会

2023年11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)
*雨天決行/荒天中止
@沖縄県 宜野湾マリーナ・トロピカルビーチ特設会場(901-2224 宜野湾市真志喜 4-2-1)
開場11:00 開演13:00
各1日券【前売】一般 9,900 円(税込)|中高生 4,000 円(税込)
2日通し券【前売】一般 18,000円(税込)※11/3・4、4・5 券の2種
3日通し券【前売】一般 27,000円(税込)
※小学生以下はチケットをお持ちの保護者1名様につき、1名まで入場無料
※中高生チケットは1日券のみ、一般発売からの販売
[問]PM AGENCY
TEL:098-898-1331(平日 11:00-15:00)https://www.pmnet.co.jp
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