【ライブレポート】ザ・デッド・デイジーズ、東京公演を見逃すな

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10月31日、梅田クラブクアトロにてザ・デッド・デイジーズのジャパン・ツアーが開幕。100分を超える熱演で大阪のファンを歓喜させた。11月1日には東京・渋谷Spotify O-EASTでの公演が控えているだけに、この場では具体的な演奏曲目などについては一切触れずにおくが、熟練者たちによるタイトかつパワフルでグルーヴに富んだ演奏は当然ながら文句のつけようもなく、ラインナップに復帰したジョン・コラビも、エモーショナルな歌唱とステージングで興奮の火に油を注いでいた。


今回の来日公演においては、バンドの創設者であるギタリストのデイヴィッド・ローウィーが諸般の事情により不参加という異例の事態に見舞われてはいるものの、その代役を務めている元バックチェリーのヨギもまったく違和感なく自然にバンドに溶け込んでおり、これがこの顔ぶれでの初ライヴだというのが信じられないほどコンビネーションも見事だった。また、彼らのライヴでは、さまざまなクラシック・ロックの名曲を散りばめながらのメンバー紹介タイムが設けられているが、本来ならばジョン・コラビを紹介する役回りにあるデイヴィッドが不在であるため、今回はダグ・アルドリッチがそれを担当。ステージ上でオーディエンスに語り掛けることが滅多にない彼のちょっとしたトークも観客を沸かせ、終演後にそのことについて本人に指摘すると「喋るのは得意じゃないけど、思いのほか楽しんでしまった」と笑顔で語っていた。





演奏曲目についても、ファンが絶対に聴きたいはずの楽曲がほぼ漏れなく網羅されており、しかもステージ上の5人全員が心から楽しんでいる様子がうかがえるだけに、そのポジティヴな空気は当然のように客席にも伝染。梅田クラブクアトロは、会場規模に見合わないほど大きな歓声に包まれていた。8月にリリースされた、この10年を総括する『BEST OF』を事前に聴いておけば予習は万全だろうし、逆に、曲をまったく知らぬまま観ても彼らのライヴは間違いなく楽しめるはずだ。すでにお馴染みのレパートリーになっているカヴァー曲たちも随所に登場するし、アンコール時にはジョンによる「ロック史におけるもっともグレイトな声の持ち主による曲」という紹介と共に、メンバーたちと所縁深い某バンドの楽曲が披露された。その正体については、この場では伏せておくことにしよう。



ひとつだけ残念なのは、今回のツアーが大阪、東京でのわずか二夜公演のみだということ。東京公演でもさらなる盛り上がりが期待されるところだし、この機会のために特別に結成されたカヴァー・セッション・バンド、THE MIDNIGHT ROSES(このバンド名が、ザ・デッド・デイジーズのライヴに欠かせない某楽曲のタイトルと韻を踏むものであることは言うまでもない)の出演も要注目だろう。この機会をお見逃しなく。



文・撮影◎増田勇一

◆THE DEAD DAISIES - ウドー音楽事務所
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