【異色対談】ピエール中野(凛として時雨)×河野玄斗、好きなことを突きつめたスペシャリスト「方向は違うけど、やっていることは近い」

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■ ロックバンドのメンバーは、自分のやりたいことを押し通すようなイメージでした

── おふたりとも、好きなことを突き詰めてきたところは通じる部分があるのかなと。

河野:方向は違いますが、やっていることは近いように僕も思いました。好きなことに打ち込んで、それによって周りの人たちになにか良いことが起きたり、背中を押せたりするという意味で。

ピエール:そうですね。河野さんは、この先どうなっていくんですか? すごく期待してるんですよ。

河野:ありがとうございます。今やっている教育の会社を大きくしたいと思いますし、YouTubeのほうも伸ばしていきたいですね。

ピエール:YouTubeの動画によって子供たちが、勉強が好きになったり、得意になったりするんでしょうね。

河野:今やってるオンライン塾は、大学受験の人たちを対象にしているんですが、これから幅を広げていきたいなって思って、少しずつ動き始めています。

ピエール:どんどんやってほしいです。実は、友人が簿記一級の試験を受けようとしていて、河野さんに聞いてほしいって頼まれた質問があるんです。「好きな勘定科目はなんですか?」「勉強はどこでするのが1番集中できますか?」。

河野:好きな勘定科目は……。「償却債権取立益」ですかね。これは回収できないかなと一回諦めた債権が、翌期以降に回収できたときに出てくる勘定科目なんです。ダメかなって思ってたものが返って来たりすることもあって、最終的に回収できたりする。なんか世の中捨てたもんじゃないなって思えるんです。

── 勘定科目で人の優しさを感じられるとは、さすがです。

河野:優しいと言えば、ピエールさんって優しい方だなって思っていて。X(旧Twitter)を相互フォローしてくださっているんですが、一般の方もたくさん相互フォローしているんですよね。あるインタビューで、「芸能人にフォローされたら嬉しいだろうからフォローし返している」っておっしゃってるのを読んで、優しいなって思いました。

ピエール:いやいや、単純に僕の他にあんまりそういうことをやってる人がいなかったから、やったら喜んでくれるかなって。基本的に、人に求められることをするようにしています。

河野:ロックバンドのメンバーは、「俺が楽しいから」というのが価値基準になっていて、俺の話を聞け!みたいな感じで、自分のやりたいことを押し通すようなイメージでした。

ピエール:かつてはそういう時期もありましたが、今は基本的に相手の意見を尊重するというか。自分がこうしたいっていうのはほぼ主張しないですね。以前やっていたバンドでは、みんなで意見を出し合ったことで上手くいかない部分があったりしたんですが、時雨はこうやったら上手くいきそうだなっていうのを実践してみたら長く続けられた、という感じですね。

河野:言われてみたら、僕も会社のスタッフに対して腹を立てたりしないし、「なんでも言って」という感じです。それなりに結果出してる人たちって、皆さん他者とのやり取りが上手ですよね。怒る人って、ほんとに少ないです。



── 「どこで勉強するのが一番集中できますか?」という問いに対してはいかがですか?

河野:僕は家では勉強できない人だったので、基本的にカフェとか学校の自習室でやってました。あと、自分でやってるYouTubeチャンネル(「Stardy -河野玄斗の神授業」)の勉強配信で、10時間ぶっ通しで勉強してる姿を映したんですが、効果絶大でした。みんなに監視されてるのではかどりましたね。カフェに行くのも、「勉強するぞ」というトリガーのひとつなんです。何か始める時に、「この曲聞いたらこれする」みたいな決まり事、ルーティンを作ってる人って結構いると思います。

ピエール:僕は、ライブの時は直前まで寝るのがルーティンですね。

河野:どんな効果があるんですか?

ピエール:寝起きのほうがなんか冴えているというか。だから、なるべく直前まで寝て、起きたら走るんですよ、5分、10分ぐらい。結構前からやってるんですけど、普通に緊張してドキドキしてるのか、運動で疲れてドキドキしてるのかわからなくする。めちゃめちゃ効果的だと思うし、序盤から腕が固くなっちゃうようなこともなくなりました。

── なるほど。では最後に、おふたりがこの先挑戦したいことや実現したい夢を教えてください。

ピエール:まだ27歳だから、なんでも叶いそうですよね。

河野:せっかく教育業界に関わっているので、そこで覇権を取りたいです。

ピエール:こういう熱意があって柔軟な発想がある人が取るべきですよね。その分野の世界が面白くなるだろうし、自分の子どもも学ぶことが楽しくなるんじゃないかなって思います。

河野:ありがとうございます。僕って、“勉強オタク”なんだと思うんです。オタクの人は、アニメでもバンドでも、自分が好きなものを人に話したくなりますよね。そうすることで共感が広まっていく。「勉強って、こうやって考えたら面白いでしょ」と僕がみなさんに伝えることで、問題が解けて、勉強が面白い・楽しいって思ってもらえたら嬉しいですし、受験にも無事に合格できたらいいなと思っています。ピエールさんのお子さんは今、なにか習い事をしていますか?

ピエール:水泳、ダンス、DTMで音楽を創ることですね。小学生が創る音楽や歌詞って、すごくいいんですよ。僕は、TKや自分の妻(大森靖子)のように楽曲などを0から1を作るより、1を100にするほうが得意なタイプ。だから、子どもがもう少し大きくなったら一緒に曲作りしてサポートしたいですね。

河野:すごく素敵ですね。

ピエール:僕がこれからもっと突き詰めたいのは、イヤホンとかオーディオですね。イヤホンを変えると音楽が全然違って聞こえる面白さがあって。「ピヤホン」というイヤホンを5年近く監修させてもらっていますが、海外のトップブランドと並べても結構遜色ない出来栄えで、むしろ選ばれることが多くなってきてるんですよね。まずは国内でちゃんと認知を獲得して、そこから世界に向けてどう動いていくか?というのを模索しているのが今の段階です。このままもっといいものを丁寧に作り込んでいければ、もっと選んでもらえるだろうし評価されるんじゃないかなと思っています。すごく面白いし、やりがいを感じていますね。



取材・文:橘川有子
撮影:大橋祐希

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【河野玄斗 プロフィール】

1996年、神奈川県生まれ。東京大学医学部卒。
在学中に司法試験、医師国家試験に合格。2022年には公認会計士試験に合格し、三大難関国家資格を制覇した。
現在は教育会社の代表となり、登録者数112万人を超えるYouTube『Stardy-河野玄斗の神授業』を運営したり、受験予備校『河野塾ISM』や勉強グッズブランド『RIRONE』を立ち上げたりして、受験生の支持を集めている。

「狐独の才望 -Onmyoji Edit(Mixed by Romesh Dodangoda)」

11月29日(水)配信リリース
https://smar.lnk.to/TqmLAu

新曲「狐独の才望」

11月8日(水)配信リリース
https://smar.lnk.to/fpsWoy

<凛として時雨 Tornado Anniversary 2023 ~15m12cm~>

2023年12月8日(金)OPEN18:15/START19:15
会場:東京ガーデンシアター

指定席(一般)¥7,700
学割(高校生以下)¥4,000

Netflixシリーズ「陰陽師」

11月28日(火)より独占配信

イントロダクション 夢枕獏『陰陽師』の世界が初のアニメーション化。令和の時代に描かれる安倍晴明と源博雅、二人の物語とは。小説家・夢枕獏が1986年に初めて発表して以降、“安倍晴明”ブームを巻き起こした小説『陰陽師』。実在した陰陽師の安倍晴明を主人公にした物の怪ミステリーは、漫画や実写、舞台など様々なメディア化がなされてきたが、2023年Netflixにて初のアニメーション化となる。監督は、21歳の時に『この男子、宇宙人と戦えます。』で衝撃の商業作品デビューを果たし、以降も話題作を作り続けている山本蒼美(コミックス・ウェーブ・フィルム所属)。脚本は、アニメ『おしえて北斎-THE ANIMATION-』やドラマ『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』の橋本夏と、Netflixオリジナルドラマ『火花』やアニメ『悪偶-天才人形-』の加藤結子。稀代の陰陽師・安倍晴明が、相棒の源博雅と共に、人と鬼をめぐる事件を解決していく。原作の世界観をもとにオリジナルエピソードを加え、これまでになかった晴明の物語を生み出す。

ストーリー 憧れ、執着、焦がれる想い、己では止められない気持ちが溢れた時、人は<鬼>になる―――。栄華を誇る平安京。都を騒がす怪事件を解くべく、醍醐天皇の孫で雅楽家の源博雅は陰陽寮を訪れる。そこで出会ったのは、人らしからぬ空気を身にまとった男、稀代の陰陽師・安倍晴明であった。俗世に興味がなく乗り気ではない晴明に手を焼く博雅であったが、二人は事件の元凶である<鬼>たちと対峙していく。そして<鬼>の影に潜む、流れの陰陽師・芦屋道満に辿り着く。博雅の笛の師である敦美親王、帝付きの陰陽師・賀茂保憲、そしてとある事件をきっかけに晴明と博雅ともに行動を共にすることになる露子、絡みあう糸のようにそれぞれの想いが交わる中、晴明と博雅は都の平穏を取り戻せるのか。図らずも運命を共にすることとなったタイプの異なる平安凸凹バディの試練が、いま始まる。

キャラクター/キャスト
安倍晴明(声:浪川大輔)
平安の都随一の陰陽師。俗世に興味がなくどこか達観した変わり者。都で起こる不可解な事件を源博雅に頼まれ調べるうちに、事件の影に潜む鬼の存在にたどり着く。博雅と出会って以降、徐々に人に興味を持ち始める。

源博雅(声:浅沼晋太郎)
先代の醍醐天皇の孫にあたるも、源の姓を受け雅楽家に。ひょんなことから、都を騒がす鬼の謎を晴明と共に解き明かすことに。情に熱く真っ直ぐな性格により時より晴明とはぶつかる事もしばしば。

露子(声:石川由依)
美しい貴族の娘でありながら、化粧などに興味はなく色々な虫を飼っている。「自分らしく生きたい」と強く願い、ある事件をきっかけに晴明と博雅に出会う。

敦美親王(声:浜田賢二)
先々代の宇多天皇の第八皇子であり、都一の楽の達人。博雅の笛の師にあたり、日頃から何かと気にかけている。

賀茂保憲(声:岸尾だいすけ)
陰陽寮の陰陽頭。晴明の兄弟子にあたり、帝付きの陰陽師として宮中でも一定の力を持つ。

蘆屋道満(声:佐藤利奈)
播磨の国の陰陽師。その力は晴明に匹敵するほどだが、人をたぶらかし、退屈まぎれにその心を喰らうことに興じる。幾度となく晴明と博雅の前に現れては弄ぶ。

スタッフ
原作:夢枕獏「陰陽師」(文春文庫刊)/監督:山本蒼美/脚本:橋本夏、加藤結子/制作:Marvy Jack

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